印象派
もう一つアーティゾン。
印象派の展示と、所蔵品展です。
印象派多いよね~人気だもんね~
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ポール・セザンヌ「鉢と牛乳入れ」
セザンヌはとても好きなんだけれど、見ていてなんだか不安になる作品。だって明らかに歪んでるじゃないですか。
牛乳入れは上部は円形なのに下のほうは三角みたいな、まるでスカイツリーのような形をしている。
鉢は手前側にお辞儀をしているかのようにひしゃげている。
わざとやっているのか?失敗したのか?キュビズム的な奴なのか?それとももしかして本当にこういう形をした安物の器なのか???
なんか気になってずっと見てしまいます。
牛乳入れの左上部の緑色と、何ともつかない幾何学的な背景が好き。
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クロード・モネ「霧のテムズ川」
これは、すごくいいですねぇ。
単純にめちゃくちゃ美しいです。この色がいい。
霧がかった中で朝日を受けて輝く水面。ぼんやりと見える船や時計台。
本当にこういう風に見えるんだろうなあっていう感じ。
中央だけ描かれてぐるりがぼかされているのも、挿絵のようで素敵です。
こういう美しい炉で曖昧模糊としたものを部屋に飾りたいなぁと思う。
ぎっちり描かれた具象画や現代ものの抽象画では圧が強すぎるから。
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アンリ・ルソー「牧場」
ルソーのきっちりした絵が好き。
この葉っぱがめちゃくちゃ丁寧に一つ一つ描かれているところとか、まじめに真剣に描こうとしているんだなあって感じがするから。子供の頃写生とかさせられて、これはどこまで描けばいいんだろうって途方に暮れたあの感じを思いだすから。
明るくて気持ちのいい空、遠景の樹木と中景の茂みのリズムが呼応するところとかとてもいい構図だと思います。なんだか絵本のような世界観。
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ジョルジュ・マチュー「10番街」
こちらは印象派展ではなく所蔵品展から。
とにかくエネルギー!って感じの絵。好きだけど寝室には置きたくない感じw
こういうのを見ていつも思うのが、私にはこの絵は理解しきれないんだなぁということです。
だって私は「10番街」を知らないから。この絵が描かれた当時の、エネルギーにあふれ、たぶん暴力的で、それ以上に魅力的な街を知らない。おそらくは賑やかな、いろんな音の洪水であふれたこの町のことを知っていたら、どんなにこの絵がもっと好きになるのだろうかと思うとちょっと悲しくなる。
いいなぁ、アメリカ文化。
もちろん日本の文化芸術に対してアメリカ人も同じことを思うんだろうけれどね。
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藤田嗣治「猫のいる静物」
藤田、嫌いなんです。特にパリにわたってからの美人画が嫌い。もうこれは好き嫌いの問題だから許してほしい。
でもこれは遠めに見て「あっ、好き」って思っちゃった。思っちゃったんだよ。
そんで近づいていくにつれて「フジタじゃん!好きって思っちゃった、悔しい!!」ってなったwわかるだろうかこの感覚……してやられた感じ……
嫌いを押しのけてやってくる魅力。負けました。
構図がいいですよね。静物をどんと描くのではなく、大胆に空間を開けて、鳥を飛ばして。隅っこにいる猫を表題として。
静物ものっぺりとした台の上に妙な立体感のある食材が並んでいるのが気持ち悪くて美しい。変な緊張感のある絵です。
この絵は好き。フジタは嫌い。でもこういう絵をいっぱい見ていたらそのうちフジタのことも好きになてしまうのかもしれない……くやしい。
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相変わらずめちゃくちゃボリュームがあってよかったです。
特に印象派のコーナーが「画家たちの友情物語」というタイトル通り、仲の良い人たちをまとめて展示してあるから、「ああこの木はいつもあの人が描いている木だなぁ。一緒に描いたりしてたんだな。この人が描くとこうなるのか」ってのが見れたりして楽しかった。
そして相変わらず1階のカフェはおいしかった。