人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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【粗筋】粘膜人間

書籍データ

  • タイトル:粘膜人間
  • 作者:飴村 行
  • お勧め度:80点

主要登場人物

  • 利一 長兄
  • 祐二 次兄
  • 雷太 利一、祐二の義理の弟。195㎝、105㎏の小学生
  • ベカやん 元兵士
  • モモ太 カッパの長男
  • ジッ太、ズッ太 カッパの弟
  • 清美 「非国民」の妹

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↓粗筋開始(白文字)↓

父親の後妻の連れ子としてやって来た雷太はまだ小学生だが非常に力が強く乱暴だった。母親が雷太や夫を捨てて駆け落ちして以来その性格はさらに荒くなり、家族を蹂躙するようになった雷太を、義理の兄利一と祐二は殺そうとする。流れ者の元兵士ベガやんにカッパのモモ太達を紹介された二人は、雷太を殺す代わりに女を差し出せとモモタに要求される。二人は兄が兵役を逃れて女と駆け落ちした非国民であると村八分にされている少女清美を紹介することを約束する。
殺害計画の日、モモタは約束を破って清美のところに行ってしまう。代わりにやってきた弟なジッ太とズッ太が誘き出された雷太を殺そうとするが、返り討ちにあった二人とも死んでしまう。騙されて殺されるところだと知って怒る雷太は利一と祐二を殺そうとするが、祐二はなんとか斧で雷太を倒すことに成功する。
死亡した雷太とジッ太ズッ太の死骸は古井戸の中に放り込まれる。モモタにどう説明するか悩んでいると清美のところから憲兵に追われて逃げてきたモモタは、利一らに構うことなく森へと逃げていく。

 

非国民の妹清美は、精神を破壊されていた。憲兵達は清美の兄には何か秘密があると睨み、清美を拷問する。口を割らない彼女に憲兵は非常にリアルな死の幻覚を見せる精神毒を注射する。毒の幻覚の中で、非常にグロテスクで残虐な死を迎える清美。それでも口を割らない清美に対し、憲兵は精神破壊の可能性を知りながらもう一度精神毒を注射する。再び自分が死ぬリアルな悪夢を見た清美は、毒の効果が覚めた時自分が記憶と感情を失ったことに気づく。
これ以上の尋問は無意味だと家に返された清美は、兄が戻ってきたら憲兵に伝えるようにと命令される。ぼんやりと生きる彼女のところに、祐二がやってくる。彼に暴行された清美は、その嫌悪感から失った記憶と感情を取り戻し、祐二を射殺する。祐二の死体を処分しながら詳細な記憶を取り戻す清美。彼女は兄と肉体関係があったのだ。清美は兄を愛していたが、兄は妹に恋愛感情を持ってはいなかった。別の女と結婚し、清美を捨てて家を出ようとした兄が許せず、許嫁の女とともに清美が殺して防空壕に死体を遺棄していたのだ。異変に気付き、憲兵達が駆けつけてくる…

 

井戸に投げ込まれた雷太だが、重傷を負ってはいたがまだ生きていた。後のジッ太ズッ太を探しに来たモモタはそれに気付き、雷太を井戸から引き上げる。弟の血の匂いがする雷太が何かを知っているのではと疑うモモ太だが、雷太は瀕死の重傷を負って脳の一部を失った為自分の名前すら思い出せない。森の精霊キチタロウに相談すると、村の子供の脳を欠けた脳に補えば記憶が戻るという。憲兵が怖くて村に行くことを渋るモモ太にキチタロウはベガやんから銃を奪えという。
毒猫という生き物から毒を取り出してベガやんを殺そうとするが、気づかれて失敗するが、雷太の機転でベガやんを殺して銃を手に入れる。気が大きくなったモモ太は清美のところに行くが、清美は見つからず憲兵と鉢合わせする。憲兵と戦い勝利するモモ太。村を彷徨ううちに祐二の葬式に行きあう。そこで押し問答のうち利一を殺して首を持ち帰る。
キチタロウに利一の脳を足してもらい、雷太は記憶を取り戻す。そしてモモ太も弟達の死体を見つけ、雷太が弟を殺したことに気づく。二人の友情は終了し、お互いを殺そうと戦い始める。

↑粗筋終了(白文字)↑