人の金で美術館に行きたい

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。

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♡はあと♡ ロートレックと版画達

 三菱一号館美術館ロートレックを見て来た。

mimt.jp

展示会タイトル正直どうかしてる。

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そして久々に図録を買ったら、めちゃ濃い内容だった。いや、しばらく部屋のスペースと予算的な問題で図録買ってなかったけど、こんなだっけ。時代背景とかめちゃ詳しいし、展示されてなかった参考作品が85点も載っている。

なので最初は図録読み終わってからブログ書こうと思ってたんだけど無理やー!ってなって読書を中断して書いています。

 

ロートレック、と銘打たれてるしやはりロートレック作品は多いですが、同時代の作品がとても多いです。全部で147点もある。そして、一部撮影可能。

かなり豪華な展示になっています。

 

時代は美術のカンブリア紀と言われる(今決めた)19世紀末フランス。

1881年に法律が変わり、政府による新聞の検閲制度が終了します。印刷の自由化によりビラ貼りに認可が不要となることで、街中に一気に印刷物が溢れ出すのです。

産業革命により増えた都市生活者への広告の増加、すでに浸透していたジャポニスムによる浮世絵の影響、絵画を買うほどのお金は無くともポスターになら手の届く中産階級の増加、そしてアルフォンス・ミュシャオディロン・ルドン、フェリックス・ヴァロットン、そしてもちろんアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックといった華々しい作家の登場。

そういったことが一気に起こり、パリの街は紙と色で溢れかえることになるのです。

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ルイ・カリエ=ベルーズ「鍋修理」

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これは版画では無く油絵。当時の風俗画です。

ポスターを熱心に見つめる二人は上流階級の格好をして、左で店舗すら持たず屋台を担いで商売をする貧しい女性とは比べ物になりません。

彼らが関心を持っているのはポスターが広告する大衆向けの商品などでは無く、ポスターそのもの。

当時、上流階級の文化人にはポスターはすでに芸術品とみなされており、そのコレクターも存在したのです。

図録にも、当時のポスター盗みについて詳しく語った文献が紹介されています。

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アンリ・ド・トゥールーズロートレック「ジャヌ・アヴリル

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こちらは撮影可能エリアの作品。とっても大きい!
画面全体を大きく使って、一人の女性をシンプルな線で描きだしています。その服に這う蛇の色がとてもきれい。
でもさぁ。この作品に限らず全部なんだけどさ、ロートレックの描く女性って美人じゃないよね…?
私がこういうデフォルメされたら割とショックだと思うんだけど、いいのかな…

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アンリ・ド・トゥールーズロートレック「メイ・ベルフォール嬢」

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ウサちゃん帽子をかぶった女性より、猫がかわいい。猫かわいいよかわいいよねこ。

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アンリ・ド・トゥールーズロートレック「エルドラド、アリスティド・ブリュアン」

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男性はかっこいいんだよなぁ……
この時代はまだ、恰幅がいいのがいい男の条件な気がしますね。
胸板を厚く見せるため、現代と服のカッティングも違って、自然と剃り気味になるような作りだったそうです。

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アンリ・リヴィエール「ジョルジュ・フラジュロール『月の光』上演のためのポスター」

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かわいい!かわいい!!
黒猫といえばスタンランの「黒猫(ルドルフ・サリの黒猫の巡業)」があまりにも有名だし、今回も着ていたけれど。あれはもうみんな知っていると思うからこっちを紹介します。
かわいい…たまらない。

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ピエール・ボナール「『フランス=シャンパン』のためのポスター」

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ふわっとしたタッチでコケティッシュな女性が描かれています。
お酒の広告=セクシーな女性というのは広告黎明期のこのころからの伝統なのかなぁとか考えてしまった。
シャンパンっぽさすごく出ていていいと思う。

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フェリックス・ヴァロットン「かわいい天使達」

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にこにこした子供たちが警官に群がっている一見ほほえましい版画だけれど、よく見ると子供の顔は不気味だし警官は浮浪者を連行しています。
状況がつかめるとぞっとする。エドワード・ゴーリーみたいだね。
ヴァロットンの版画はシンプルで、黒が強くて、無限の物語を含んでいて好きです。

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アンリ・ド・トゥールーズロートレックロイ・フラー嬢」2枚

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これが一番素敵だなぁと思った。
これらの作品は版画、印刷物だから、同じものが大量にあるわけですよ。
以前横浜美術館で複製技術都芸術についての展示があったけれど、このようなどこまでが芸術なのかという論争は印刷物が広がり始めた時期からあったそうだ。

富士ゼロックス版画コレクション×横浜美術館 複製技術と美術家たち ― ピカソからウォーホルまで | 開催中の展覧会・予告 | 展覧会 | 横浜美術館

美術館に行こうよ #芸術 by みなぎ | エッセイ投稿サービスShortNote(ショートノート)

製作者である芸術家たちもその問題に当然取り組まなければならなかったわけで。
こうやって同じ版でも色を変えたり少し手を加えたりして、まったく同じものが2つない独自性を加えたりしていたとのことです。コレクター魂を揺さぶるね。

 

イザイア・ウェスト・テイバー「ヴェールをまとって踊るロイ・フラー

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ちなみにダンスはこんな感じだったそうで。

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オディロン・ルドン「光の横顔」

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 ルドンも1枚あるよ!!
来年頭にはルドンの植物画、ということはカラーが中心の展示が同じく三菱1号館美術館で予定されています。
すごい楽しみ。年パス買っちゃおうか今から考えている。