人の金で美術館に行きたい

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。

にほんブログ村
にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ
Push
にほんブログ村 猫ブログ MIX黒猫へ
Push

シミュラクラ ルーブル美術館展 国立新 8/10

ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか|企画展|展覧会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO

www.ntv.co.jp

率直に言うと前半は美術的にはイマイチだ。

古代エジプトのミイラ用マスクとか、メソポタミアの小像とか、文化・歴史的にはとても興味深いけどアートとして面白いものではない。ギリシアの墓標として使用された肖像などは美しくはあるけどやはり大量生産の工業品だなぁという印象である。王様の肖像のついたメダル、とか言われても美術的には、ねぇ。
ルーブルミュージアムであって、特に「アート」ミュージアムとつかない限りは美術と博物の区別がないってのは知ってるんですよ。知ってるんですよ。
でもここは「国立新美術館」じゃないですか。「美術」。
美術品持ってきてくれ。

 

もう一個残念だなと思ったのは、割と有名な作品の「複製版」や「下書き」が多かったこと。
いや、いいんだよ、それ自体出来がいいし。自己複製とか本物と変わらないし。でもさ、「これはかの有名なあれ!の別バージョンです」って繰り返されるとテンション下がらない?私だけかな。
そっちのメジャーバージョンは持って来てくれないんで?オケチ様ですか?ってなっちゃうよ。

気を取り直してポストカード。

 ---

クロード・ラメ「戴冠式の正装のナポレオン1世

f:id:minnagi:20180814161231j:image

 

ナポレオンについては彼だけのコーナーがあり、肖像画や彫刻、デスマスクまであって楽しかった。
特にデスマスクは、死後マスクを作成した医者が複製を作って売りまくってたり、内政安定のためそれを容認していた国王自身が30個も所有していたりと逸話が面白い。
自身の政治的イメージを確立するため、特定の衣装やポーズで限られた者にしか肖像作成を許さなかったナポレオンは、それを見てどう思ったんだろうねぇ。愛されて嬉しいかなぁ。

この作品は硬直した表情やポーズがちょっと生気に欠けるけど、そういう制約があったなら仕方ないかもね。
技術的にはものすごいです。房飾りから刺繍からレースまで、圧倒的な細かさ。

---

 サンドロ・ボッティチェリと工房「赤い縁なし帽をかぶった若い男性の肖像」

f:id:minnagi:20180814161152j:image

前半の小さい古代工芸品(クオリティはそれなり)や小さいメダルなんかを混雑掻き分けながら見て、見づらいから人が群がってるだけで、がんばって見てもそれほどのもんでもねぇな!と疲労感を募らせていたエリアを抜けた後。パッと輝くような絵画が現れてこれは一体!とキャプション読んだらボッティチェリだった。美しい。

うん、右側の髪の毛書き直した跡があるし、顔と体の向きが微妙にあってなかったりするし、技量的には満点ではないと思う。でも、見た瞬間「めっちゃ輝いてる」って思ったんですよ。惹きつけられる何かがあるんですよ。

これこそが美術を美術たらしめるアウラってもんだろうなと思った。

まぁ、この辺の絵画コーナーから入り口の工芸コーナーの人口密度はなんだったんだってくらいゆったり観れるようになるんだけど。
美術展の混雑って、作品のクオリティより作品の小ささに影響されるよなぁ。物理的に見づらい作品が渋滞する。

---

エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン「エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像」

f:id:minnagi:20180814161226j:image

かわいい。可愛すぎる。んでセクシーがすぎる。
女流画家の作品なのですね。とても打ち解けた表情なのはそのためでしょうか。内輪で楽しむ用の、個人的な作品は表情が魅力的なものが多くて素敵です。服やクッションの質感もいい。

---

ジャン=フランソワ・ガルヌレ「画家の息子アンブロワーズ・ルイ・ガルヌレ」
f:id:minnagi:20180814161222j:image

かわいい…かわいいが過ぎる…少年も可愛いし猫も可愛いし、愛情持って描かれてる感じとかたまらなくかわいい。
本当に最高だと思う。技術的にどうというより、本当にモデルとの信頼関係とか、そういう滲みでているものがよい。

---

 彫刻はどれも良かった。

LP455 リシュリュー公爵ルイ・フランソワ・アルマン・デュ・プレシ
File:Richelieu Schiaffino Louvre LP455.jpg - Wikipedia

LP409 フランスのマルタ騎士団副総長アマドール・ド・ラ・ポルト
Réunion des Musées Nationaux-Grand Palais -

 布やレースの表現がそこまで!というくらいにリアルなのだけれど、皮膚と服との表現のリアルさ密度がずれている感じもする。

 

MAO2261 肖像画と絵画のアルバムhttp://www.amisdulouvre.fr/sites/default/files/fichiers/publication/bulletin_4_trimestre_2013.pdf

インド人が描いた各国の重要人物肖像画。イギリス王妃アン・オブ・デンマークが見れた。表現文法の違いが面白い。

 

展示の中で一番いいと思った。

RF3961 イギリス人の将校の肖像

D'Outre-Manche : Catalogue en ligne - L'art britannique dans les collections publiques françaises (1100-1940)

ドラマチックで、人間味あふれて、光り輝いていて、モデルの素朴な人柄がうかがえる。
最高にいい絵だった。

海外美術館は、公式でコレクションアーカイブがあったりして助かるね。

夏休みに行くべき美術展 巨匠たちのクレパス画展 損保ジャパン 8/8

損保ジャパン美術館に行ってきた。

美術館には宣伝のうまいところとうまくないところがあって、ここは正直アクセスと規模の割にヘッタクソである。あまり混まない。

けど今回の「巨匠たちのクレパス画展」はものすごくいい。夏休み向けだし、もっと話題になってほしい。そしてお子様がたくさんくるといい。

www.sjnk-museum.org

だって、クレパスだよ?日本発祥の、誰もが一度は使ったことがあるであろうあのサクラクレパス。それを使ったプロの絵が見れるなんて夏休みキッズ向けでなくてなんだというのだ。

というか、私が子供の頃、図工でクレパス使ってた頃に見たかった。「クレパスは厚塗りも可能で混色しても色が濁りません」なんて誰も教えてくれなかった。むしろ、色が混ざらないよう気をつけて塗り分けてた気がする。

グリが塗り重ねていい

定規で引っ掻いてもいい

輪郭線なんかなくていい

そんなこと図工の時間に教わったりしなかった。現役でクレパスに親しんでいる時にこれを見たら、どれだけ世界が広がることだろうか。

…てなこと思いながら見てたら幼稚園くらいの男児がいたんだけど、完全に飽きてたよね。興味1ミリもなさそうだったよね。まだ早いのかな。対象年齢狭いのかなー。

 

気を取り直して。今回あんまり良かったから図録を買ってしまったので写真いっぱいあるよ。

入り口フォトスポット。

岡本 太郎「鳥と太陽」

f:id:minnagi:20180810152124j:image

サングラスをかけたみたいな太陽の塔。不良だ。

岡本太郎は何をしても岡本太郎なのがすごい。油絵の迫力も好きだが、クレパスの伸びやかさもとても良い。

 ---

寺内 萬治郎「緑衣の婦人像」

f:id:minnagi:20180810152001j:image

これが!クレパス!!
それほど大きい絵じゃないんですよ。下にサイズ書いてあるけど、画用紙サイズ。それでこの存在感。プロすげえな!って感じ。
製作年不明とあるけれど大正~昭和初期のはず。まったく色あせていないのもすごい。めちゃくちゃきれいなモダンガールだ。

---

伊藤 悌三「老人」

f:id:minnagi:20180810151957j:image

これが!クレパス!!!
どう見たって油絵じゃないですか…マジかよ、すげーよ。
クレパス画というと手軽さが先に立って、デッサンや習作として使っている人が多いようですが、本気で描くとこうなるんだなぁって驚愕します。

---

池田 龍雄「パトロール

f:id:minnagi:20180810161404j:image

すげえすげえと言いつつ、クレパス画の良さが“まるでクレパスじゃないみたい”なところだってのもどうかしている。
クレパスは児童向けというイメージが付いているのでどうしても芸術として広まらない、という解説もあったが、画材イメージってあるよね。油絵は水彩画より格が上、みたいな。アクリル絵の具とか油絵と同じように扱えるのにどうしたって商品価値はぐっと下がる。画材としての能力よりも、イメージで値段が決められているようなところが多少なりともあると思う。
この絵はクレパスらしさを生かしたとてもよいものだと思う。薄塗りから厚塗りまで、くっきりとした線も複数色のぼかし込みも、書いた後で削り取るような技法も。画材の特色を大いに活用している。

絵画としてもとても素敵。ぱっと見ユーモラスでかわいらしくて、その実不穏なものがある。武者のような忍者のような異形の者が守るのは古城なのだろうかと想像が膨らむ。
---

伊藤 廉「鳩とベコニヤ」f:id:minnagi:20180810152019j:image

これもクレパスらしさを活かした絵。背景のグラデーションがとてもきれい。鳩の足の色とかこんな表現思いつかないなぁと思う。夢の中のような世界。

---

岡本 太郎「虫」
f:id:minnagi:20180810152014j:image太郎は太郎だ。抑えきれないエネルギーがほとばしるのに、クレパスというのはとても向いている画材ではないだろうか。調色や↓処理の手間もわずらわしく勢いよく描きあげられたような絵だ。

---

杉全 直「作品」
f:id:minnagi:20180810152009j:image

これこそ、クレパスでしか描けない絵だなぁと思う。勢いよく乱雑に叩きつけたようなステッチだけれどきちんと計算して重ねられたのだろう美しさがある。
こういうのって作れないなぁと思う。

 ---

吉原 治良「作品Ⅰ」
f:id:minnagi:20180810151949j:image

これも大正~昭和の画家だけれど、未来感がすごい。
レトロフューチャーの夜景のような美しさと疾走感があって好きだ。抽象画だから特になにを描いたものでもないのだろうけれど、だったら何に受け取ったっていいんだよね。
この人はJ-オイルミルズの御曹司で、社長業傍ら画塾を開いていたというからすごいなと思う。この時代の画家はマジですっごい人が多いのにあまり大きな展示とかされていないのもったいないなぁ。

---

藤岡 冷子「南の風が吹く頃」

f:id:minnagi:20180810152023j:image

この人は現代作家さん。

残念ながらこの絵は印刷向きじゃない。クレパスの白ってうまく印刷に乗らないみたい。本当はもっとふわふわした感じでグラスウールのような、輝くような画面なのにもったいないなぁと思う。

これに限らず、やはりクレパス画は実物を見るのがいいなと思うよ。塗り込めた色の力強さとか、盛り上がったタッチとか、そういう印刷では消し飛んでしまうところに良さがつまっている。

ちょっと安めだし、ぜひ見に行くといいと思う。
大阪の人はサクラアートミュージアムに行くとよい。

www.craypas.com

サクラクレパスは画材を提供して様々な画家に絵を描いてもらっているらしいのだ。なんだよそれめっちゃ見たいよ。いつか大阪行ったら寄ってやるんだからな。

無理です GINZA SIX

こう暑いと美術館とか行けないですよマジ…

というわけで、GINZA SIXにあったの見てなよ

f:id:minnagi:20180730154112j:image

船井 美佐 「楽園/境界/肖像画
f:id:minnagi:20180730154108j:image

タイトルが面白いよね。
鳥が舞い歌う極楽の様子だから「楽園」
楕円の風景から鳥が飛びだすから「境界」
鏡面で自分が写り込むから「肖像画
なのかなぁと想像します。

 

玄関とかにあったらうれしいなぁって言ったら京都人になんで玄関?って言われたけど。
居間とか寝室にあっても、ずーっと自分が写り込んでたら落ち着かないじゃん。
すれ違いざまにすっと見ていやされるくらいがちょうどいい距離感かなぁって思う。

この人は前損保ジャパンでも見たなって

minnagi.hatenablog.com

9月まではアップアップかもしれません。
色々やってはいるのだけれどね~

ぐるぐる回る エッシャー展 7/9

上野の森美術館エッシャーを見に行ったよ。

www.escher.jp

エッシャーは19世紀オランダの版画家。特に語ることもないほどに有名だよね。
科学が発達していく時代、数学に興味をもった彼がその新しい魔術に夢中になって作品を作っていく様はとても魅力的だ。

混んでるって噂だから月曜に行ったのだけど、やっぱ結構混んでた。エッシャー人気だもんねぇ、と思いつつ上野の森はいっつも行列だよなーとも思う。企画力だろうか。宣伝がうまいのだろうか。

 

内部はもちろん撮影禁止(最近撮影可能なのが多かったせいか、ベタベタ禁止マークが貼られてた)だけど、外の巨大ポスターに割と作品がプリントされてた。
グッズを買うときの参考に見るのも良いし、ネタバレ防止のために敢えて見ないのもアリ。
チケット売り場も面白かった。

f:id:minnagi:20180718152058j:image

今回は騙し絵作家としてのエッシャー正則分割としてのエッシャー、そしてそれらを取り入れる前の若き版画家エッシャーと、様々な側面が見れた。
しいて言うならば、「変容」が主題だろうか。徐々に姿を変えてゆくもの、という観点から集められたものが多いように思った。

各作品の横に何歳の時に描いた絵か、というのが書かれていて面白いけど年代別に並んでるわけでもなくガラリと作風が変わるって感じでもないのでフーンくらいな感想。

ポストカードはオリジナルはないみたいで、輸入物だけ。展示作品のがあるから特に問題なし。

 

「循環」

f:id:minnagi:20180712165417j:image

飛び出して逃げてくる男が階段を降りるうちに実体を失って記号化し、建物の一部へと変容する。ああ、彼は罠にはまったのだなぁと恐ろしい思いになる。

 

「でんぐりでんぐり」

f:id:minnagi:20180712165427j:image

原語題は「Curl-up」
エッシャーの産み出す生物はどれもユーモラスでかわいらしい。
「でんぐりでんぐり」という和訳も、ドリトル先生の「pushmi-pullyu」が「おしつおされつ」と和訳されたみたいなうまいこと言った感がある。
でもこれ、最初はゆっくりのそのそ歩いてきた奴が丸まったら超高速でこちらを轢き殺しにかかってくる奴だと思う。

 

階段の家

f:id:minnagi:20180712165437j:image

でんぐりでんぐりが占拠した家。だまし絵と謎生物の組み合わせ。かわいい。けどこの家にはすめない。
トップクラスでエッシャーらしい絵で好き。

 

 

「三つの世界」

f:id:minnagi:20180712165446j:image

こういう、あんまエッシャーらしくない「普通の」作品も結構あった。
水面、水への地上の写り込み、水中という三重世界。モネの睡蓮を彷彿とさせるね。
非常に美しく、また技術力の高い作品。

 

こういう、「普通」の作品が結構あった。聖書を題材にしたシリーズとか好き。 
「生命力」というタイトルの俯くひまわりを描いたものも、生命と言いつつ太陽に向かって咲くのではなく地を見つめながらもどぎつくヒリつくような感じが好きだ。

初期作品では「椅子に座っている自画像」という22歳の時の作品が、まだ自分のスタイルを確立していないものの芸術家としての強い自負があるようでよい。

「空中の城」というラピュタを亀に乗った少年が見つめている作品も不思議な魅力がある。

「扁形生物」のプラナリアみたいなの、かわいいよね。

昔横浜のそごう美術館で見たメタモルフォーゼⅡも来ていた。2016年以来。やはり良い。

右から左に受け流せない話 by みなぎ | エッセイ投稿サービスShortNote(ショートノート)

 

公式サイト、結構作品見れていいよ。

ミラクル エッシャー展 公式ホームページ | 見どころやチケット情報など

月曜にあいている美術館

タイトルどおりです。

仕事の関係で土曜出勤して月曜休みというのが月イチで発生します。平日休みだから遊ぼうとしても急にはなにも思いつかず、付き合ってくれる友人もおらず。


美術館は公営のものが多いので、そうすると休みは月曜日に固まりがち。
なのになぜか、私営のものも月曜休みが多かったりします。
資生堂ギャラリーとか、月曜休みどころか資生堂のレストラン自体休みだからね。くそぅ。
というわけで、個人的なメモです。

でも基本的に年末年始は当然どこも休みだし、展示換えの時期は開いてないので要注意だ!こないだえっちらおっちら歩いて行ったら展示換えだった!くそ!!

 

柿傳ギャラリー 会期中無休

イベントカレンダー | 柿傳ギャラリー

 

上野の森美術館 会期中無休

上野の森美術館 - 展示のご案内

 

国立新美術館 火曜定休

開館時間/お問い合わせ先|ご利用案内|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO

 

中村屋サロン美術館 火曜定休

ご利用案内│中村屋サロン美術館

 

パナソニック汐留ミュージアム 水曜定休

ご利用案内 | 汐留ミュージアム | Panasonic

 

サントリー美術館 火曜定休

基本情報 美術館のご案内 サントリー美術館

 

東洋文庫ミュージアム 火曜定休

ご利用案内 - 東洋文庫ミュージアム INFO

 

森美術館東京シティビュー/森アーツセンターギャラリー 会期中無休

来館のご案内 | 六本木ヒルズ ミュージアム・展望台 - ROPPONGI HILLS MUSEUM / OBSERVATORY

 

リクシルギャラリー 水曜定休

展覧会/イベント | LIXIL文化活動 - LIVING CULTURE


ギンザ・グラフィック・ギャラリー(GGG) 日曜・祝日休館

スケジュール

 

今まで行ったところだけ、順不同。
GGGは日曜休みって割とトラップ。銀座は日曜休みの店多いね。

このタイミングはきつい。 半開花の庭 佐藤浩一 7/6

資生堂ギャラリーに行ったらちょうど「佐藤浩一展Crepuscular Gardens 半開花の庭」の初日だった。
初日だったから、関係者の人がごちゃごちゃいるわ展示に関係ない備品のテーブル位置をああだこうだ言いながら動かしたりしていて、正直落ち着いて見れなかった。

準備ができてないなら開場遅らせるとかしてくれよとか思わなくもない。

www.shiseidogroup.jp

 

会場に入ると暗くて、え?また怖い系なの?って思った。こもったような甘いにおいが立ち込めているのもインスタレーションの一部らしい。なんの匂いなのかな。イチジクかな。

 

佐藤 浩一「Ficus Brutalia」

f:id:minnagi:20180707161926j:image

クリアボックスの中に閉じ込められたイチジクの彫刻。箱の中に滴が結露している。
f:id:minnagi:20180707161918j:image

かと思いきや、横から見るとクリアに見えるから結露もそういう表現なんだね。

資料「Crepuscular Gardensのための収集物」
f:id:minnagi:20180707161929j:image

アダムとイブのよく見る絵ですね。ビニールに転写され、これもじっとり濡れている。
何となく展示の方向性がわかってくる。

ぼんやり見てたらクラナッハっぽくね?と思ってググったらでできた

ルーカス・クラナッハ「Adam and Eve in paradise」1533年

Adam and Eve in paradise - Wikidata

私もだいぶ絵画を見慣れてきたものだ。

 

「TestFarm」
f:id:minnagi:20180707161922j:image

写真に写りません!
すりガラスのボックスの中に閉じ込められた植物。警備員の懐中電灯のように、くるくるとあたりを切り裂くライト。

タイトルからしても、ここは実験農場なのでしょう。他者を寄せ付けぬように厳しく見張られているのでしょう。


f:id:minnagi:20180707161934j:image

植物の遺伝子組み換え実験室の映像がひたすら流れている。

 

全体として、これだけ?って思った。

いや、普段の資生堂ギャラリーってこんなもんなのよ、ボリューム。作品がいっぱい飾ってあるというより、空間を大胆に使ったインスタレーション的な作品の方が展示傾向としてはメインなのよ。

でもさ、これって「第12回 shiseido art egg」の3部構成の展示の2回目でしょ?前回がアレあなたの悪夢 冨安由真展 資生堂ギャラリー 6/23 - 人の金で美術館に行きたいでしょ?最終日は2時間待ちの大行列ができた、めちゃくちゃ展示品の多かった展示でしょ?

それとどうしたって比べちゃうよね…

あと、暗い。単純に暗すぎる。受付でもらうパンフが全く読めない。まぁこれは初日だから調整不足なのかもだけど。

 

面白いなぁとは思った。匂いを展示するってのもいいし、実験農場という緊張感のある展示も良かった。

ただ、タイミングが悪いなぁかわいそうにって思う。正直なところね。

ピッカピカの世界 プーシキン美術館展 7/6

有給とったら用事が早く終わったので、そうしたらもう終了間近だった美術展に行くしかないよね。

pushkin2018.jp

東京はもうおしまい。ちょっとしたら大阪でやるって。
ていうか、東京から大阪まで絵を運んでセットして照明とか調整して…ってのに2週間もないのか。ハードスケジュールだ。

 

プーシキン美術館は名前の通りロシアの美術館なのだが、今回の展示は印象派前後のフランス風景画の展示になる。
なんか、なんかわかる。
クソ寒く白く暗くつらいロシアの風土からすれば、光り輝くフランスの風景は魅力的に違いないよ。

 

ギュスターヴ・クールベ「山の小屋」

f:id:minnagi:20180707161811j:image

ヨーロッパ人は山が好き(偏見)
このプリントだと全然魅力が伝わらないのですが、実物はすっごいテラテラぬるぬるしている。線がかっちりして、絵の具が厚く平らに敷き詰められ、エナメルで切り絵をしたみたいにツヤツヤの層が重なっていて面白かった。

 

アルマン・ギヨマン「廃墟のある風景」

f:id:minnagi:20180707161801j:image

見たとき正直「何じゃこの色づかいは」って思ったよね。
山なのにめっちゃピンク。紅葉なのかなぁ、紫がかったピンク色がとってもフリーダム。
何だろうなぁと解説を読んだら、

働きながら絵を描いていたが宝くじで大金を当て職に縛られなくなった

なるほど、人の評価を気にせず好き勝手に描けるとこうなるのね。
宝くじいいなぁ。絵自体も勢いと妙な熱量があっていいです。

 

アンリ・ルソー「馬を襲うジャガーf:id:minnagi:20180707161806j:imageへたうま…いや、正直下手なのでは…「馬を襲うジャガー」だけど、馬が毛皮を加えて走っているようにしか見えない。
専門的な絵の教育を受けていないルソーは独学でこのような絵を描いたそうだけれど、だいぶ狂気強いなと思う。自分は当然画家になるのだという強迫観念のような狂気。
リアリティはないし、動物似てないし、影が無くそれぞれの対象が干渉せず独立して存在している、まるで舞台の書き割りのような世界。
なのになぜこれが傑作とされるのか。
芸術と芸術じゃないものを分ける差とは。何なのか。
それは絵から伝わる圧力かもしれないなぁと思う。ルソーなら眠るジプシー女とか好きです。

 

アルベール・マルケ「冬のパリ、サン=ミシェル橋の眺め」

f:id:minnagi:20180707170958j:image

大正時代の日本洋画のような絵。
対象をひたすらシンプルに描き出すことを目標にしているけれど、この人敢えてざっくり描いてるだけで本当は写実絵画うまいんだろうなぁと思わせるものがある。橋げたの中央部分の水面とか。めっちゃそこだけリアル。
ナチュラルボーン・ヘタウマのルソーと違って、こっちは養殖ビジネスへたうまだなって。
でもすき。

 

フランソワ・ブーシェ「農場」

f:id:minnagi:20180707161756j:image

粒ぞろいの今回展示作品の中でも2つ特に目を弾く作品があって、そのうちの一つがこちら。
ロココ時代の作品をいくつか見た後に現れるこの絵は本当に光り輝いている。
ブーシェ先生、さすがです。
甘やかな恋愛模様を中心としたロココ趣味は控えめに、でも情緒感たっぷりに描かれた建物と農民の生活。理想的絵画だなぁと思う。

 

クロード・モネ「白い睡蓮」
f:id:minnagi:20180707161814j:image

もう一個群を抜いて輝いていたのはモネ。
この絵は睡蓮を描き始めて初期の作品だそうで、なるほど睡蓮も木々も橋も水面への写り込みも、全てを描きだそうと緻密に描かれている。(後期になると緩急を付けた絵になる)
色遣いとかパースとかいろいろ見るべき点はあるけれど、圧倒的な輝きって言うのがこれにはある。

 

他にも

ウジェーヌ・ルイ・ガブリエル・イザベイの「ムーア式の入り口」

エドゥアール=レオン・コルテスの「夜のパリ」
とかが好きです。画像検索するとよい。

あと広告でVRみたいだと評判の絵画、ルイジ・ロワール(1845~1916)の「パリ環状鉄道の煙(パリ郊外)」

www.asahi.com

確かにそうかもなぁと思った。
まず、遠近感、パースのとり方がうまい。そして絵のサイズが大きいので、実物大ではないのだけれど「ちょっと離れたところにあるもの」の本当に見えるサイズくらいに描かれている。美術館の「この線から外で見てね」ラインから見た時にちょうどいい大きさ。汽車の煙を大胆に配置することも、画面をいい感じに見え隠れさせてリアリティが上がっているのだと思う。
面白いなぁと思ったけどポストカードとかなかった。

 

今回はポストカードじゃなくて、主要作品をあしらったクリアファイルを買いました。
小さいから画像も粗いのさ。

f:id:minnagi:20180707171123j:image

かさばらないし比較的お得だし、全美術展でこれやって欲しい。
ちょっと高くていいから、解説もいらないから、全作品載ってるグッツが出たら嬉しいんだけどなぁ。