電車がないと生きていけない 2/6
火曜日は用事でお休みをしたのだけれど、あまり楽しいたぐいの用事ではないので、終了後むしゃくしゃして丸の内に行ってやった。
”鉄道写真からピカソまで”というキャッチコピーが謎だけれど、要するに収蔵品展。
ここは現代美術を集めている美術館です。場所が駅舎だし、レンガの壁がむき出しな展示室があったりで、近代~現代の特にシュールな感じの現代アートに相性がいい作りなんですよね。
今回の展示は前半は鉄道や駅舎に関する作品、それが風景がになって最終的には抽象絵画にたどりつくというわかるようなわからないような並べ方。
なかなかいい作品が多いなぁと思いました。
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本城直季 small planet tokyo station
6,7年前かなぁ、すごい話題になりましたよね、本城さん。チルトシフトという技法で意図的にピントの合う範囲を狭めることで作るミニチュアのような写真。彩度もパキパキにして面白いよね。
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谷井俊英 四ツ谷にて
日本画です。架線が金で描かれていて光の感じがとてもよい。ノスタルジックな感じ。
お茶の水~四ツ谷あたりの中央線はやはり絵になります。何枚か題材にしたものがありました。
そういえば私の出身地である鵠沼を描いたものもありましたが、時代が古すぎてさすがに鵠沼のどこかまではわからなかったな。
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丸山直文 汽車Ⅰ 汽車Ⅱ
下塗りされていないコットンのキャンバスにアクリル絵の具を滲ませながら描く「ステイニング」という手法だそうです。夢の中のような不思議な感じになっているけれど、実際前に立つととても鮮やかな色のせいかくっきりとした印象を受ける。
まるで写実画を見ているような気持ちになる絵なのです。
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安部金剛 山査子と裸婦
サンザシはバラ科の植物でつる植物ではない。なのでこの絵にはぱっとわかる形でサンザシが描かれておらず、なぜこのタイトルなのか謎なのだそう。
裸婦の曲線と植物の曲線が共鳴していて素敵な作品。
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夏目麻麦 Room1108
正直ちょっと怖い。ホラー映画の一場面のように思う。静かな部屋の中に派手な服の少女がうつむいている。近づくと彼女はパッと顔を上げるがそこには……って感じ。
不穏な感じするよねぇ。また展示室が内壁をはがしてガタガタになったレンガだから廃墟感があってさぁ。
すごい好き。
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小川信治 バルコニーにて1 バルコニーにて2
ロマン・チェシレヴィチを思い出す。すごく古い、もうだれかもわからない少女の写真を使用したコラージュ作品。同じものを使って再構成したように見せかけて、色々なところが違っている。
こういう作品をペアでもっていたらとても幸せだろうなぁ。
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池田光弘 Untitled
無題だし、特に何の絵とも書いていないのだけれど風景画のような気がする。場所がステーションギャラリーだからか、水田の先を走る青い線路のようにも、その線路と平行に走る電車からの車窓のようにも。
作者の国籍によって絵画の雰囲気は何となく違うもので、それこそ韓国は渇いた感じだったり日本は厨二っぽい根暗さがあったりするんだけれど、日本の人が描いた作品での金色の使い方は特筆すべきものがあるなぁと思う。
ぽこぽこ盛り上がり、リボンやチロリアンテープを貼り付けたみたいな質感とリズミカルさがある。
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ピカソは所蔵品だけれど撮影不可だった。「帽子の男」とかかわいくてすごくよかったのになぁ。
美術展命の男のブログ ピカソと20世紀美術 東京ステーションギャラリー
この方が紹介されているやつね。
この後めちゃくちゃ資生堂パーラーのくそ高いパフェ食った。