人の金で美術館に行きたい

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。

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膨大すぎる苦悩もあるらしい 藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!

藝大には藝「大」コレクション展を見に行ったのだ。

www.geidai.ac.jp

教授陣の作品や在学生の作品を収集し続けて、数が多過ぎて困っていると言うのが面白い。収納場所も足りないし、誰も全貌が把握できないほど巨大なコレクションに意味があるのか?という根本的な問題。でも、なんせ日本トップクラスの芸大、卒業生も錚々たるメンバーとなれば、その作品を青田買いする機会を逃すのも勇気がいるだろう。
コレクションってほどほどのサイズに収まらないから困るんだよね。

 

この展示はすでに後期に入っている。そして前期と後期で作品の半数ほどが入れ替えられているという異例の展示になっている。記事にしなかっただけで私は前期も見たのだが、前期の作品もとても良かった。
だから図録を買うといい。ぜひ買うといい。1800円とお安めだもの。

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高橋 由一 「鮭」

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板に書かれた小さな鮭図は見たことがあるのですが、こちらは紙に書かれた大きな絵。よく美術の教科書に出てくるのはこの絵だそうです。
しっかりとリアルに描かれて面白いけど、板絵の方が好きかな〜

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原田 直次郎 「靴屋の親爺」

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これも教科書で見た気がする。顔や服の汚れも含めて写実に徹した作品。なにも美化しなくとも力強い職人気質が伝わってくる。

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石田 英一 「銅製群兎置物」

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これ、一枚の銅板を叩いて形を出しているそうです。鋳造じゃなくて鍛造。ハンマーでコツコツ作られたもの。もうどうやって作ってるのか想像もできない。この裏側をのぞかせて欲しい。

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田中 太郎 「ないしょう話」

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ひたいを突き合わせてコソコソと内緒話をしているものの、よく見ると誰も相手の話を聞いている様子がない。とのキャプション。
なんだか呪いの像のようだね。プリミティブな感じがちょっと怖い。

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吉野 貴将 「森 ~cosmos~」

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これ、すごい。まじすごい。
正しい位置から光をあてることで後光が浮かび上がる、という設計通りに見事な光輪が現れていて感動する。図録の写真でもうっすら見えてるけど、こんな感じ。こんな感じ。

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こんなのどうやって計算して作ってるんだろうね。

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大学関係者のほかに、作品の補修をしているもののコーナーもあった。

クリストッフェル・ビスホップ・ビスホップ 「手相観」

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この絵好きだなと思ったらやっぱり19世紀で、この時代最高だと思った。
けど、図録で見たら白黒写真になっていた……どーりで図録安いと思ったw
本当にきれいだよ。

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日本画もいっぱいあったけど、洋画の方が好きだから今は乗せないw
象牙彫刻とか、銅像制作のための石膏像とか。やはり型取りして鋳造すると細かい部分がつぶれて勢いがなくなってしまうので、石膏像の方が素敵だなと思うものが多かった。


あと、卒業生の自画像コーナーがあってなかなかおもしろかった。やはり自意識をこじらせているので素直に自画像を出さず、好きな小説を貼ってみたりゴムシート(なぜ)をまいたものをそうだと主張したり。
でも、そうやって逃げに走るのってつまんないよね。
そういう自分からの逃避とか、ただまじめに描いたのではつまんないんじゃないかっていう見栄とか、そういうのを乗り越えた作品がみたいなって思うよね。

ないんだけどねぇ。