名工の明治 4/4
なんだか最近明治工芸がブームである。
ここ2年くらいやたら展示を見る気がする。今回は竹橋の東京国立近代美術館工芸館。
近代美術館は駅近だけど、工芸館はやたら歩くぞ。気をつけろ。つらい。
やっすい。所蔵品展にしても安すぎる。自宅からの交通費より安い。いいのかこんなに安くて。撮影可能なんてお得すぎる。
最近明治工芸といえば陶磁器や自在金物が目玉に据えられているのが多かったけれど、今回は金属細工による鷹がメインになっています。
鈴木 長吉「十二の鷹」
銃にこのうち一番気にいったの、これ。
自分の足を掻いている鷹。ぬめるような羽の造形がすごい。
こうやって、細工の解説もしています。
これは動作はしないみたい。様々な金属を使って羽の毛筋一本まで細かく作られています。
手にとったら重いのかなぁ。
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二十代 堆朱 楊成 「彫漆六華式平卓」
色の違う漆を何層にも塗り重ね、垂直に掘り下げて模様を出した作品。
断面をよく見ると、重ねた漆でシマシマになっています。
どれだけ時間がかかったのだろうか。見事に華やかです。
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勝城 蒼鳳 「波千鳥編盛藍 渓流」
ぱっと見ただの竹かごというか、大きいけど和食レストランでお絞り乗せて出てくる奴なんだけど。
すごい綺麗なんだよね。
渓流、という名前の通り、中央の竹の流れがとてもダイナミックで。ああ、これは水の流れなんだなぁと左右の抜けの部分も相まって素直に思える感じ。
写真にすると立体感わかりにくいけれど、すごい。
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清水 卯一 「青瓷大鉢」
幾重にも走る貫入が見事な作品。色もとてもいい。
ひび割れの層が光を反射して、宝石みたいに見える。
氷砂糖のような、触れたら砕け散るんじゃないかと思うような美しさがある。
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十二代今泉今右衛門「色鍋島緑地更紗文八角大皿」
かーわーいーいー
こういう絵本あるよね。うん、ある。めっちゃかわいい。
でも何に使うんだろうな。料理とか乗せたらうるさいし、飾り皿なのかな。
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黒田 辰秋「赤漆流綾文飾箱」
何これモダン!本当に明治にこんなの作ったの?て思ったら、1957年作だった。昭和32年、戦後じゃねーか。何が明治だ。
この時代ならまだ納得のデザインかな。レトロモダンな感じ。
昭和かよ!て思っただけで、作品自体はすごく好き。
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初代宮川香山の高浮彫の壺がひと組あった。
十二の鷹は万博向けのものだけど、実用作品が多いのかなって印象。
ここは建物自体もかっこいいし、機会があったらまた来たいなぁと思った。
しかし、駅から遠い。