現代工芸の粋 工藝2020-自然と美のかたち- 10/3
表慶館で何をやっていたかというと、現代作家の工芸展示でした。
撮影可能作品もあります、というような表現だったけれど、正確に言えば最初の一室のみ撮影可能。言い方がわかりにくいもんだからだいぶ現場は混乱していたよ。
私も2室目撮影しかけた。もう少しわかりやすく表示してほしい。
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江原朋子「 静夜思 」
確かに直線を組み合わせたものだけれど、しかしこれだけのものを作るのにどれくらい時間かかったのか、すごいなぁ。
どことなく中東風で、アラビアンナイトのような郷愁があって好きです。
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青木 宏憧「守箱・海月」
きたー!!!
個人的に好きなのです、この人の作品が!この存在感、漆特有のつやがありつつ、重みを感じない軽やかな曲線。クラゲ、というにはあまりにも異形だけれど、頭部を優雅にくゆらせながら海を漂い、空に浮かぶさまが想像できるこの形態。
本物の目なのか、ただの警戒柄なのか判別のつかない瞳。何を考えているのか分かり合えない感じ、異教徒の最高神。好きです。
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松本 達弥「漆箱『漣』」
夜の海ですね。真っ暗な夜の中、月明かりを受けてほのかに光る水面の色。
漆でもこんな色あるんだなぁというのが最初の感想です。すっきりとした彫と抑えた色遣いとで静寂とリズムがよくあらわされていて素敵です。
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本間 秀昭「流紋ー2018」
これは実物をぜひ見るべき作品。
U字型に曲げられた竹ひごを何百本も重ね合わせて作られたものなので、見る角度によって表現が変わり、迫力がすごいです。私はもう少し右側に回った角度が好きだな。ダイナミックさが段違いだから。川の流れのような、竜の鱗のような、鯉の滝登りのような力強さの作品です。
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表慶館の建物にあっているかどうかっていうとあんま層でもないんだけれど、展示自体はとても良かった。緩やかな曲線を描く展示台、作品のそばに控えめに添えられたライト。新しい技術を使いこなしてるなって感じ。
工芸ということもあり、ガラスケースがないのですぐそばで見れるのもとても良いです。
しかし、育ちが悪いからめっちゃかっこいい漆箱とか何に使うのか全く分からない。こんな素敵なものなんだから何か素敵なものを入れたいのになぁと思いながら見ていました。