結局は人間関係 マーグ画廊と20世紀の画家たち 4/21
国立西洋美術館の常設展の中には小さな展示スペースがあって、企画展と常設展の間のミニ展示をやっている。所蔵品で構成されたこの展示はもちろん撮影可能だ。
マーグ画廊と20世紀の画家たち展を見た。
マーグ画廊って何なのよ、てのはぶれてて申し訳ないけれどこちらの解説で。
19世紀末~20世紀のフランスって言うのはポスターや雑誌といった印刷物であふれていた。
そしてその印刷って言うのはほとんどがリトグラフで、画家とリトグラフの刷り職人というのは密接な関係を持っていた。画家が、刷り職人を指定することもあったそうだ。
そういった人間関係や画家とのつながり、人脈があった上で開かれた画廊なんだね。
今回展示される画家との関係もこのように解説されている。
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ジョアン・ミロ「表紙(デリエール・ル・ミロワール誌)」
ポスターに使用されていた絵だね。
ミロらしい円、なぞの生き物、そして赤。抽象絵画の中でミロは結構好きな部類です。
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ジョアン・ミロ「鏡面の横断」
筆のあとがそのまま残っているような絵画は珍しいかな。ドリッピングとか、ダリっぽいね。ダリの真似って言うんじゃなくて、この時代流行っていたのかな?
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マルク・シャガール「ベルシー河岸」
シャガールは初期の油絵とかふんわりしたのは好きなんだけど、後期のやつはちょっと怖い。圧がやばい。赤いヤギとかさぁ、怖いよね。
この絵は比較的おとなしい方だけどやっぱりぐりぐり塗りこめられた色がぐいぐい来る。
この夜の青が好き。
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アンリ・マティス「表紙(デリエール・ル・ミロワール誌)」
すっきりしたマティス。これで完成!って言えるのなかなか勇気ある。
最小限の要素で完結させるって難しいし、自信がないとゴテゴテ描き続けてしまうと思う。
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ワシリー・カンディンスキー「小さな世界」
カンディンスキーいっぱいあったけど、全部同じタイトルw
一番好きな小さな世界がこれ。ちっちゃくて、キッチュで、元気いっぱいな感じ。
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ピエール・ボナール「ラ・ルヴュ・ブランシュ誌のためのポスター」
後ろにめちゃ印刷物が並んでるのが、この時代って感じ。ドレスすごくいいよね。
右側にあるコウモリ傘?みたいのなんだろう。
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ゲール・ヴァン・ヴァルテ「表紙(デリエール・ル・ミロワール誌)」
これ好きです。太いクレヨンでギュギュって描いた見たいな絵。何の絵だかわかんないけど、好き。船かな?ヤギっぽくもあるな。
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ジョルジュ・ブラック「コンポジション)コップのある静物)」
ジョルジュ・ブラック展楽しみですね。
ピカソと一緒にキュビズムをはじめたのに、なぜかイマイチ知名度のない人。
静物画ということになっているけれど、電柱の立ち並ぶ夜の街みたいに見えて好き。
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ジョルジュ・ブラック「葉、色、光」
ちょっと映りこみ激しいけれど、カラー作品珍しいねってくらいで紹介。手ぬぐい見たいな柄。
小品ばかりではあるけれど、普段新館の最後のほうにおいてあるミロの絵画がこっちに飾られていてかわいい。画家と元刷り職人である画廊主との関係が見えるのも、時代を思い起こさせていいなぁと思った。
でも結局、仕事を成功させるのは人間関係、コミュ力なんだなぁ、せちがらいなぁ、と思ったコミュ障なのです。