フランスの本 アール・デコの造本芸術 11/24
日比谷図書文化館に行ってきた。
お金持ちの区は文化レベルが高い。俺の区にはこんなおしゃれな施設ないぞコノヤロー!!
入場料は300円と激安ですが、チケットがQRコードの自動発券機だったりしてハイテクだな、お金がうなってるなと思いました。
こんな激安なのに入るとオサレな資料をくれたり、グッツもちゃんと売ってたりしてすごい。
フルカラーでイラストが入っていたりする。
印刷技術の発達したアール・ヌーヴォー期から、富裕市民の為のイラストを多用した雑誌というのが流行っていた。それがアール・デコ期に技術向上や景気好調共に最盛期に達し、そして第一次世界大戦の影響で消えていった。そんな美しい挿絵本を紹介したのが今回の展示だ。
さて、そのフランスの印刷物だが、「フランス装」なんて言葉が今にも残ってるくらいの特別な文化だった。本は全て仮製本の状態で、買った人が好きな装丁業者に発注して表紙などをつけて製版することを前提に販売されているのだ。販売時の状態でも読むことはできなくはないが、すぐバラバラになってしまうし、中古として売る(それは現在の本をブコフに売るのとは全く違う相場なのだろう)ときも価値が大きく下がるので、結局みな製版作業を発注するのだという。
読書のハードル、たっかい。
とまぁここまでは割とメジャーな話。そんな読書熱というかコレクター熱の高まったアール・デコ期のフランスでは、「どうせバラして再製本するんだから、最初から製本しないでバラのまま売ります。その方がやりやすいでしょ?」という商法も流行ったそうだ。それが、今回の展示メイン。バラバラだから一冊の本の複数ページを同時に見れてお得。
しかしこうやって保管してたのはよっぽどのマニアだね。
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ジョルジュ・バルビエ「コメディの登場人物」
主に4人の挿絵画家を展示していたけれど、その中でもやはりバルビエが群を抜いている。
こうやって本文が尻すぼみになるやつ、解説で名前書いてあったのだけど鉛筆忘れてメモれなかった。悲しい。不思議の国のアリスの、「ネズミの尾はなし」を思い出す。
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ジョルジュ・バルビエ「ヴァーツラフ・ニジンスキーのダンスを描いたジョルジュ・バルビエのデッサン」
バルビエがバルビエの耽美な世界を決定づけた、バレエ・リュスの世界。どんなんだったんだろうねぇ。アラビアンナイトのような美しい幻想的な世界。
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ジョルジュ・バルビエ「ボヌール・デュ・ジュール(現代の幸福あるいは流行のエレガンス)」
耽美にもほどがある。ここまでくると魔夜峰央みたいだなと思うよ。この挿絵のどの辺が現代なのだろうか…
こうやってみてると、フランス語できたら楽しいだろうなぁと思う。もちろん他の言語もだけど、特にフランス語。だって、ラテン語は流石に無理だし、イタリア語が絵画にメインで出てくる時代は古すぎて多分現代イタリア語では対応できない。
けどフランス語なら、ギリギリ読めそうな気がするんですよね〜難しいけどさ!
英語はさらに新しい作品だから割と読めるんだよね。なんなら京都人連れて来ればいいし、メモっておいて自動翻訳でもわかる。フランス語は勉強して損がないかどうかのギリギリラインだ。
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アンドレ=エドゥアール・マルティ「いいお顔」
とはいえバルビエはあまりにも耽美で、当時としてもエキゾチックな古典趣味。こちらの方が時代感掴んでるんだろうなぁと思う。すごくシンプルで味わい深く、可愛らしい作品です。このドレス作りたい。
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面白かったけど、やはり本は読めないと魅力半減だな。