家は夏を持って旨とすべし 安藤忠雄建築2つ 8/10
バブル期に建てられた安藤忠雄建設を2つ見てきたよ。
TIME'Sビル
非常にかっこよいことで有名であるが、このテナントのスカスカっぷりよ。
原因の一つは、この床の高さ。川面ギリギリだし、柵もない。子供とか、そのまま川に入ったりしないだろうか。そして恐ろしいことにこの写真ではわかりづらいが、革を背にして建物の奥に進むと下り階段がある。そう、明らかに最下層は川の水面より低いところにあるのだ。
革製品屋がテナントとして入ったが、大雨の日あっという間に浸水して在庫商品がすべて水没・全滅したという逸話を聞いたことがある。
そりゃあテナント入らんって。
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京都府立陶板名画の庭
ここに行こうかな、と一応京都画壇の一員である京都父に言ったらあからさまに難色を示された。というのもここに展示されているのがすべて名画写真を陶板に焼き付けたレプリカだからだ。
でも違うよパパン。僕はレプリカを見に行くんじゃない、安藤忠雄建築を見に行くんだ。
入ってすぐモネの複製画が水に沈んでいる。うん、この施設がやりたいこと、大体わかった。本物の絵画ではできないことがしたいんだよね。
レプリカだから全く何の価値もないかというと私はそこまでは思わない。たとえば、この絵の実物をこの角度この距離で見ることは不可能なのだから、ある程度以上精密なレプリカにはやっぱりそれなりの価値はあると思う。
まぁ、この施設100円以上は出したくないけどな。絵が少ない。
ただ、建物はめちゃくちゃカッコいいです。
ソリッドな感じが京都の殺人的な日差しにとてもよく合う。
まるでゲーム画面のようだ。
建物の壁も柱も作りたくないといった安藤忠雄、こういう住居ではない建造物にこそその真の魅力が現れるのかもしれません。自由にやっている感がとてもよかった。