SAMURAI9 新宿京王プラザホテル 気鋭作家9人、魅惑の絵画展
日本橋で絵画展を見た(一昨日のブログ)ら、出口にこんなチラシがあって。
なんだ、同じ人たちの展示じゃないか。京王プラザホテルって帰り道だし無料っぽいな?と思ったのでついでに行ってきた。
こんな感じでホテルの一角にどどんと飾られています。
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濱田 富貴 「星繭」
虫の卵をモチーフにしているそうです、というのは高島屋の方のキャプション。こっちは特に説明なく作者の略歴と置いてあるだけ。
草の実みたいできれいなんだけど、虫って言われるとなんかぞわぞわするよねぇ。中でうごめいている力が、急に邪悪なものに思えてくる。
なんて思うのは私が虫嫌いだからかしら?
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依田 万実 「Sky Stairs」
これ、どうなのかなぁ。日本画って言うけどそりゃ岩絵の具なんだろうけど全然日本画っぽい描き方していないし、題材もヤコブの梯子(キリスト教)っぽくない?
いっそ油絵の方が向いているのでは?という画風だし、日本画の良さを全く生かしていない。ついでに言うとここに出した2枚も高島屋の方の絵も同じ空へ伸びる梯子の絵で、ワンパターンかよって思った。あんま好きじゃない。
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入江 明日香 「Iris de Sibérie(シベリヤアヤメ)」
やっぱりきれいだねぇと思う。すごく繊細な線で、色づかいもとても素敵。
東華ファンタジーみたいだね。
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入江 明日香 「En tete- a -tete avec la【以下メモミスで不明】(お月見)」
すみません、うまくタイトル撮れて無くて後半がわかんない。「お月見」という日本語タイトルは間違いないのでそれで。
ウサギちゃんかわいい!かわいい!
8月いっぱいやっているし、無料だし、新宿に用のある人は少し足を延ばしてみればいいと思う。
国のお墨付き 文化庁新進芸術家海外研修制度50周年記念展
滅多に郵便が来ないのであまりポストをチェックしないのだけれど、火曜日に久しぶりに開けたらこれが来ていた。
目についた美術チケットプレゼントには全部応募してるんだけど、そのうちの一つにあたっていたのだ。やべーやべー、開催期間短いじゃん!
というわけで、たまたま水曜が午後から私用で有給だったので、午前中日本橋に行ってきました。
いろんなタイプの作家が見れて楽しかったよ。
これすっごい好き!ってのから、絵はうまいけどつまんないもの描くなぁって人から、すごい下手だけど本当に国の奨励受けたの?てのまで。(失礼が過ぎる)
もっと長くやればいいのになぁ。
数が多いからコメントは簡単に。
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呉 亜沙「metabolism」
かわいい。ひたすらかわいい。色がすごくきれいで気に入った。
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入江 明日香 「la forèt noire」
ねこたんかわいい!
環境破壊で消えかけた自然の神が、自然保護により復活している姿みたいなコメントがついていた。足元の烏とか、攻撃形態に転身してるようにも見える。
ラノベの表紙みたいだけど好きだよ。
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西田 俊英 「月と孔雀」
印刷だと消えちゃうけど、背景の木目っぽいのとか、尾から星屑が撒かれてるのとかとてもきれい。
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松永 久 「相」
抽象画。紺色の絵の具をスクレイパーでガッと伸ばしている。水を連想する。とても夏らしく涼やかでよい。
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齋藤 研 「風景」
このサイズの画像だと完全につぶれてるけど、背景の木の部分が縦線で表現されていて面白い。微妙な色、線の長さと太さで森と木々が生まれている。
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山内 和則 「室内」
明るい、フランス絵画のような作品。現代的な蛍光色のような色がとても良い。外と内をつなぐ二重世界。扉からテーブルに落ちる影の色が好きだ。
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石黒 健一郎 「SHAFT TOWER(奔別)」
この人ホキ美術館で見た!相変わらずすごい描写力。そしてただ写生力で終わらない情緒。廃墟を描きながら、暑い夏の日のさわやかさがある。
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ところで、後半の画像がすごい小さくて荒いのにお気づきでしょうか。
今回、ポストカード少なかったんですよ。そしてその代わりにこんな公式グッツがっ!
ほぼ全作品を掲載した二つ折りクリアファイル!
くそぅ、クリアファイルなんて使わないのに買ってしまった。だって、図録よりずっと安いんだもの。このグッツはとてもいいですね。
気に入った作品が全部ポストカードにあるとは限らないし、図録はかさばるし気に入らなかったものも載っているし。
これならすごい思い出になるし、見れば本物を見たときのことを思い出していろいろ感想がわいてくる。
他の美術展でも作ってくれればいいのになぁと思います。権利関係難しいかな。
ちなみに、今回チケットがあたったのはこのサイト。メジャーどころは全く当たらないが、マイナー展示の当選は2回目です。
実は続きます。
アイアン・メイデン 明治大学博物館
明大博物館に行った話には続きがある。
常設展の話をしていないじゃないか。
明大を建てるときに色々発掘されたというものが展示されている。
おままごとセット、かわいい。庶民が使用していたものだろうけれど、意外と精巧にできている。
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図解五十五箇条(えときごじゅうごかじょう)
庶民が守るべき規律的なものが描かれています。なんだろう、江戸しぐさ()的な?
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ほらこれ、時代劇に出てくる奴!
高札 キリシタン禁制
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複製品だそうですが、サイズがよくわかるね。
ギロチン
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こちらも複製品
アイアン・メイデンといえば内部に仕込まれた針のイメージが強いけれど、これは後付けではないかという説が有力だそうで。
元々針はなかったのではないか。
恥辱刑として、ただの檻として使われたのではないか。この中に閉じ込められた人が出してくれと騒ぐのを嘲笑する目的で使用されたのではないかという説明でした。
その割に、針ついてるんだけどな。
考古学コーナーとかもあったけれど、それはどでもないかな。
にしても何で明大で刑事なんだろうねぇ。あんまりそういうイメージないけれどね。
法学といえば我が母校中央大学が有名だと思うのですが、中大博物館は無いようです。
こういう所に大学の力って出るのかなぁ。
空虚の恐怖 資生堂ギャラリー 菅亮平展
資生堂ギャラリーに行った。今やってるのは「菅亮平展 <インスタレーション>」
今や世界各所に存在するようになった美術館やギャラリーに特有の展示スペースである「ホワイトキューブ」をモチーフとして作品を制作します。当然そこにあるものだと想定される美術作品が消し去られた空虚な空間が展示スペースの壁を越えて、際限のないイメージとして連続していきます。
CGなのかなぁ、壁一面に投影される映像。小さな扉のない穴でつながっただだっ広い窓の無い部屋を、革靴の音を響かせながら歩く誰かの視点。
まるでホラーゲームのムービーを見ているようだ。
こういう空間は好きだ。美術館とか、(観光地化されていない)空港とか、無機質で人工的な空間はとても落ち着く。ユーザビリティを最大化しているのだから当然だと思う。
カツンカツンと足音を響かせながらひたすらなにもない空間を移動し続ける映像が部屋いっぱいに広がっている。
VRのように、自分の視点が移動しているように感じる。
これ、何時間でも見ていられるやつで、ずっと見ているとトリップするやつだ。
奥の部屋には絵画?作品がある。
プリント、とあるけれど何だろうか。写真じゃないかな、CGかな。
なにもないただの空間を表す画像。こうやって写真にすると、奥行きがあるように見えて面白いね。
でもこれはこうやって何もない部屋の壁に掛けられているから面白いのであって、じゃあ買って寝室に掛けようか、とは思わないかな。面白さ半減だもの。
だからこれはプリント作品というよりはやはりインスタレーションなのだと思う。
コンセプト図だろうか、建築の青写真のようなもの。なんかいいね。
ギャラリー全体に、動画の足音が響き渡る。
ずっとここに座っていなければならない監視員さんはつらいだろうなと思う。動画に取り込まれてしまわないだろうか。
池に行けと言われても 増田セバスチャン
銀座行きついでに、ギャラリーを見た。一個はポーラミュージアムアネックスの増田セバスチャンによるモネの池。
Point-Rhythm World
-モネの小宇宙-
連れの手入っちゃったけど。
なんか公式サイトのイメージ図とは全然違うなぁって思った。ピンクのやつないし。モネ?うーん。
奥に映像投影してるのは綺麗だなぁと思った。
よく見ると人形の服とかレースとかブレードとか、手芸洋品店で手に入るものでできてる。
で、ごめんだけどよくわかんなかった。すごい綺麗!てわけでも超かわいい!てわけでもない。
絵コンテの段階では幻想的で万華鏡みたいで素敵なんだけど、実物はなんか暗くてサイコ狙ったお化け屋敷みたい。
小物を組み合わせて作ったらこんな感じのはず!材料も可愛い系にしたら可愛くなるんじゃない?て思って作ったらしょぼかったパターンかな。他の作品見たことないけど、画像検索する限りキッチュでポップを狙ってるらしいから、別階層目指してダメだったのかな。それともこれで完璧なのだろうか。
成功してこうなのか、こんなはずじゃ、なのか気になる。
好きな人は好きなの?あんま盛り上がらない会場だったなー。みんな「ふーん」って感じで終わりで、これが好きだ!最高だ!って長居している人もいない感じ。
銀座じゃなくて原宿あたりでやればうけたのかな。
すごい齟齬を感じた。