人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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最初が最高 津田青楓展 3/13

練馬区美術館はあちこちに「ここで大声を出すととても響きます」という注意文が掲示されている。そもそも美術館がそんな構造になっているのがどうかしている。展示室に防音ドアとかつけて欲しい。(私、毎回この文句言ってる気がする)

とはいえ平日の昼なら空いていて静かに楽しめたよ。

www.neribun.or.jp

津田青楓は明治~昭和にかけて活躍した日本の画家です。
華道家元の家に生まれ、日本画を志し他の地、パリに国費留学して油絵を学びます。
といったらエリート中のエリートなのに全然注目されていないのは、たぶん途中でプロレタリア運動に参加したから。
小林多喜二の虐殺の姿をキリストのように描いた「犠牲者」は今でも有名です。
しかしこの作品などにより津田本人も拘留され、拷問の末転向し、プロレタリア運動から手を引いています。
その結果洋画からはすっぱりと手を引き、南画を描くようになるのですが、正直その南画はいまいちだなぁって思いました。私が南画好きじゃないのもあるけど、なんか勢いがない気がしてしまう。こういう前情報があるからかもしれないけれどね。

津田青楓 - Wikipedia

文化遺産データベース「犠牲者」

 

「玄関口にて」

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とはいえ、津田の洋画はそれほどうまくはない。これとかはすごく雰囲気があって良いけれど、大作と言えるほどの作品は無い。

多分、そこまで成熟する前に政治活動に入っちゃったんだろなぁ。悪い意味で、現代絵画に近しいものがある。芸術家が政治にのめり込むと、芸術が手段になってしまうからな。政治的主張を盛り込むばかりで、美しさと言う観点が疎かになりがちだ。

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「茶園」
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津田が最高にいいのは、洋画を始める前だ。デザイナーとして木版画をやっていた頃の作品群は本当に素晴らしい。

特にこの色使いが良い。ビビットで可愛らしい絵本のような世界。

 

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美しい詩情のある世界。浮世絵のグラデーションとは違う、パッチワークの色。どこまでも広がる空。

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かっわいいいい!!!!!

いや、これ本当に可愛い。この柄が入った布、あったら普通に買う。めっちゃ買う。子供のスカートとか作りたい。ニワトリさんかわいい…最高…

 

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壁紙やテキスタイル、ポストカードに使うようなデザインサンプルを作っていた頃の作品はもう捨てデザインが全く無い美しさです。最高。

こっちがメインだったら図録買ったんだけどなぁ。南画な方がメインでデザインは小さかったのでパスして、ポストカードたくさん買いました。ああ、普通にこの柄の布欲しい。