ちょっと怖かった 近代常設展 11/2
国立近代美術館の所蔵品展。別料金で鏑木清方展も見れたけど写真不可だしパンフ品切れだし、何より「表現きれいで細かいねぇ」以上心に響かないので割愛。www.momat.go.jp
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松井 康生「練上嘯裂文茜手大壺」
練上:色の異なる土を組み合わせて模様を表す伝統技法
嘯裂(しょうれつ):層にした土の表面に傷をつけ、ロクロで回すときに遠心力で内側から膨らませることで自然に亀裂を作る独自技法
なにそれめっちゃ気になる〜この鮮やかな色、土の色そのままなんだね。どんな土地なんだろうなぁ。大地が赤いのだろうか。見てみたい。
形成方法も遠心力でビビって、どんな速度で回すのだろうか。一瞬でふわっと爆発したように見えるのかな。それはすごく美しいだろうな。それとも全然違う様に見えるのだろうか?みてみたい。
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山下 菊二「<あけぼの村物語>関連資料」
えっ、ナニコレ怖い。
解説によると
山梨県の曙村を訪れたのは地主と農民との衝突に端を発する事件を取材して、公判闘争のための紙芝居を制作することにありました。
えっ、ナニソレ怖い。
事件を調べると
マジ怖いやつじゃないですか、やだー!!!
“公判闘争のための紙芝居”っていうにはあまりにもダークファンタジー。描写力がすごいのでおどろおどろしい画面になっています。
何を考えてこんな作品を…こわいこわい。
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川瀬 巴水「日本橋(夜明け)」
気を取り直して、近代の浮世絵。さわやか…心が洗われるようだよ…
日本橋の、今高速道路があるあたりを描いたものです。まだ低いビル群、茜色に染まる雲が美しいです。こういうすっきり直線的な絵好き。
今このエリアは、高速道路でこの絵画にも描かれた街灯が見えないからと、高速を橋の下に移動するプランが議論されています。確かに高速を下に移動したら橋はよく見えるだろうけれど、その向こう側には今や道路の先まで巨大なビルが立ち並び、こんな光景は見られません。ただ高速道路の高架をなくせばいいってもんじゃないよなぁと思う。
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三木 富雄「EAR NO.Y-8」
独学でデビューした作家。「耳が私を選んだ」とコメントし、ひたすら耳をテーマにした作品を発表したそうです。
この作品の素材はアルミニウムです。チョイスが不思議。
たぶん全部同じ耳。文字は反転してるんですよね。でも耳の形は正しい。これが完成形なのか、これを使って型取りして完成とするのか。
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正木 隆「造形01-20」
見た瞬間、世田谷じゃん!って思った。
私は一時トチ狂って世田谷区の奥深く、どの駅からも徒歩25分かかる上にバスもないようなところに車もないのに住んでたことがあってね。駐輪場の空きもないからひたすら歩いて通勤していてだね。深夜歩いてると見えるコンビニが、本当にこんな感じだった。
なんか…なんかあのころはほんとトチ狂ってたなぁってブルーな気持ちになったよ……
真っ暗な中に浮かぶコンビニは自分の居場所を確かめる座標軸のようでもあり、ぽっかりとあいた暗い窓はこちらを拒絶しているような気もする。
窓展のほうに入れてもよさそう。
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近代美術館はほとんどすべて撮影可能なのお得だなって思う。