デザインのデパート 東京TDC賞2019 GGG 4/8
GGGだよ。
今回はコンペの受賞作を展示とかでバラエティが豊かでよかった。作家本人が描いたコメントの載ったパンフもくれてお得な感じ。
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伊東友子+時里充「めくる映像」
インスタレーション作品。
ほんの左ページに「このページをどうめくるべきか」という指示がある。
例えば、「右上を持ってめくる」とか。そうしてめくった裏、右ページには「右上を持ってめくりました」とある。
指示とその結果を延々写しだす作品。単純だけど面白い。
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萱沼 大喜 「無題」
読めない。読めないようでいてちょっとだけ読めて、やっぱり読めない。
「形の個展」とあるね。どぎつくて毒々しくて、自分が見ているものが正しいのかちょっと不安になる。きさらぎ駅みたいな作品。
言ってしまえば未完成である。ポスターには情報伝達の機能があるから、読めなくてはその機能をなさない。だがこのポスターはその伝達を放棄したのだ。たとえば蛹が蝶になる瞬間の標本だ。それは決して綺麗ではない、或いは鮮烈なイメージを見たものに抱かせるのだ。
おもしろーい。
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岩井 悠 「ひです」
キリシタン版「ひですの経」の古活字をデジタルフォントとして復刻したもの。
縦書きを前提に、続け字に対応したフォント。
面白いしよくできたなぁって思うけど、これを江戸時代には木版で作成していたんだよね。それもまたすごいことだな。
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太刀川 英輔 「無題」
東洋のサクラダファミリア、横浜駅じゃん。
サクラダファミリアの方が完成のめどが立ったから、工事期間がついに世界一になりそうな横浜駅じゃん。こんなことになってたんだね。
面積のためにあらゆることへ謝らせる不寛容な時代へのアンチテーゼ。
あ、アンチテーゼなんだ…普通に掲示かと思った。
しかし一番下みたいに正面から見ると全くなんにも読むことができなくて、いっそ傲岸不遜な感じがしてくるから面白い。「はーいはいはい、どうもすいませんっしたねwww」って感じ。
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Theseus Chan「BETON BRUT」
非常に濃いインクを使って幾層ものページを印刷する実験。
両側を結び、本を痛めることなく640頁を印刷することは不可能である。こうしてほんとは何かを問う
とある。
640頁分の文章がここに記されているみたいな書きぶりだけど、どうなんだろうねぇ。近くで見てもフラットでよくわからない。まぁうっすらフォントが見えなくもない、かな?
打ち剥がしのコンクリのような相手を突き放す力強さがある。
他にもポスターとかインスタレーションとかたくさんあって面白かった。PCが2台あって、一台に「あなたのなまえは?」と何かを入力させるソフトが起動されていたんだけど、マウスが全く反応しなくて詳細不明だった。あれ、なんだったんだろうな。