あみむめも クリエイションの未来展 8/28
リクシルギャラリーに行ったけどこの日はちょうど展示の切れ目で1個しか見れなかった話だよ。
会場に入ると、もこもこしたフェルトのような遷移の上に、妖怪みたいなのがいる。
ほほぅなるほど、こういう風に作られていると。
歪んでるけど、全体をパノラマで撮るとこんな感じ。長い。
中を覗くとウナギ罠みたい。どんどん奥に入って、細くなる壁に押しつぶされて動けなくなってみたいものだけれど、これ以上中に入っては駄目とのお達しです。そりゃそうか。
建築は編み物である、という主張は非常に面白く思う。
温暖な地域の小屋のような建物は現在でも竹や木の枝を編んだような構造のものが見受けられる。かやぶき屋根なんかもひろい意味では編み物といってもよいかもしれない。
物事の本質をさっとつかんだ面白い表現だなと思うのだけれど、そのアウトプットがぶっ飛んでいてまた面白い。
これはオーストラリア・キャンベラに設置予定のパビリオンの実物大のモックアップだそうなので、実物はまた別のものになるのかもしれないね。
常設展も見るよ。 オペラシティアートギャラリー 8/29
オペラシティの常設展だよ。
相変わらずカラーのパンフくれてお金持ちだなぁと思う。
以下、パンフから。
オノサト・トシノブ「タペストリー」
名前の通り、布にシルクスクリーンで印刷されたもの。写真にしちゃうと全くわからないのだけど、質感が面白い。境界線がぼんやり滲むのは染め特有のものだろう。
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堂本 尚郎「絵画」
芸術が爆発な感じ。カッコいい。ひたすらかっこいい。
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難波田 龍起「合掌」
キュビズム的な。縦にひび割れたような図形は合わせた手を表してるんだろうね。
所蔵品展もう一個。
木村 彩子「Miyazakidai 2 April」
瑞々しい植物画だけど、率直特筆すべき点はない(ひどい)
作品のタイトルが全部日付で、毎日書いてるのかなぁすごいなぁと思った。けどもうちょっとキャッチ―さが欲しいな、私は。
折り紙と組み木と枯山水 イサム・ノグチ展 8/29
イサム・ノグチ展に行ってきた。
イサム・ノグチ ─ 彫刻から身体・庭へ ─|東京オペラシティアートギャラリー
オペラシティアートギャラリーはオシャレなんだけど、商業的にはもうちょっとさぁ、と言いたくなるところも多い。
現代美術寄りだけど時々私好みのシュッとした作品展をやるからたまに行くのだけど、毎回気前の良さにびっくりする。何がって、パンフ。すごくいい紙を使ってたり、なんなら作品の写真がめちゃ載ってたりする。プラスして、写真撮影可能なこともある。
しかし、ミュージアムショップがしょぼい。展示スペースと離れてるし、図録や関連書籍くらいはあるけど、企画展グッズはゼロだ。絵葉書すらない。
なんなの?商売する気ないの?お金持ちなの???
ハガキくらいください。
と言うわけで、展示の話。
ポスター見てもどんな作品なのかよくわかんなくて、イサム・ノグチってのも聞いたことあるようなないような?って感じで。でもなんか気になる。知ってる人な気がする。絶対好みな気がする。
そんな気がして行ってみたら思い出しました。横浜美術館にいっぱい作品ある人ね。なるほどなるほど。好きです。
イサム・ノグチはアメリカ人の母と日本人の父を持つ日系アメリカ人だ。ちょっとこの2人が正式に結婚していたかはわからない。アメリカと日本、2つの国を行き来し、野口/ギルモアという2つの姓を名乗った彼の生涯はとても数行でまとめられないほど複雑なので、各自でおググりください。
以下、全て撮影可能作品
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「こいびと」1950年
すごいシンプルでプリミティブ。かわいい。でも割とエロい。
ぴったりと寄り添って二つで一つの生命体のようだ。シャガールの恋人たちよりも、もっと溶け合っている。
彼が山口淑子(李香蘭)と結婚した年に作ったんですね。それでかな。
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「あかり」1953~1980頃
和の明かりを再構築した先進的なデザイン、という説明書きを受けてもいまいちピンとこないのは、これがいわゆる[和モダン」として今ではすっかり定番デザインになっているからだと思う。新しいスタンダードを作ったってのはすごいよね。
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「2mのあかり」1985
本当に直径2m。でかい。
上下の開口部からの灯りが面白いなと思う
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「リス」1988
折り紙みたいな作品。かわいい。写真難しい。
他にも平面を切り取って組み立てたような作品が多くあり(これが好きなんだけど撮影不可)、キャリア初期に舞台美術をやっていたことから運搬可用性から産まれたんだろなと思うと面白い。
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「アーケイック」1981
大きな天然石を細く切り出して作った作品。上部の色が変わってるところは着色ではなく元のままなんだそうだ。
しっかりがっつり作り込んだものから元の形を活かして最小限に手を加えるものに大体みんな移行していくよね。なんかわかるような気もするし、勿体ない、つまんないなって気もする。しかしこれはかなり好きなデザイン。
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「ミラージュ」1968頃
テーブルからにょっきり海坊主がでているような。撮影不可な類似作品の方が実は好きで、クジラが海面をすーっと移動しているような滑らかな美しさがあった。
枯山水っぽさもあるよね。
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チェイス・マンハッタン銀行プラザのサンクン・ガーデンも良かったのでググってほしい。
彼の作品は展示会のタイトルにもあるように建物や公園といった公共建築にもあるので見に行ったら楽しいだろうなと思う。
建築のデザインは若い頃はコンペから落ちてばかりだったというの、やっぱ大規模作品は知名度ないとダメなんだろうなって世知辛さを感じる。
ぶつぶつぶつぶ ICC 8/18
ICCでキッズプログラムやってた
行ったのが土曜だったので、お子様がたくさんいてあんま見れなかった。やっぱりターゲット年齢の人優先だと思うし。あと、要予約な展示がいくつもあって、それも時間的に見れなかった。
写真撮影可能だけどお子様写り込むから無理だ。
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オノマトペマップ
お子様が夢中。
様々な素材の手触りが、どんな表現に分類されるかのマップ作り。
どの手触りがどれに近いのかって面白いね。「つぶつぶ」と「ぶつぶつ」の差ってなんだろう?とか考える。ぶつぶつ、にはマイナスのニュアンスがあるけどつぶつぶ、にはないのなんでかなぁとか。
これはやる人によってだいぶ違うんだろうな。
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徳井 直生+Qosmo「イマジナリー・ランドスケープ」
ぱっとみで連続して見えるものや、なんでこれが同一と判断されたんだろう?くらい違うものや。全然違う国の画像が3つ切り替わっていく映像作品。
おもしろいね。
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永田 康祐「ポストプロダクション」
画像編集ソフトを使用しているところを写真に撮って、スポット修復ブラシツールで編集した写真、だと思う。作業が入り組んでいてわかりにくいけれど。
どこからどこまで何なのか、どのタイミングで何をどうしたものなのか。
見ていて混乱するのが面白い。
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エキソニモ「ナチュラル・プロセス」
2003年ごろのGoogle。
でかい。ものすごくでかい。プリントではなく、絵画です。色々理屈は書いてあったけどどうでもいい。懐かしさがすごい。
ICCの展示はいつも小難しいです。
現代アートというより技術的な側面が強調されている。インスタレーションというには余りにも他者を排除している。ここに行くと8割くらいの展示が「わかんねぇな」だし、なんか照明が暗い作品がやたら多いので7割くらいが「怖いです」になる。暗いところは苦手だ。
岡 ともみ、渡邊 淳司「もしもし、の一秒前」
猫と電話できたからオッケー
悪人大好き 悪人か善人か 8/20
東洋文庫ミュージアムに行ってきたよ。ここはミュージアムだけど「美術館」じゃないよね。図書館でもないし、博物館かなぁ、ユーザー的な感覚から言うと。
http://www.toyo-bunko.or.jp/museum/akunin-detail.pdf
悪人は好きです。小説もピカレスクが好き。ホームズよりルパンの方が面白い。
この展示結構面白かったです。
夏休み期間だからか、子供向けを意識している感じが強い。
「悪人かどうかは一面的なものにすぎない」「時代によって、政治によって悪人になったり人格者になったりすることもある」「物事にはいろんな見方がある」
そういうtことをきちんと伝えようとしている感じが好感度高い。
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列女伝
妲己が酒の池と肉の林で裸の人間が遊ぶ”酒池肉林”を作り、熱した銅の柱に罪人を抱きつかせる炮烙を見る様が書かれている。
左のページ5行目が酒池肉林、最後の行が炮烙の描写ですね。
これだけで見に来たかいがあるなって思った。
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ああ、これが元祖達磨!(よい子はググってはいけません)
これだけで見に来たかいがあるなって思った。
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あの有名な「この世をば~」が描かれています。左ページ2~3行目。
もともとこの和歌はごく私的なうたげで詠まれたもので、公のものではないし本人もおふざけというか、ここまで広まると思って詠んだものではないという説がある。
そもそも天下の藤原氏の歌をきけるってのもよっぽどの貴人だよね。
道真を批判的に語れるってのも相当の立場がある人でないとできないはずだし。
これだけで見に来たかいがあるなって思った。
総じて、美術的ではないけれど面白かった。
けど、実はここに出てる本一冊も読んだことないんだよね…水滸伝とか忠臣蔵とかあるけど、全く手をつけていない。三国志は子供向けの読んだかな?覚えてないや。
西洋古典を最近読むようにしてるんだけど、日本東洋古典も読んだ方がいいんだろうな。ただ、単純に東洋文学って長いんだよな。悩む。
自由は力 三越×藝大 8/20
最終日に行ってきた。売約済みのシールが貼ってあるのも多く、もう展示終了しているものもあるようだった。
MITSUKOSHI×東京藝術大学 夏の芸術祭 2018 | 美術 | 日本橋三越本店 | 三越 店舗情報
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高橋 祐次 「出航」
ざらりとしたミクストメディア。壁画のような質感で、絵本のような世界。もう一つの作品には短い設定が書かれていて、多分こちらにも物語があるのだと思う。
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村尾 信太郎「drawing」
楓の板を一部だけ削り、磨いて額縁のようにした作品。発想が面白いしすごく綺麗ね。シックなホテルとか、ナチュラルなカフェとかに似合いそう。
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森 友紀恵「降る」
最近日本画は表面がなんか処理してあるやつが好きです。雨の中の草むら、コロボックルから見た世界。
あまり絵画、特に洋画で好みのがこの展示なかったなぁ。残念。
油絵専攻の人コーナーにそもそも油絵が少なかった。オブジェだったり、色鉛筆だったり、画法として水墨画の文脈だったり。油絵描こうぜ。
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高岡 太郎「Rank-3」
陶芸で作られた、角のような牙のような。好きです。厚みを確かめたくなる。
物語を感じるよね。これはどんな生物のものなんだろうとか、固定されているけれど搬送用の固定器具なのだろうかとか、これは実物大なのだろうかそれともミニチュアで、実物はうんと大きいのだろうかとか。
ここに人のスケールモデルを置いたらトンネルくらい大きな直径なんだといいなぁ。
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榎本 夏帆 すみません、作品名メモリ忘れ
ガラスを熱し、砂に埋めるというのを繰り返して作成されたのだそうです。
面白いねぇ。綺麗だねぇ。砂漠のバラみたいな質感。触ってみたい。
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山田 勇魚「帰港」
綺麗です。ちょっとベタだけど、きれい。中のフィギュアも本人が作ったのかな。
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田中 慶「狼煙」
狼煙、という言葉の意味と漢字のイメージが融合されていて、かわいらしく、ノスタルジックで、でもちょっと不穏な感じのする作品。
好きです。
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大城 喜彬 「あめ」
下絵を印刷→インクジェットプリント→アクリルメディウムで加筆ということですが、プリント部分が大理石みたいできれい。
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いろいろ見ていて、すげえな!ってものから、ウケ狙いじゃなくてもうちょっとまじめに作ろうぜって感じるものまでさまざまあって面白かった。
作品のクオリティが高いからって売約済みとは限らないところも面白い。
値段とか、使いやすさ(どこに展示するか。あまり大きすぎても困る)とか、色んなバランスで売れるかどうかが決まるんだろうな。
最低限度のサイズ 資生堂 art egg 8/19
資生堂ギャラリー、3人展の最後。
相変わらずちょっと変わった匂いのするスペースに入ると、中に巨大な箱がある。結構綺麗。
宇多村英恵「 Holiday at war 戦争と休日(2016)」
相当でかい。帯状にマンションの広告みたいな写真が貼られ、裏から灯台のようにくるくる回る光で照らされている。
これなんじゃい?っていうと壁に書かれた文を読むとわかる。
この箱はナチス時代に休養施設として作成され、現在集合住宅として使われている建物の1ブロックを、そしてナチスの戦犯が収容された独房の1ブロックを表しているらしい。
両者はほぼ同サイズなのだという。ドイツ的に、人間1人が必要と考える最小単位なのかもしれない。立って半畳寝て一畳、という日本からするとずいぶん広い独房のように見えるのだが。
この壁の文章はわりと興味深く魅力的なのでしっかり読むと良い。
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宇多村英恵「avimore」
スコットランドの湖で行なったパフォーマンスの写真。
他にもインスタレーションと言ってよいビデオ作品があった。
ビデオと写真は、頭でっかちで独りよがりだなって感想。資生堂ギャラリーらしいともいう。
この作品はどういう意図で何を表現するために行ったのか、行っている時の自分の気持ちはどうだったのか、そういうことが長々と書いてあるのだけれど。
「自分が」どうかってだけで「外から見て」どうかって考えが抜けてる感じ。
人通りの多いところでのインスタレーション動画もあったのだけれど、通行人が全然注目してないんだよね。写真を撮ったりもしていない。ちらりと見て、なんか変なことやってんな?って顔して、歩み去っていく。思わず見つめたくなるようなパフォーマンスではないのだ。
理屈もそれなりに大事なんだろうけれど、もう少し俺が俺が以外のことも考えないと、単純に見て面白くないよって思った。芸術としてどうかってより、商業としてどうかって話だけどね。