最低限度のサイズ 資生堂 art egg 8/19
資生堂ギャラリー、3人展の最後。
相変わらずちょっと変わった匂いのするスペースに入ると、中に巨大な箱がある。結構綺麗。
宇多村英恵「 Holiday at war 戦争と休日(2016)」
相当でかい。帯状にマンションの広告みたいな写真が貼られ、裏から灯台のようにくるくる回る光で照らされている。
これなんじゃい?っていうと壁に書かれた文を読むとわかる。
この箱はナチス時代に休養施設として作成され、現在集合住宅として使われている建物の1ブロックを、そしてナチスの戦犯が収容された独房の1ブロックを表しているらしい。
両者はほぼ同サイズなのだという。ドイツ的に、人間1人が必要と考える最小単位なのかもしれない。立って半畳寝て一畳、という日本からするとずいぶん広い独房のように見えるのだが。
この壁の文章はわりと興味深く魅力的なのでしっかり読むと良い。
---
宇多村英恵「avimore」
スコットランドの湖で行なったパフォーマンスの写真。
他にもインスタレーションと言ってよいビデオ作品があった。
ビデオと写真は、頭でっかちで独りよがりだなって感想。資生堂ギャラリーらしいともいう。
この作品はどういう意図で何を表現するために行ったのか、行っている時の自分の気持ちはどうだったのか、そういうことが長々と書いてあるのだけれど。
「自分が」どうかってだけで「外から見て」どうかって考えが抜けてる感じ。
人通りの多いところでのインスタレーション動画もあったのだけれど、通行人が全然注目してないんだよね。写真を撮ったりもしていない。ちらりと見て、なんか変なことやってんな?って顔して、歩み去っていく。思わず見つめたくなるようなパフォーマンスではないのだ。
理屈もそれなりに大事なんだろうけれど、もう少し俺が俺が以外のことも考えないと、単純に見て面白くないよって思った。芸術としてどうかってより、商業としてどうかって話だけどね。