人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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懐の広さが試される セロテープアート 1/11

仕事をお休みして六本木に行った。セーヴル見ようと思って出たけど、なんか気が乗らなくて代わりにこちら。

ヒデハルフカサクギャラリーロッポンギ|今後の展示会 | 横浜、六本木 | Fukasaku ART MUSEUM & GALLERY

www.ryo-sehata.com

テレビとかで見たことあるんじゃないかな、セロハンテープで立体アートをされてる方の個展です。

セロハンテープを芯材無しでひたすら貼り重ねることで彫刻(彫ってないけど)を作る技法は言われてみれば単純だけれど、割と明確な完成像に対するイメージとひたすら根気がいる作業だなぁと思います。あと、猫飼ってたら無理だね。中に猫毛が入るね。

 

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めっちゃミッドタウンが映り込んでる。

 

入るとまず動物達がいる。

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テープを重ねることで出る飴のような質感や象牙のような色合いが好きだ。

 作家さんが在廊してて少し説明聞けたんだけど、芯材無しで中までみっちりテープだからそれなりに重いんだって。持ってみたい。

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色は特注のカラーテープだって。

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この薄さで色出すの大変ね。

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これ、一番好きかも。ハエトリ草みたいな立体植物。

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 絵画もあった。

印刷物にテープを貼って表面加工したもの→セロ版画

テープを重ねるだけで描いたもの→セロハン画

てのもおもしろかった。透明感と奥行きがあっていい。

 

ただ、材料がセロハンテープだからどうしたって保存はきかないよね。10年はいけるだろけど、100年後とかは絶対劣化しているだろう。勿体無いな。

 

インタビューとかで「子供の頃から作品を作っていた」と言っているのだけれど、率直に親の度量すげぇな!ておもう。

私が親だったら、無駄遣いすんなって怒りそう。それを逆に「気の済むまでやれ」と大量のテープを買い与え、そうしてやってる姿を見て才能を見出す親、すげえよ。なかなかできないよ。

 

今年は公立美術館も含めて複数回展示が行われるとのことでした。楽しみだね。

無料だし、駅から近いし、面白いからオススメしたい。

そしてもし行ったら、私が質問し忘れた「触ったらペタペタするんですか?」てのを聞いてきて答えを教えてほしい。

セロテープの筒の脇ってペタペタするじゃん。ずっと置いとくと埃がくっつくじゃん。そうならないのかなー。

イラストレーターと画家の違い 生賴範義展 1/7

1/7に生賴範義展に行ってきました。

HOME of 生賴範義

この公式サイトのクォリティ低い。めっちゃ読みにくいし誤字とかある。

上野の森美術館 - 展示のご案内 - 生賴範義展

 生賴範義さんといえば、スターウォーズがやっぱりいちばん有名かなぁ。年配男性が多かったです。

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今回、生賴はイラストレーター枠での展示です。
となると画家とイラストレーターの違いってなんだろう?って話ですが、すごい単純に言うと、一般的に「作品が主かどうか」ですよね。

何かに、例えば小説の表紙や映画のポスターにするために添え物として製作された作品がイラストで、絵画のための絵画を描くのは画家とされています。
もちろんその境界線はあいまいで、ミュシャは画家なのか?イラストレーターなのか?と言われたら最初ジスモンダとか描いているあたりではイラストレーターで、装飾パネルをメインにしだした「カレンダーのために使うミュシャの絵」ではなく「ミュシャの絵を使うためのカレンダー」くらいの扱い(判断が難しいですが)になった頃はほぼ画家、そして壁画やスラヴ叙事詩を手掛ける頃には疑いようもなく画家とみなせるでしょう。

作品の取り扱いとしての画家/イラストレーターというのがまぁ一般的かなぁ。技術的にもいかにもイラストらしいラストとかなくもないけどね。

 写真可能エリアが多く設定されていました。あんまり多いしちょっとわかりにくいから、写真不可エリアで間違って撮影しちゃう人が大量発生していた。
一応携帯で撮ったけど、混んでいるから全体を納めるの難しいし写り込みが酷くて使えないのばかり。個人の思い出にはいいんだけど、顔がわかるレベルで写っちゃってるからネットには出せないの。

ブックタワー

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これこそ生賴がイラストレーターとして大活躍していた証拠というか。
こんだけ本があるのに、そして私割と誰にも負けないレベルで本を読んでいたというのに、読んだことがある本がありません……1984とかあるけど表紙が違う。
和書はほとんど読まないのと、どれも対象年齢が壮年男性だというところでうまいことすり抜けてしまったようです。くやしみ。

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映画ポスター「EAST MEETS WEST」

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映画ポスターならわかるよ!この映画見た。面白かったのを覚えている。
手前に主人公の後ろ向き、そして敵役をその足元に描くという大胆な構図。
左側の忍者がコミカルで、映画の内容を鮮やかに思い出しました。

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未使用「グッドモーニング、ベトナムf:id:minnagi:20180110121953j:image

下が大きく開いているのは、タイトルを入れるためだったのでしょう。実際には使用しなかった絵画。かなり好きです。これのグッツも売ってた。

多分、↓この映画のためのもの?だいぶイメージ違います。

 

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SFアドベンチャー表紙「ヘロディア

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 SF雑誌の表紙に、歴史上の妖婦を一人ずつ描いたシリーズ。
個人的に、サロメではなくヘロディアなところが評価高いw
もう何度でもいうけれど、洗礼者ヨハネの首を欲しがったのはサロメじゃなくてヘロディアだから!!→サロメ (ヘロディアの娘) - Wikipedia

 

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下絵の段階と、ヨハネの首の扱いが大きく違います。完成品の方がSFらしさが強くて好きだな。

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表紙「サンサーラ

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詳細不明ですが、サンサーラという本の表紙にするために描かれたもの。生命の歴史が雄大に描かれています。好き。

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オリジナル「DASHT-E-KAVIR 1980 (イラン)」

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 こちらはオリジナル作品。戦争を経験したという生賴は、晩年になっても続く各地の戦争について苦しい思いを抱いていたのではないかと思う。
何となく死体や破壊描写が松本零士っぽい。

 

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この展示は前から気になってはいたし、京都人が見たいというので行ってきました。
けど、見て思うのは「やっぱりこれはイラストだなぁ」という思い。
すごく綺麗に描けている。すごくリアルに描けている。けれどなんかこぎれいにまとまっているなという感じ。注文に応え、それ以上のものを製作しているのは本当だと思う。けれどなんだろう「なにこれ、すっげー!!めっちゃかっこいい!!」みたいな普段美術館で思うものが無い。
それはとにかく数をこなすために描いているからなのか、主役を引き立てるためにわき役に徹しているからなのか、それとも「これはイラストですよ」という先入観があるからなのか。
なかなか難しいところだなぁと思いました。やはり先入観なしに物を見ることはできないものだし。

 

そういう意味だと、今度谷川俊太郎展があるらしいんですが、どうなんですかね?文字作品を美術館で展示することってどうなんでしょう。

谷川俊太郎展|東京オペラシティアートギャラリー

うーん、これはたぶん行かないな…

あんま写実じゃなかった 近代の写実展 1/2

 1/2に都美に行って、同時開催の近代の写実展を見てきた。一部のみ撮影可能だった。

数も少ないしあまり好きなタイプではなくて、さらりと見た感じ。

www.tobikan.jp

 

河野 通勢 「叢」

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ピンボケすぎて悲しいけど、これはかなりリアルな写実だった。

 

河野 通勢 「花の図」

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クラシカルな絵画って雰囲気。

写生なのだからどの時代に描いても同じ仕上がりになりそうだけど、だいたい雰囲気でこの辺?てわかるの面白いね。

 

 

河野 通勢 「自画像3(右半面:槍投げ練習)」

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右半面が面白いね。ミケランジェロとか思い出す。

 

一枚目とかは割と写実なんだけど、こっちはだいぶリアリティ絵画ではないなと思った。花の図とか割とポテポテした画風だし他のはもっとざっくりしてた。ポスターの朝顔の花とかね。

現代の写実展に合わせて具象画集めたのかなぁって感じだけど、やっぱ写実ではないだろこれはって気持ちの方が強かった。

タイトルに偽りありだと内容以外の点で不満が溜まるからやめて欲しいな。

ほんとに写実? 現代の写実―映像を超えて 1/2

1/2に東京都美術館に行ってきた。
お目当ては「現代の写実―映像を超えて」で、ついでにゴッホも見ようかと思ったんだけれどもチケットカウンターが大行列だったのでやめた。最近ゴッホはあんまりぐっと来ない。

www.tobikan.jp

基本的にここのサブ展示は写真が撮れることが多いからカメラを持っていくことをお勧めするけれど、ここで写真撮ってると割と係員からクレーム来がち。もちろんちゃんと掲示ルールには従ってるんだけど。
基本的に携帯の無音カメラアプリくらいしか許容されない感じあるねぇ、どこも。

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小森隼人 待宵

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これはリアル。
陶器の青が滲む様がすごいなぁと思うも、古い本などの表現はリアルを超えてどぎついほどです。
今回は解説が面白くて、写真ではなく絵画である良さ、例えば同一画面でも光源を者によって自由に変更するさまなどが説明されています。

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小森隼人 中紅花

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こっちの方が好きだなぁ。花弁のふんわりと発光する様が好きです。

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橋本大輔 FAC3016

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かなり大きい作品です。162cm×194cmの巨大な画面いっぱいに描かれた廃工場。

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表面が一部ざらざらとして飛び出してくるよう。

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塩谷 亮 静刻


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これ、去年文化村で見た気がする。静謐な感じがしていいですね。

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小野田尚之 発電所

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この人はすごく好きだなぁ。とても大きな日本画、紙本彩色の作品です。
この緑色がとてもいいと思うし、西洋画のぬらぬらとした感じとは違って日本画の粉を吹くような乾いた表現が苔むしたようで作品の雰囲気にとても合っています。
リアル感、幻想的な感じ、それでいてどこか突き放した他人事のような非現実感がいいバランスだと思います。

新しい日本画ではあるけれど、日本画でしか成立しない画面でもある。
自宅の広い吹き抜けにこういう絵があったらいいなぁと思うのですが、これを鑑賞できるサイズの吹き抜けってどんなだろうな。

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岩田壮平 こい

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こちらも日本画。この群青とかは岩絵の具でしか出ないなぁと思います。
蜷川実花さんの世界のような極彩色の世界。旅館のロビーとかに置いたらとても映えるでしょうが、小さめの作品でも自室に置くには濃いなという感じ(鯉だけに)

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下の階はこんな感じ。他にもいろいろあるのは公式サイトで。

左側の作品とかフライング・ブレインすげえな!って感じで、どこが写実なんだろうと思う。
どの作品も抽象ではない。具象だ。でも、具象だからと言って写実ではないんじゃないかなぁ。
例えばどんなにふんわり描かれていてもモネは写実だし、ゴッホにとって世界はああ見えていたのだからゴッホは写実だ。
でもいくらリアルでもマグリットは写実ではないでしょう。

www.hoki-museum.jp

関東で写実といえばホキだなぁとホキ美術館の写実についてのコラムを読んでみたりする。
見た通りに描かなければ写実ではないのか。ならば自由に光源や対象のサイズを変えること、組み合わせることも禁止なのか。あるいは少し花の彩度をあげて描くことすら認められないのか。いや、だからと言って空飛ぶ脳みそはどうなんだ。そこまでいくともう具象であるかすらあやしくなってくるじゃないか。

ってことを考えてしまったからいまいち乗りきれなかった。写実日本画は結構好きなんだけどね。

目録保管法

2日から美術展に行って来たけど、上野公園がかなり混んでいてびっくりした。できればいくつか回っちゃおうかな〜と思っていたのだが、目当てのものだけ見て退散した、のは明日書けたらいいな。

 

と言うわけで今日は美術展でもらえるあれやこれやの話。

美術展に行くと目録がもらえるし、うまくすればジュニアガイドとかも配ってる(フルカラーで出来が良い)し、帰りには次の展示のチラシをいくつかキープするし、当然ポストカードの数枚も買ったりする。

こういう大量の紙ものをどうやって保管するか。

多分普通はクリアファイルとかにきっちり整理するのでしょう。けど、めんどくさいしかさばるし、落っことしたりしたら投入口から全部溢れて大変なことになるじゃないですか(やらかしたことある)

ハガキも、年賀状用ファイルとかも売ってますけどそれじゃ輸入カードが入らないんだよねぇ。

なので私はこういうファスナーケースとタッパーに放り込んでいます。

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素材が硬いので折れないし、ファスナーだから縦横好きに置けるし、数年分入る。

けれど、ついにもう入らなくなったので、今年から新調しようとケースを買って来ました。今年のタッパーはこれ。前回は一回り大きい奴だったけど、あまり大きいと中で泳いじゃって痛むしね。

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何年で溢れるかなーと楽しみに、とりあえず今年からは「目録には行った日付をメモする」ことを頑張ろうと思います。意外と忘れがちだなと2017年をまとめていて思いました。

 

去年までのファイルはこちら。見覚えあるの、あるかな?

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2017年73美術展のまとめ 

2017年も最後なので、今年行った美術展の話を。

1.クラーナハ展―500年後の誘惑
2.あなたに続く森
3.ティツィアーノヴェネツィア派展
4.都美セレクション新鋭美術家展
5.オルセーのナビ派
6.ミュシャ
7.光と動きの「ポエティクス/ストラクチャー」
8.富士美の西洋絵画
9.シャセリオー
10.エルミタージュ
11.ファッションとアート 麗しき東西交流
12.ランス美術館展
13.椿会2017 初心
14.南極建築展
15.戸田浩二展 -聖水―
16.U-35 Young Architect Japan.
17.シリアルキラー展 1
18.ロマン・チェシレヴィチ 鏡像への狂気
19.ソール・ライター
20.塩谷亮
21.國學院博物館
22.戸栗美術館
23.FEEL THE Mucha HEART ~民衆のための芸術(デザイン)とチェコへの愛~
24.ジャコメッティ
25.バベルの塔
26.日本建築写真家協会「光と空間」建築の美Part12
27.ゼラチンシルバーセッション「GSS Photo Award」受賞者展
28.池田 瓢阿・泰輔 竹芸新作展
29.中村屋美術館
30.西野陽一/朝日焼十六世 松林豊斎
31.レオナルド×ミケランジェロ
32.三菱商事アート・ゲート・プログラム
33.明治生命館
34.ロマン・エルキレティアンとシャルル・ムンカ
35.比翼の会
36.織田達也
37.名古屋剛志
38.岡野 友敬
39.セルゲイ・ポルーニン写真展
40.金沢現在工芸展
41.東京藝術大学創立130周年記念特別展
42.ベルギー奇想の系譜、ボス
43.明大博物館
44.増田セバスチャン
45.菅亮平展
46.文化庁新進芸術家海外研修制度50周年記念展
47.気鋭作家9人、魅惑の絵画展
48.treasure hunting -宝物を探しに-
49.佐々木達郎 漆芸展
50.ボストン美術館の至宝展
51.うるしのかたち展
52.フィリップ・アペロワ展
53.六星の会
54.文化庁メディア芸術祭 オペラシティ
55.驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アート
56.怖い絵
57.表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち
58.資生堂ギャラリー
59.遥かなるルネサンス天正遣欧少年使節がたどったイタリア
60.ルノワール
61.組版造形 白井敬尚
62.オットー・ネーベル
63.笹尾光彦展
64.安藤忠雄
65.シャガールの彫刻
66.ロートレック
67.アンセル・アダムス
68.韓国の抽象
69.難波田龍起
70.三瓶玲奈
71.モリソン文庫
72.シュルレアリスムの美術と写真
73.EUGENE展

はい、73個になりました。
デパートの画廊コーナーで何かのついでにさらっと2つくらい見た、的なのも入っているけれど73個。今年は引っ越しで忙しくて全然行けなかったなぁと思っていたけど、意外と行っていました。
すごいといえばすごいけれど、もっと行っている人は行っているんだろうなという感じ。
感想はこっちから辿れます。しかし日付とか適当すぎて、もう少しちゃんと記録つけたいね。

www.shortnote.jp

大英自然史博物館に行けなかったのが心残りです…呪われたアメジスト、見たかったなぁ。シリアルキラー展の2は総括するまで気持ちよく忘れていました。1を見て満足したようです。まぁいいか別にって感じ。

 

上のサイトにも書いたけど、印象に残ったのはこんな感じ。

・都美セレクション新鋭美術家展
 →青木宏憧さんの漆芸がすごかった。今年は漆芸の良さに目覚めたな。藝大でも見れたし。
・オルセーのナビ派
 →やっぱり三菱一号館はセンスがいい。ヴァロットン、今年あちこちで見れた。
 →スラヴ叙事詩!!!所謂アール・ヌーヴォーの星ではないミュシャ
・光と動きの「ポエティクス/ストラクチャー」
 →RGB|CYMKは本当にトリップできる感じにきれいだから動画見るといい。
・シャセリオー 国立西洋美術館
 →ハゲリオー
・ロマン・チェシレヴィチ
 →モダンで迫力があってかっこいい。
東京藝術大学創立130周年記念特別展
 →ごちゃ混ぜ感がすごい。やっぱ藝大はすげえなと素直に思った。
・表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち
 →抽象画の前のカンディンスキー、好き。この時代の展示今年は多かった。
・オットー・ネーベル
 →初めて知ったけど、知れてよかった。クレーもいっぱいいた。
 →ゲラゲラ笑っていた。
 
年始には上野に行って都美と、いけたら博物館とか見たいなぁと思います。起きれるかによる。
そろそろ美術雑誌買って来年の目星をつけないとねぇ。
 

コレクションは病 東方見聞録-モリソン文庫の至宝

ネットのお知り合いにチケットをいただいて、東洋文庫ミュージアムに行ってきた。

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三菱財閥の岩崎家が誇る東洋文化研究のためのコレクションです。

その前に六義園に行ってきたんだけど、そこもアホほど広かった。真面目に一周するのに1時間じゃ足りない感じだ。

もちろん旧岩崎邸も岩崎家の持ち物だし、殿ヶ谷戸庭園清澄庭園静嘉堂文庫も、とにかくアホほどの資産を持っている一族だ。

社会とのかかわり|三菱グループホームページ

戦前の金持ちは規模が違うね。

 

というわけで、写真撮影可能な博物館ですねここは。

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1階では100年前の本コレクションがやってました。

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ラストエンペラー!!

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めちゃくちゃかっこいい。

 

ジョージ・アーネスト・モリソンはオーストラリア生まれの新聞記者、政治家です。

若い頃医者を目指し、書籍コレクターとしても知られ、旅先で中国(国名が不安定な時期なので、これで統一)に魅了されて政治顧問として雇われたりもしています。

アヘン戦争日清戦争、世界大戦と不安定な時代。彼は大好きな中国を守るために政治ジャーナリストとして活躍することになります。

そんな彼が日清戦争後、新興国日本の成金に自分のコレクションを売り渡すことになった時は辛かったんじゃないかなぁ。

色々と時代背景に想いを馳せてしまいます。

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展示としては面白いけど表紙とか見開きしか見えないし、もちろん見えても読めないし、内容が気になって仕方ないです。

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これが何かっていうと、全部タイトルである東方見聞録の異本だそうだ。

わかる。全部集めたくなるのわかる。私も不思議の国のアリスを10冊とか持ってた時期あるわー。微妙に訳が違ったりするのが面白いんだよねー。

 

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なんか教科書で見た絵が飾られてたりする。

 

ヒマラヤ山脈の鳥類 ジョン・グールド

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リトグラフに手彩色だそうです。これ、構造色が本当に美しく表現されている。

 

中国・日本・朝鮮の鳥類 ジョン・ヘンリー・リーチ 

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アゲハチョウ!

 

インド・中国・マカオの風景 ジョージ・チネリー

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さらりと描かれた郷愁あふれる風景。

こう行った景色にモリソンは惹かれ、命をかけて守ろうとしたのでしょうね。

今の平穏な時代からは想像できないものが、かつてはあったのでしょう。

冒険が、未踏の地が未明の知識が存在していた時代、憧れます。