背景も作品のうち 藝大彫刻科作品 6/2
上野公園の端には、藝大の展示スペースがある。東京都美術館の横、音楽堂の前だ。
福島 李子「さわれた夢」
見てなかなかいいじゃんって思ったのですが、写真に撮るとわかりづらいなぁ。
ウレタンフォームの表面のような、黙々とした中に色々なものが埋まっている。人体とか車とか。写真じゃわかりづらいけど。
「さわれる夢」だけど、いい夢じゃないのかな。悲しい悪夢みたいだ。
地面がすごく黒いのに作品が明るい灰色一色、そして細かい彫刻作品の表面がシマシマ。これじゃ写真時に写るわけもない。実際にはもう少し白っぽい印象なのですが、白飛びしないように撮影するとこうなってしまう。
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君島 英樹「解放」
これは…いいのだろうか?屋外に飾ることを想定した作品なのだろうか?他の作品に比べてめっちゃ汚くなってない?汚れることも作品のうちなの?
いろんな質感があって面白いけど、「めっちゃ汚れてる」ってことに意識が行ってあんまちゃんと見れない。
作品説明のポスターでは真っ白だったんですよ。なんだこれは。
屋外に平たい作品置くものだからめっちゃゴミたまってるけど…
狭いところに閉じ込められて真っ暗だったのが、解放されて明るくなる。周囲の光を取り込み反射して輝き、様々な色合いを身につけて行く。
みたいな感じかなぁと思うんだけど。
広い世界に出て行くということは、良くも悪くも純粋だったものが汚れて行くということなのかもしれない。
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林 岳「押入れと宇宙」
宇宙船みたいなカッコいい作品。岩肌の質感と削られた内部との対比がいいです。
元々ひとつの塊だった岩に菌糸が巣食い、成長するにつれて岩を割り押し上げて行くような。
ある日押し入れを開けたら、別の生命体系が生まれていたような。
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上田 華奈「Rationalist」
タイトルは合理主義者、純理論者あるいは理性主義という意味です。
これが一番好き。なんというか、この場所に設置するのにぴったりしている。
規則正しく作られた形、ぐんっと伸びた様。
きっちりとした形は古代ギリシャからの数学的美しさを感じ、また、理論専攻で思いあがった様も感じさせる。
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犬の彫刻もあってかわいかったのだけれど、写真に撮ってみたらなんか地面と色が近いからか何が何屋らだったので省略。
どこに作品を置くかってのも大事なんだな。