人の金で美術館に行きたい

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。

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思ってたんと違った ー景・水景ー 松原 賢 展

柿傳ギャラリーに行ってきた。
前回の展示で見た次回予告のポスターがやたらカッコよかったから気になっていたのだ。

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何とか最終日に潜り込めたよ。
ショーウィンドウに展示されてる作品を眺めて、あ~これこれって思いながらエレベーターに乗って、ギャラリーで降りたら度肝を抜かれたよ。

 

「日月図 二曲一双」
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ぎゃあああああ!なんじゃこりゃ!ポスターとぜんっぜん違うじゃないか!
かっこよすぎるだろこれ!!!f:id:minnagi:20180620143813j:image

アップで見るとこんな感じ。素材は書いていないからわからないけれど、まるでセメントのような素地に日本画の文法で波や月、日が描かれている。スリップ防止の坂道によくある 真空コンクリート リング刷毛引き仕上みたいなやつ。
かっこいい。くそかっこいい。
ちなみに43万2千円である。ラグジュアリー系のホテルロビーとかにぴったりじゃなかろうか。

同系列で、小さいやつも。

「閘(風炉先)」

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こっちはセメント感がより強くてかっこよさすごい。スチームパンクっぽい。

 

タイトル不詳f:id:minnagi:20180620143821j:imageこちらについてはタイトル書いていなかったしピントがだめなんだけど。
何かラピュタっぽいよね。古代文明感すごい。かっこいい。

 

「景」

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一応こっちの系統がメインで活動されているみたいです。

現代日本画に分類されるのかな、下地にたっぷり水を含んだ顔料を乗せ、その流れ落ちる様を記録する。

「景」
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この作品とか、流れがわかりやすいと思う。でもこの人も同系列同タイトル量産作家だな…

 

「水景」f:id:minnagi:20180620143720j:image

ポスターはこの系統ですね。段々に重ねた地模様のある下地に淡い色を重ねている。
朝焼けの海面のような作品です。綺麗。

 

今回は写真撮影可能でした。ここにはよく行くけど、そういえば確認したことなかったな。他の展示でも撮影可能だったりするのかな?毎回確認しようと思います。

あと、柿傳でご飯したことないから行きたい。ぶっちゃけ京懐石とかお財布は無理だから、カフェ時間を狙いたい。なかなか勇気いるけどさ。

まさか国産とは ターナー展 風景の詩 6/15

皆さんお元気ですか?私は駄目です。

駄目なので、平日代休を利用してターナー展に行ってきました。

turner2018.com

よく考えたら、ここがそんな混むとも思えないからエッシャー展の方行っておくべきだったかもしれない。まあいいか。

珍しくフォトスポットがありました。
これは自画像ではなく、ウィリアム・アランの描いたターナー肖像画になります。
ちょっと悪意がある気がする。風刺画っぽさというか。

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展示室の直前にもフォトスポット。
広大で、ターナーらしい絵ですね。

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というわけで、ジョセフ・マロウド・ウィリアム・ターナーは18世紀の画家。
理髪店の息子として生まれたというので上流階級ではないけれど、その頃の理髪店はまだ医療機関としての側面を残していたはずだから、まあまあ知的階級に属していたのだろうと思う。

18世紀といえば、上流階級の子弟の間でグランド・ツアーが大流行した時期だ。そして、たび重なる戦争によって「海洋国家イギリス」という自負が国民に生まれ始めた時期でもある。

その結果として流行したのが「地誌的風景画」と「海洋画」。
イメージとしての風景画ではなく、それがどこから見たどの地域の絵画なのか、ランドマークがしっかりと描き込まれた絵画になります。
あちこちの観光名所を距離感無視して一画面に放り込んだような空想風景画がはやるのはもうちょっと後かしらね。

ターナーといえばそういったリアルで存在感のある、そして空間の広がりを感じさせる、まるでその場にいるかのような風景画のイメージが強いです。

 これとか。

サン・ゴタール山の峠、悪魔の橋の中央からの眺め、スイス

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ぞわっとする~~

スイスの難所である悪魔の橋を描いた作品。崖下の寒々とした紺色が目を引きます。
横に実際の場所の写真が掲示されており、現実よりも傾斜が強調されていることが示されています。
でも本当にこの場所に立ったなら、客観的に同行ではなく習慣的にはこんな風に切り立って感じるんじゃないかなぁ。それが臨場感になっているんじゃないかと思う。

また、こういった写実絵画としてのターナーという今までのイメージとは違う側面も最近は出ている。

たとえば、個人的スケッチではあるもののエロティックな絵画。

裸ってなんだろう 横浜美術館ヌード展 4/8 - 人の金で美術館に行きたい
たとえば、プレ印象派としてのターナー。「雨・蒸気・速度 グレートウェスタン鉄道」みたいな写実とはほど遠い夢の中のような絵画。

KIRIN~美の巨人たち~

雨、蒸気、スピード−グレート・ウェスタン鉄道 - Google 検索

今回の展示ではこういった側面はあまり強調されていなかったけれど、代わりに彼が絵画の挿絵として描いたファンタジー絵画をいくつか見ることができた。

20ヴィニェットのうちの1点―夏の夕べ(「希望の喜び」挿絵)f:id:minnagi:20180619142217j:image

20ヴィニェットのうちの1点―スイスの谷:テオドリックf:id:minnagi:20180619141823j:image

 ポストカードはなかったのだけれど、「ヘルゴラントの死の舟」など、荒れ狂う海のなか翻弄される小舟に死神がうれしそうに乗り込んでいる、というファンタジー画で撮っても素敵だった。「海辺の日没とホウボウ」ってお魚の絵もきれいで、なんだよおまえ、写実画より空想画の方がずっと素敵じゃん!!って思ったよ。

 

全体に残念だなぁと思ったのが、なんか絵が全部黄色いんだよね。
保存状態の良いものはすごく綺麗な青空が見れるのに、同じ時代でもどう見ても晴れた空を描いたはずなのに黄色い空になっているものが結構あった。
ウィキペディアではターナーが黄色好きって書いてあるけどよう出典扱いになってるし、Turner's yellowって言ってもそれは後期のプレ印象派ぽくなってきた時期のものだと思うし、初期の写実画の時代に空をあえて黄色く塗る論理的な説明はないと思うんだよね。
つまり、黄変しているんだと思うんだよね…だとしたらもったいないなぁと。

 

あ、タイトルはターナーって有名絵の具メーカーあったよな、なんか所縁でもあるのかな?って調べてみたら特に何のつながりもない日本企業だったということに衝撃を受けたという話です。あやかったのかな。あやかっただけなんだろうな。

ガヤガヤしてた TANBA ー10人の作家による茶陶展  6/8

ちょっとだけ時間があったから柿傳ギャラリーに行ったよ。本当は練馬とか損保ジャパンとか行きたかったけどそこまでの時間はなかったよ。

www.kakiden.com

ここは基本京料理のビルなので、展示も大体茶道具です。
今回も茶碗とか花器とかそんなのが中心だった。

丹波焼の作家10人の合同展ということで、平日の昼だというのに在廊している人が結構いました。そらね、10人もいたら何人かは常にいるだろうね。
正直あまり落ち着いて見られる感じではなかったので早々に退散してしまった。

ここはそもそも美術館ではなくギャラリー、日本語訳するなら展示即売所なので場違いなのは私の方なんだ。みんなめっちゃ名刺交換とかしてたし。

 

大上 伊代 作品名不明

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この人のシリーズがかわいかった。唐獅子とは言うけれど柴犬みたいで。

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パンフだけじゃなくて入口に飾られてるやつも可愛い。
あと、壁掛けの一輪ざしがかわいかった。小さな唐獅子が壁からぶら下がる形で、背中の首輪のところに花を活ける穴があいているの。八重咲きの花を添えたらわんこがお花を背負っているみたいで愛らしいのだろうなぁと。

 

中岡 信人 作品名不明

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椿の実の抜け殻のような、なんだろう。お皿?存在感がすごかった。かっこいい。

 

ピーター・ハーモン 作品名不明

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まさかのアメリカ人。すっきりして美しい。他の作品とはちょっと異彩を放っているね。丹波焼って統一されたスタイル的なものはないのかな。

 

清水 一二 作品名不明

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正直展示で見た記憶が無い(いっぱいあったからさ)んだけど、パンフで見るとかわいらしいなぁと思う。カラフル。

 

実は京都人のお母さんは元陶芸の人だそうだ。
そんでこないだ話をちょっと聞いたのだけれど

今の家は規格化されてどこもまっすぐに作られているから、昔ながらの作家ものの器は似合わない。四角い部屋には工業的な真ん丸な皿でないと調和しない。
だから最近の若い人の好みも昔とは変わっている。

って言ってて、なるほどなぁっておもった。
私も民芸調のいわゆる”味がある”作品あんま好きじゃないもんなぁ。白磁とかのシュッとした方が好き。
生活環境が変われば審美眼、というか美の基準というものも変わるのだなと。

これは生活の西洋化とはまた違う話なのかな。西洋建築でも田舎風の家だとやはりウェッジウッドより南欧調とかアンティーク調の方が似合うのだろうか。

 

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 時間帯が違えばゆっくり見れたのかな。数はたくさんあったから、人が少なければよかったのに。いつもは空いているんだけどなぁ~

へ〜んしんっ! ジョルジュ・ブラック展 6/3

愛してるって最近言わなくなったのはあなたを本当に愛し始めたからだし、
ブログを全然書かなくなったのは美術館に行って無いからだ。


美術館に行っていない。映画館には行っている。モーリスとレディ・プレイヤーワンとデッドプール2を見た。本も3冊読んだ。まぁそのことを描いてもいいのだけれど、とりあえず週末に美術館に行ったので美術の話をしよう。

panasonic.co.jp

というわけでジョルジュ・ブラック。
京都人と行ったら、「ブラックって誰?」と言われたのでちょっとびっくりした。一応絵画はそれなりに知識があるはずなのに。

ジョルジュ・ブラックWikipedia)と言えばピカソと一緒になってキュビズムを始めた人である。最初に始めたのはピカソだけれど、こうして作品を見てみると、ブラックの方が理論的にキュビズムキュビズムしている感じがある。
簡単に置いて、絵画を描く際に視点を1つに定めず、あっちこっちから見たものを1つの画面に統合して描くってのがキュビズム。いかにもそんな感じ。

ジョルジュ・ブラック静物

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なんでピカソと比べてこんなマイナーなのかな。やっぱり色使いが地味だからかな。
しかし略歴を見てみると、本国では色々と活躍され社会的にも認められていたようで安心です。ちゃんと公共施設の仕事とかしていた。

もう一枚油絵があって、絵の具に砂を混ぜているのが立体と平面との境界を考え続けたブラックっぽくてよかった。アクリルとかでよくやる立体的な下地はこの人が始めたのかもなぁとか。

 

 とはいえ今回は絵画の展示ではありません。
メタモルフォーシスと名付けられたアクセサリーや陶器、彫刻といった立体作品が主役になります。

アクセサリー職人と組んでブラックが下絵を描き。

ジョルジュ・ブラック「トリプトレモス」

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それを職人がアクセサリーへと仕上げていく。

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職人の発想を妨げないようにと、素材の指定をしなかったというのも面白いです。

下絵はのびのびとしていて綺麗。

ジョルジュ・ブラック「青い鳥、ピカソへのオマージュ」

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「三つの恩恵(三美神)」

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この辺はおとなしくて現代でも使えそう。
グレース・ケリーがつけている写真があって、よく似合っていた。

 

「ペルセポネ」

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こちらは壺。絵にかいたようなキュビズム
他にもお皿とかもあったけど、圧が強くて使いづらいと思った。

リトグラフがすごくよかった。
モチーフを刷った上に金箔を重ねて重厚な感じを出している作品がすごくよかった。
ポストカードあればよかったのに。

 

面白いなと思ったのは、下絵である絵画は当然平面なのですが、それをもとにしたアクセサリーや彫刻も全部平面だった。彫刻とか、粘土板を絵にそって切って重ねた程度にまっ平らだった。

「セファレ」f:id:minnagi:20180604174713j:image

これはガレで作られたというガラス彫刻。本当に厚いけれど平面。
普通絵画を立体化するときって「正面から見たらこの絵の通りだけれど、横から見たらどうなるんだろう?」って考えると思うんだけど、横から見たらまっ平ら。
本当に絵画を忠実に厚みを与えただけって発想普通わかないなぁと思った。

絵画の世界に三次元的視野を取り入れた人が、立体の世界に足を踏み入れたら二次元になるんだなぁというのが面白い。
他にもグラウコス(展覧会のみどころ)が人工と自然の境目で面白かった。

 

という感じに作品を見ているとタイトルやモチーフで、そして作品群の名前である「メタモルフォーシス」というのでわかると思いますが、全体のテーマはギリシャ神話です。「転身物語」がベースになってるんですね。
神や人から動物、植物への移り変わりを集めたオウィディウスの物語。
平面と立体とを揺らいだブラックが追い求めたものが見えてくるような気がする。

時間がない

美術館に行く時間が取れないので、ずいぶん前に撮った岡本太郎でごまかします。

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有楽町駅すぐの、数寄屋橋公園

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都内〜川崎には岡本太郎がいっぱいある。

古い写真引っ張り出してみようかな。

通りすがりの ストリートミュージアム 5/7

六本木から帰る途中、なんか展示やってた

www.tokyo-midtown.com

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館内ポスター

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このエノキみたいのないな?って思ったけど、もしかしてムートンみたいなやつと同じものなのかな。

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松本 千里「息吹の園」

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最近この人のあちこちにで見る気がする。布を伸縮性の後で細かく縫い、引き絞って形作るもの。どこまでが計算でどこからが偶然による形なのだろうか。

切れちゃってるけど、1枚目の写真生き物みたいでわりと良い。

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山根 英治「景色と大きさ」

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布に太い糸を貼り付けて?描いた人物像と植物の組み合わせ。わかりにくいけど、植物いくつか立ち上がってる。なんか面白いなと思った。

会期中に手を加えるそうだから、もう少し絵が変わってるかもね。

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他にもいくつかあったけど、「ああ、現代アートってこういう感じだよね」以上の感想はないので省略。

 

現代アートって作品そのものの美しさや面白さではなく、素材や制作過程、理屈と言った付属ストーリーとか鑑賞者に委ねる部分に比重置きがちだよね。でもそれだったらアート作品そのものに意味があんまないんじゃない?って思うから好きじゃない。

太宰ファン必見? フジフイルムスクエア 林 忠彦

順番前後するけど、フジフイルムスクエアの続き

fujifilmsquare.jp

撮影禁止なのでパンフより

林 忠彦「太宰 治 酒場ルパンで、銀座」

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この、有名な太宰治の写真のオリジナルが見れる。右側に坂口安吾の背中が映っていた。
なんかいい写真だなぁと思うし、他を撮影していたら駆け出しの太宰に「俺も撮れ」と言われて最後に一枚撮った写真、というエピソードも太宰らしくていい。

 

林 忠彦「日本劇場の屋上 銀座」

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すきま時間に肌を焼く女優だろうか。女優というほどでもない踊り子だろうか。
有楽町マリオンがあった場所だというけれど、どこを写したものだか今となってはわからない。

 

時代写真というのは芸術というほど作り込まれていないものが多く、ノスタルジー以上のものを感じることはあまりない。
そもそも写真自体、それほど好きなわけでもない。
この人もまだ粗削りで、記録写真的なところが強いと思う。
でも何かギュインと迫ってくる力強さが少しある。