人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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【粗筋】 藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編1

何の関係もなく猫。

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↓粗筋開始(白文字)↓

ミノタウロスの皿

宇宙飛行士が遭難した星は人間にそっくりなウスを牛にそっくりなズン類が支配する世界。といってもウス達は迫害されるわけではなく、愛玩用・使役用・そして食用と大切に愛情を持って育てられている。
宇宙飛行士が出会ったのウスは食用に育てられた美しい少女。次の祭りで神にささげられる生贄として殺され、皆に食べられることが決まっている。それを喜び誇りとする少女と、なんとかそれを食い止めようと奮闘する宇宙飛行士。ウス達と何度も交渉するが誰からも理解を得られず、結局少女はうれしそうに調理場へと運ばれて行く。
なすすべもなくそれを見つめていた宇宙飛行士は地球に戻り、一人ビフテキをかみしめる。

 

カイケツ小池さん

正義の人を自認する小池さん。世の中の様々な不正や不道徳に憤りを覚えて各所に抗議をまき散らすが、周りからは冷たい目で見られている。ハレンチな番組を流すテレビ局に抗議の電話を入れるも、周囲からうるさいとクレームが入ったり。
ある日唐突に小池さんはスーパーマンのような不思議な力を手に入れる。彼はその力を使って、目についた悪党たちを私的に罰するようになる。ちょっとした犯罪で撲殺してしまったりとその行動には限度が無い。
前から目を付けていた美女の家を手に入れた力で透視していた彼は、彼女が年上男性の妾をしていることに気づいてしまう。そのことに怒りを覚えた小池さんは「世界を破滅させることだってできるんだぞ!」と叫ぶ。そこに野球のボールが飛んできて…というところで唐突に終わる。


ボノム=底抜けさん=

職場の同僚男性を誘いだした男性が、同僚があまりに人がよいのを嘆き始める。底抜けに人のよい同僚はそれに付け込まれ、さまざまな不都合を被っている。不倫中の女性が恋人をかばうために夫をだまし、同僚を不倫相手と勘違いさせて殴られたこともある。
なぜそこまでされても怒らないのかと皆に聞かれた同僚は、「人がすることはすべて遺伝子のせいで、本人のせいではない」と達観したことを言う。周り中が同僚を怒らせようと躍起になるも、嫌な顔一つしない彼は、懐から一枚の写真を取り出す。写っていたのは妻と、先ほどの不倫女性の夫。慰謝料だなんだとまとわりつかれて家に押し掛けられたものの、今では家族のように感じているという。まるでキリストの再来だと言われた同僚はいい気分で家に帰るが、中に入ろうとして妻と男が布団でいちゃついているのに気づく。
しかし自分が真の人格者だと思う彼はそっと家を出、新しい遺伝子の誕生を邪魔しないように外で過ごす。※オチの解釈はいろいろ取れそう


じじぬき

息子夫婦と孫と同居している妻を亡くした偏屈な老人。彼は他の家族からうとまれている。幼い孫がトランプのババ抜きを「じじぬき」だと教えられているなど、その対応はあからさまだ。家族へのあてつけで雨の中釣りに出かけた老人は、風邪をひいて死んでしまう。あの世で妻と再会した老人は自分の葬式の様子を見て、家族が自分に冷たくしたことを後悔していることを知る。
喜び勇んで生き返った彼は家族に歓迎されるものの、すぐにまた邪険にされるようになる。あのとき死んでいればよかったのに、とあからさまに態度に出されてショックを受け……というところで我に帰る老人。生き返った後のことは、「もし生き返ったらこうなる」というシミュレーションだったのだ。老人は生き返ることをやめ、あの世で妻と暮らしていくことにする。


わが子・スーパーマン

父親が遊びに行く幼い息子の後をつけるが、見失ってしまう。ヒーローもののドラマに夢中なわが子が家を空けているとき、悪人を狙った暴行事件が起きているのに気づいた父親は、もしや自分の子供が犯人ではないかと不安に思う。
一体普段何をしているのかとなかなか答えようとしない子供を問い詰めると、暴行犯としか思えない答えが返ってくる。暴行犯が着ていたというヒーローの衣装を息子が隠し持っていたことに気付き、愕然とする父親。息子がヒーローものドラマの悪役の住所を知ったことに気づき、役者に警告の電話をかけるがいたずらと思って取り合ってもらえない。しかし役者は家が爆発して死亡してしまう…
報道ではガス爆発と発表され、父親はやはり息子のせいではないのでは?と思う。


気楽に殺ろうよ

平凡なサラリーマン。気分が悪くなった彼が気づくと、世界が少しおかしくなっている。周りの人は皆いつもと同じに見えるのに、なぜか性欲は子供の前でも堂々とあけっぴろげに見せるのに、食欲ははしたないこととしてコソコソ食事をしている。そのため街中に飲食店は存在しない。また、子どもを一人産んだら人間を一人殺してもいいことになっていて、出産も殺人も平然と行われている。サラリーマンは今までとのギャップに悩むが精神科を受診し、医者と話し合って結果現状の性欲肯定食欲否定の世界に順応できるようになる。
同僚が自分を殺そうとしていることに気付いた彼は、逆に自分が相手を殺してやろうとする。翌日決行することを心に決め、眠りに就いた彼は朝気分が悪い事に気づく。しかしその程度の体調不良でせっかくの決心を鈍らせることもなく、包丁を持って出ける。彼は町中に飲食店が再び現れていることに気づいていない。


アチタが見える

幼い少女を持つ両親は、娘に予知能力があるのではないかと疑っている。家にやってきた同僚が少女に会うと、彼女は同僚が車に轢かれる絵を描いて渡す。それを気にした同僚は車を避けようと出社もせず家に引きこもるが、車が突っ込んできて轢き殺されてしまう。
少女は[パパとママの絵が描けた」と両親に絵を渡すが、そこに描かれているのは明らかに現在の両親とは似ても似つかない姿である。


劇画・オバQ

大人になった正太のところに、オバQが訪ねてくる。結婚し家庭を持った正太の家に居候するオバQだが、正太の妻に迷惑がられていることに気づく。久しぶりに昔の仲間で集まり飲み会を開き、子ども時代の思い出話に花が咲き、みんなでずっと子供のまま自由でいるんだと盛り上がる。翌日妻に妊娠を告げられた正太は大喜びし、昨日の決心など忘れてしまう。オバQは親となる正太がもはや子どもではないことに気づき、その家を後にする。


イヤなイヤなイヤな奴

長期航路についている宇宙船。乗組員たちはストレスからかいがみ合い、一触即発の雰囲気が漂っている。その中でも特に性格が悪い男はなぜか他の乗組員の部屋を盗聴し、全員の不満をあおるような行動ばかりとっている。目的地到着まで数日のところでついに全員の不満が爆発し、男を排除しようとする動きが出るが、彼は船の自縛操作を盾に立てこもる…
しかし航海終了後、彼はとがめられることもなく船のオーナー会社の上役と平然と会話している。実は彼は「共通の敵があるとき人間は結束する」という心理を利用してトラブルを防ぐ「憎まれ屋」だったのだ。仕事を終え、彼はまた新しい任務に就く。


休日のガンマン

宿屋に泊る西部の荒くれ者…だがどこか様子がおかしい。ここは西部劇をテーマにした遊園地。客はギャングたちの紛争をし、やられ役のスタッフを倒してストレスを発散するのだ。友人と遊びに来た男性は日ごろとは違う世界を楽しもうとするが、持ち前の不器用さもあってどうにも様にならない。この世界で暴れるのも活躍するのも結局は料金次第で世知辛い。
友人と金を出しあって人気アトラクション銀行強盗をしようとするが、友人の客である金持ちにその機会も奪われてしまう。我慢の限界に達した男性は金持ちと決闘をするが、実力でも敗れてしまう。なんともしまりの悪いまま西部劇の世界に浸った休日は終わりを迎える。


定年退食

人口が増えすぎた世界。食糧不足のため一定年齢以上の人間は医療が受けられず、食料も支給されない。近づくそのリミットに備え、老人は食料を節約し、健康を心掛けて生きている。
ある日何の前触れもなくその規定年齢が引き下げられ、老人は食料を手に入れることができなくなる。憤る友人に対し、老人は自分たちの席はもうどこにもないのだと若者に席を譲り、達観した様子。


権敷無妾付き

なんのとりえもない中年男性に、ある日ラブレターが届く。妻からはいたずらだろうと笑われるが、もしかしたらと指定された公園に行くも、誰も現れない。
格安の家が手に入るとのチラシを見て男性は現地に赴くが、そこにも何もない。二度も騙されたと怒る男性のもとに、あやしいセールスマンが現れる。セールスマンは愛と自由に飢える男性に妾付きの家を売り込もうとする。最初は信じない男性だが、もし本当妾候補の女性に説教しようと指定された家に行く。
果たしてそこには美女が待っており、かいがいしく世話をしてくれる。こんな商売はやめるんだと説得すると彼女は男性に本当に一目ぼれしたのだと涙を流す。もう騙されまいと家を飛び出した男性は、もし彼女の言葉が本当なら?と思い、もう一度彼女がいる家に戻っていく。
しかし中を覗くと彼女とサラリーマンが男性をだませなかったことを悔しがっており、また騙されていたのだと気づく。男性は自分の家に戻り、平凡な日常が一番だと自分に言い聞かせる。


ミラクルマン

嫌われ者の上司が死んだ。同僚と一緒に葬式に出た男性は、同僚が上司を超能力で殺したと思っていることを打ち明けられる。自分の人生があまりにうまく行きすぎていると訴える同僚は、妻との馴れ初めも奇跡のようなものだと訴える。それを聞いた妻は、実は死んだ上司にもてあそばれたショックで同僚と付き合い始めたのだと打ち明ける。ひと悶着あるものの愛を確かめ合った妻と同僚。それを見て安心する男性を同僚は雨の中家へと送っていく。「ここに地下鉄があればいいのに。トンネルを掘って鉄道会社に寄付したい」と冗談を言うと、本当にトンネルが見つかる。それは同僚の超能力なのでは?と男性は疑うが、同僚はつきものが落ちたかのようにただの偶然だと笑い飛ばす。
実際には本当に神様から奇跡の力を授けられていたのだが、結局気付かないままなのだ。


ノスタル爺

戦争から帰ってきた男性。長い間離れているうちに故郷の村はダムの底に沈み、出征前に形だけの結婚式を行った妻も亡くなっている。せめてダムの近くまで行こうと山を歩くうち、故郷の蔵に聞違い爺さんが監禁されていたことを思い出す。
故郷や愛していた妻を思いながら山を下ると、既に存在しないはずの村にたどりつき、目の前にまだ幼い妻が姿を見せる。動揺して彼女を抱きしめた男性は不審者として取り押さえられる。未来から来たという彼の話を誰も信じない。村から離れないと言い張る男性は、蔵の中に監禁されることになる。外から聞こえてくる幼い妻やかつての自分の声を聞き、失ったものを取り戻した男性はうれし涙を流す。


コロリころげた木の根っ子

小説家から何とか原稿を回収しようとする出版社の若手社員。何とか早く仕事を終えて帰ろうと小説家をせっつくものの、遊んでばかりでまったく何も書こうとしない。
小説家の家から帰れない若手社員は、小説家が妻をひどく乱暴に扱うことにへきえきとする。しかし奇妙なことにも気づく。何度片付けても階段の上の廊下には酒の空き瓶が転がり、くみ取りトイレにはタバコ用かマッチが置いてある。
小説家は、やっと次回作の構想を話しだす。夫に虐げられた妻が夫を事故死させようとする話だ。しかし階段から足を踏み外すよう廊下に瓶を置く、などといった事故の状況が、小説家の家の様子に酷似していることに若手社員は気づく。そして彼は小説家の妻が死亡事故の新聞記事を集めているのにも気づく。瓶もマッチも、小説家を事故死させようとする試みだったのだ。


間引き

人口が増えすぎた世界。食事は基本的に配給制で、食券がなくなれば自分で手に入れなければならない。食券は常に不足している。巨大なコインロッカーセンターの管理人を務める男のもとに、記者がやってくる。コインロッカーに赤ん坊を捨てる若者が増えているのをうけ、その現場を取材したいのだという。熱く奮闘する記者を前に、管理人はさめた顔。あまり捨てられる赤ん坊の数が多くて麻痺しているのだ。記者はこんな世知辛い世の中になったのは、人口が増えすぎて人間から愛が失われたからではないかと語り出す。いつか人口が適正値まで下がったら、愛が復活するのではないかと。

記者が帰った後、最近冷たい管理人の妻が弁当を持って現れる。彼女の愛が戻ったかと喜ぶ管理人だが、弁当に混入された毒で殺されてしまう。金の代わりに食券を遺族に渡す生命保険をかけられていたのだ。

 
安らぎの館

大企業の社長。使えない跡取り息子、社内派閥のいさかいにストレスをためている。
友人に勧められた風俗のようなストレス解消サービスを試してみようと店へ向かう。
そこで客は子供のような服を着て、自分が子供のように感じる比率の家具の部屋で童心に戻るのだ。店に勤める巨人症の女に母と子として甘やかされるうち、彼はストレスが消えて行き真の癒しを感じる。
現実世界は厳しく、派閥争いで息子が反旗を翻しく―データーを起こす。慌てる重役たちが対策を求めるが、すっかり童心に戻ってしまった社長は「おかあちゃんにメーッ!てしてもらう」といって店へと向かう。


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