ポーラミュージアムアネックスに野口哲哉の「this is not a samurai」を見に行ってきました。
野口哲哉さんは現代の芸術家です。Twitterで話題になった猫侍、「着甲武人猫散歩逍遥図」の人といえば思い出す人も多いかもしれない
リアル猫侍とネット騒然の「よろいを着た猫を散歩させる猫耳の武士」、実は現代アートだった なぜ生まれたのか作者に聞いた - ねとらぼ
今回の展示はそれぞれの作品に作者による解説がついていたりするのですが、それはまあいった人の特典だろなということで紹介なし。
最近そういうのも考えてしまうよ。
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Talking Head
ラノベファンタジーみたいな作品。魂の宿った口煩い兜に導かれて戦場で出世していく若侍(ラッキースケベあり)みたいな。
強い感情の表情豊かな兜と、ぼんやりと腑抜けた青年の落差が面白いです。
とあうか、入ってすぐ一番入り口に近い作品がこれなので「なにこれめっちゃ上手くない??!!」ってビビるマジで。
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BIAS
恐ろしいほど立派な兜を被った侍が、何かに怯えるようにうずくまる。巨大すぎる兜の角は侍に向かって突き刺すようでもあり、なにかを唆しているようでもあり。両側から攻め立てらられて身動きが取れなくなってしまったかのようだ。
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Clumsy heart
不器用なハート、という題。侍が口紅で落書きしてるなんてまるでバンクシーだ。
職業戦士とハートなんてミスマッチなはずだけれども妙にしっくり来ているのはユーモラスなしぐさのせいだろうか。
どれも、いわゆる”侍”とは程遠い人物像ばかりだ。展示タイトルのごとく、「これは侍ではない」。侍はこんなことしない。
ただの普通の、なんなら普通よりもっとしょうもない器の小さい人たちの姿だ。
だからこそ圧倒的なリアリティー、存在感をもっている。リアルな人形というよりも小さな人間としか認識できない。ものすごく奇妙な空間だ。
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THE MET
この作品がすごくすき。メトロポリタン美術館でお土産物を爆買いした侍。
いや、おまえ展示される側じゃないんかい!と。
頬当で表情が見えないところ、ちょっと振り向いた猫背、全部がすごくいい。
五月人形としてほしいなぁ。
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めちゃくちゃいい展示でした。これが無料なんてお得にもほどがある。
もうすぐ終わってしまうから、絶対見に行くべきだよ。