今年も藝「大」 藝大コレクション展2020 10/20
東京藝術大学のコレクション展に行ってきた。
入場料は安いし、入ると冊子ももらえる。お得。
とはいえ、「藝大コレクション展」自体は毎年やってるんですよね。今までに何回か行ったことがあります。ていうか去年も行った。そして「お得」って去年も言った。
でもしたら率直、去年とあんま変わんないんじゃないの~~??
だってそんな一年やそこらでコレクション内容が大幅に変わるわけないじゃん?
目玉作品がそんなにいっぱいあるわけないじゃん???
って正直行く前思ってたんだけど。
結構違ったよ。
今年は何というか、今までとアプローチが違った。学校の歴史というか、教え方の歴史みたいな感じだった。
とはいえコロナで規模は小さかったな。
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パル(ジャン・ド・パレオローグ)「黄金の光、これぞ照明!」
教材として使用されていたのか、パリ万博を視察した教授が入手したというポスター。アール・ヌーヴォーの美しいポスターです。大胆な構図で、少ない色数でまとまっていて、でも繊細な表現。アール・ヌーヴォーというにはドラマティックな感じもする。
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広瀬勝平「磯」
パンフではつぶれて写ってないけれど、岩に当たる光がピンクで表現されていてとても良かった。印象派印象派しているわけではないけれど、表現方法としてはいいところ取りというか。
厳しい岩と穏やかな海、そして明るい色彩がとても良い作品。
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曽山幸彦「杵を持つ男」
こちらは素描。写真と見まごうばかりだけど、素描。すげえ。地面の影を見ると絵だなってわかるけれど、人物部分だと全く分からないよ。
一瞬の動き、ユーモラスな姿勢(と当時の人が思ってたかはわからない。普通の服とポーズって感じかもだよね)に対してゴリゴリの筋肉の力強さ。
足の筋を描きたかったんですよね、わかります。
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自画像たち
展示は左右の部屋に分かれていて、一室目が学校教育の歴史、二室目が自画像コレクションだった。
学生たちが卒業制作の一環として作る自画像を、1898年からずっと集めているのだそうだ。時代や、絵画、風俗の流行が見れて面白い試みだと思う。
藝大の自画像はここで何度か見たが、性格が表れて面白い。
きっちり仕上げてくる人、自分の画風に合わせてくる人、照れてるのかごまかしてしまう人、あえて変わったアプローチをしてくる人。
この時代の画家は知らない人も多いので、好みの自画像を描いている人を追いかければ好きな絵が見れるのでは?と思っていくつか名前をメモして後で画像検索してみたんだけど、意外とそうでもなかった。
まあそりゃそうか。大学卒業なんて画業の入り口に立つか立たないかのころの作風をずっと続けるわけもないね。
「おやこの人はハンサムですねぇ」と思ったのが柳宗理だったのが一番びっくりした。あと藤田嗣治がけっこう好みの自画像なんだけどこの人のパリ行ってからの絵は率直好きじゃないので残念~~ってなった。
金山平三は自画像も気に入ったしその後の作風も好きです。
面白いよな、自画像。