彫刻とは何か 時間/彫刻‐時をかけるかたち 6/2
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鈴木 弦人「Yggdrasill」
見た瞬間、京都人がゲラゲラ笑いだした作品。
ユグドラシルってこれだよね?ユグドラシル - Wikipedia いや、作品としては面白いけどそんなに声出して笑うか…??私の知らない元ネタがあるのかもしれない。
大きな泉に立つ、仏塔の相輪のような、避雷針やアンテナのような構造物。
面白い(interestinng)だな、カッコいいな、とは思うけど、普通見て笑うようなものではない、よな?
すぐ横に沼田一雅の「正木先生像」があって、しらーっと作品を見ているの面白い。
「最近の若もんの作るもんは、わからんちん」とでも言っているかのようだ。
木造かと思ったら陶製らしいけど、屋外に置いて大丈夫なのかしら。結構埃で汚れてるよな。
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小塚 照己「石(石膏)」
画像、端っこ切れちゃった。
すごく大きな、ベンチみたいな石膏像。よく見ると石割りの跡がある。
これは中までみっちり石膏なのだろうか。それとも外側だけで中が空洞なのだろうか。ゼロから作りだしたものだろうか、本物の石を型取りしたものだろうか。
わからないけど、中が空洞ならいいなと思う。上に座ろうとしたら、段ボールみたいにぺちゃんとつぶれてしまえばいいと思う。
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冨井 大祐「LION」
ブックエンドを組み合わせた作品。同じような作品が他にあと二個あった。名前は商品名のようです。面白いね。
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大巻伸嗣 トキノカゲ
ツイッターでめっちゃバズってたやつ。
新体操で使うゴースのような薄く大きな布が、下に開けられた5つの穴から出る風によって吹き上げられる。
布の4隅は垂直に張られたテグスへと固定され、その線に沿って上下運動をする。
言うて見れば非常に単純な仕掛けではある。けれどとても美しく、いつまでも見ていられる魅力がある。
動画あった。
本当に、素直に綺麗だった。フロアにいる人も長時間眺めている人が多かった。ランダムに吹き上がる風と、会場に入る自然風とに翻弄されるゴースの表情は同じものを見せることがない。個人的には、風がやんでゆっくりと床へと降りてゆく瞬間が好きだ。
理屈もいいけどやっぱり綺麗なのが一番だよなぁ。
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テーマが「時間」ということで動きを表すような作品が多かった。
けれども、見ていて彫刻ってなんだろうなぁと考えてしまった。
ブックエンドの組み合わせしている人は、街中で気に入ったもの(ガードレールとか)を写真に撮ってそれをスライドショーにした動画も作品として展示していた。
小箱に小石を入れて内部にカメラを設置して振りまわし、小石がひたすら転がる様を録画した動画を作品としている人もいた。
それって彫刻なんだろうか。
気になったので東京藝大のサイトを見に行ったら、彫刻科の説明にこんなことが書いてあった。
彫刻科では、幅広い造形の研究に重点をおき、過去の美術の歴史や日本美術の伝統を踏まえながら世界に視野を広げ将来の美術を展望できるような豊かな感性を持つ人材の養成が重要であると考えています
立体なら全部彫刻、なのかなぁ。
街中の偶然美しい形となっているもの(ガードレールとか)を見出すことも芸術家の作品であるってのはまぁわかるんですよ。デュシャンの言うところのレデイ・メイドですよね。でもそれを撮影した動画って「彫刻」なのかな…わからぬ…
まぁこの展示企画そのものが
現代における彫刻の意味を探る展示会として企画したもの
ということなので、こうやって『彫刻、とは…』と考えてしまうこと自体がしてやったりなのかもしれません。
ちょっと奇をてらいすぎている感じはあったけど面白かった