あんま写実じゃなかった 近代の写実展 1/2
1/2に都美に行って、同時開催の近代の写実展を見てきた。一部のみ撮影可能だった。
数も少ないしあまり好きなタイプではなくて、さらりと見た感じ。
河野 通勢 「叢」
ピンボケすぎて悲しいけど、これはかなりリアルな写実だった。
河野 通勢 「花の図」
クラシカルな絵画って雰囲気。
写生なのだからどの時代に描いても同じ仕上がりになりそうだけど、だいたい雰囲気でこの辺?てわかるの面白いね。
河野 通勢 「自画像3(右半面:槍投げ練習)」
右半面が面白いね。ミケランジェロとか思い出す。
一枚目とかは割と写実なんだけど、こっちはだいぶリアリティ絵画ではないなと思った。花の図とか割とポテポテした画風だし他のはもっとざっくりしてた。ポスターの朝顔の花とかね。
現代の写実展に合わせて具象画集めたのかなぁって感じだけど、やっぱ写実ではないだろこれはって気持ちの方が強かった。
タイトルに偽りありだと内容以外の点で不満が溜まるからやめて欲しいな。
ほんとに写実? 現代の写実―映像を超えて 1/2
1/2に東京都美術館に行ってきた。
お目当ては「現代の写実―映像を超えて」で、ついでにゴッホも見ようかと思ったんだけれどもチケットカウンターが大行列だったのでやめた。最近ゴッホはあんまりぐっと来ない。
基本的にここのサブ展示は写真が撮れることが多いからカメラを持っていくことをお勧めするけれど、ここで写真撮ってると割と係員からクレーム来がち。もちろんちゃんと掲示ルールには従ってるんだけど。
基本的に携帯の無音カメラアプリくらいしか許容されない感じあるねぇ、どこも。
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小森隼人 待宵
これはリアル。
陶器の青が滲む様がすごいなぁと思うも、古い本などの表現はリアルを超えてどぎついほどです。
今回は解説が面白くて、写真ではなく絵画である良さ、例えば同一画面でも光源を者によって自由に変更するさまなどが説明されています。
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小森隼人 中紅花
こっちの方が好きだなぁ。花弁のふんわりと発光する様が好きです。
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橋本大輔 FAC3016
かなり大きい作品です。162cm×194cmの巨大な画面いっぱいに描かれた廃工場。
表面が一部ざらざらとして飛び出してくるよう。
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塩谷 亮 静刻
これ、去年文化村で見た気がする。静謐な感じがしていいですね。
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小野田尚之 発電所跡
この人はすごく好きだなぁ。とても大きな日本画、紙本彩色の作品です。
この緑色がとてもいいと思うし、西洋画のぬらぬらとした感じとは違って日本画の粉を吹くような乾いた表現が苔むしたようで作品の雰囲気にとても合っています。
リアル感、幻想的な感じ、それでいてどこか突き放した他人事のような非現実感がいいバランスだと思います。
新しい日本画ではあるけれど、日本画でしか成立しない画面でもある。
自宅の広い吹き抜けにこういう絵があったらいいなぁと思うのですが、これを鑑賞できるサイズの吹き抜けってどんなだろうな。
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岩田壮平 こい
こちらも日本画。この群青とかは岩絵の具でしか出ないなぁと思います。
蜷川実花さんの世界のような極彩色の世界。旅館のロビーとかに置いたらとても映えるでしょうが、小さめの作品でも自室に置くには濃いなという感じ(鯉だけに)
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下の階はこんな感じ。他にもいろいろあるのは公式サイトで。
左側の作品とかフライング・ブレインすげえな!って感じで、どこが写実なんだろうと思う。
どの作品も抽象ではない。具象だ。でも、具象だからと言って写実ではないんじゃないかなぁ。
例えばどんなにふんわり描かれていてもモネは写実だし、ゴッホにとって世界はああ見えていたのだからゴッホは写実だ。
でもいくらリアルでもマグリットは写実ではないでしょう。
関東で写実といえばホキだなぁとホキ美術館の写実についてのコラムを読んでみたりする。
見た通りに描かなければ写実ではないのか。ならば自由に光源や対象のサイズを変えること、組み合わせることも禁止なのか。あるいは少し花の彩度をあげて描くことすら認められないのか。いや、だからと言って空飛ぶ脳みそはどうなんだ。そこまでいくともう具象であるかすらあやしくなってくるじゃないか。
ってことを考えてしまったからいまいち乗りきれなかった。写実日本画は結構好きなんだけどね。
目録保管法
2日から美術展に行って来たけど、上野公園がかなり混んでいてびっくりした。できればいくつか回っちゃおうかな〜と思っていたのだが、目当てのものだけ見て退散した、のは明日書けたらいいな。
と言うわけで今日は美術展でもらえるあれやこれやの話。
美術展に行くと目録がもらえるし、うまくすればジュニアガイドとかも配ってる(フルカラーで出来が良い)し、帰りには次の展示のチラシをいくつかキープするし、当然ポストカードの数枚も買ったりする。
こういう大量の紙ものをどうやって保管するか。
多分普通はクリアファイルとかにきっちり整理するのでしょう。けど、めんどくさいしかさばるし、落っことしたりしたら投入口から全部溢れて大変なことになるじゃないですか(やらかしたことある)
ハガキも、年賀状用ファイルとかも売ってますけどそれじゃ輸入カードが入らないんだよねぇ。
なので私はこういうファスナーケースとタッパーに放り込んでいます。
素材が硬いので折れないし、ファスナーだから縦横好きに置けるし、数年分入る。
けれど、ついにもう入らなくなったので、今年から新調しようとケースを買って来ました。今年のタッパーはこれ。前回は一回り大きい奴だったけど、あまり大きいと中で泳いじゃって痛むしね。
何年で溢れるかなーと楽しみに、とりあえず今年からは「目録には行った日付をメモする」ことを頑張ろうと思います。意外と忘れがちだなと2017年をまとめていて思いました。
去年までのファイルはこちら。見覚えあるの、あるかな?
2017年73美術展のまとめ
2017年も最後なので、今年行った美術展の話を。
1.クラーナハ展―500年後の誘惑
2.あなたに続く森
3.ティツィアーノとヴェネツィア派展
4.都美セレクション新鋭美術家展
5.オルセーのナビ派展
6.ミュシャ
7.光と動きの「ポエティクス/ストラクチャー」
8.富士美の西洋絵画
9.シャセリオー
10.エルミタージュ
11.ファッションとアート 麗しき東西交流
12.ランス美術館展
13.椿会2017 初心
14.南極建築展
15.戸田浩二展 -聖水―
16.U-35 Young Architect Japan.
17.シリアルキラー展 1
18.ロマン・チェシレヴィチ 鏡像への狂気
19.ソール・ライター
20.塩谷亮展
21.國學院博物館
22.戸栗美術館
23.FEEL THE Mucha HEART ~民衆のための芸術(デザイン)とチェコへの愛~
24.ジャコメッティ
25.バベルの塔
26.日本建築写真家協会「光と空間」建築の美Part12
27.ゼラチンシルバーセッション「GSS Photo Award」受賞者展
28.池田 瓢阿・泰輔 竹芸新作展
29.中村屋美術館
30.西野陽一/朝日焼十六世 松林豊斎
31.レオナルド×ミケランジェロ
32.三菱商事アート・ゲート・プログラム
33.明治生命館
34.ロマン・エルキレティアンとシャルル・ムンカ
35.比翼の会
36.織田達也
37.名古屋剛志
38.岡野 友敬
39.セルゲイ・ポルーニン写真展
40.金沢現在工芸展
41.東京藝術大学創立130周年記念特別展
42.ベルギー奇想の系譜、ボス
43.明大博物館
44.増田セバスチャン
45.菅亮平展
46.文化庁新進芸術家海外研修制度50周年記念展
47.気鋭作家9人、魅惑の絵画展
48.treasure hunting -宝物を探しに-
49.佐々木達郎 漆芸展
50.ボストン美術館の至宝展
51.うるしのかたち展
52.フィリップ・アペロワ展
53.六星の会
54.文化庁メディア芸術祭 オペラシティ
55.驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ
56.怖い絵
57.表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち
58.資生堂ギャラリー
59.遥かなるルネサンス展 天正遣欧少年使節がたどったイタリア
60.ルノワール展
61.組版造形 白井敬尚
62.オットー・ネーベル
63.笹尾光彦展
64.安藤忠雄
65.シャガールの彫刻
66.ロートレック
67.アンセル・アダムス
68.韓国の抽象
69.難波田龍起
70.三瓶玲奈
71.モリソン文庫
72.シュルレアリスムの美術と写真
73.EUGENE展
はい、73個になりました。
デパートの画廊コーナーで何かのついでにさらっと2つくらい見た、的なのも入っているけれど73個。今年は引っ越しで忙しくて全然行けなかったなぁと思っていたけど、意外と行っていました。
すごいといえばすごいけれど、もっと行っている人は行っているんだろうなという感じ。
感想はこっちから辿れます。しかし日付とか適当すぎて、もう少しちゃんと記録つけたいね。
大英自然史博物館に行けなかったのが心残りです…呪われたアメジスト、見たかったなぁ。シリアルキラー展の2は総括するまで気持ちよく忘れていました。1を見て満足したようです。まぁいいか別にって感じ。
上のサイトにも書いたけど、印象に残ったのはこんな感じ。
そろそろ美術雑誌買って来年の目星をつけないとねぇ。
コレクションは病 東方見聞録-モリソン文庫の至宝
ネットのお知り合いにチケットをいただいて、東洋文庫ミュージアムに行ってきた。
三菱財閥の岩崎家が誇る東洋文化研究のためのコレクションです。
その前に六義園に行ってきたんだけど、そこもアホほど広かった。真面目に一周するのに1時間じゃ足りない感じだ。
もちろん旧岩崎邸も岩崎家の持ち物だし、殿ヶ谷戸庭園も清澄庭園も静嘉堂文庫も、とにかくアホほどの資産を持っている一族だ。
戦前の金持ちは規模が違うね。
というわけで、写真撮影可能な博物館ですねここは。
1階では100年前の本コレクションがやってました。
ラストエンペラー!!
めちゃくちゃかっこいい。
ジョージ・アーネスト・モリソンはオーストラリア生まれの新聞記者、政治家です。
若い頃医者を目指し、書籍コレクターとしても知られ、旅先で中国(国名が不安定な時期なので、これで統一)に魅了されて政治顧問として雇われたりもしています。
アヘン戦争、日清戦争、世界大戦と不安定な時代。彼は大好きな中国を守るために政治ジャーナリストとして活躍することになります。
そんな彼が日清戦争後、新興国日本の成金に自分のコレクションを売り渡すことになった時は辛かったんじゃないかなぁ。
色々と時代背景に想いを馳せてしまいます。
展示としては面白いけど表紙とか見開きしか見えないし、もちろん見えても読めないし、内容が気になって仕方ないです。
これが何かっていうと、全部タイトルである東方見聞録の異本だそうだ。
わかる。全部集めたくなるのわかる。私も不思議の国のアリスを10冊とか持ってた時期あるわー。微妙に訳が違ったりするのが面白いんだよねー。
なんか教科書で見た絵が飾られてたりする。
ヒマラヤ山脈の鳥類 ジョン・グールド
リトグラフに手彩色だそうです。これ、構造色が本当に美しく表現されている。
中国・日本・朝鮮の鳥類 ジョン・ヘンリー・リーチ
アゲハチョウ!
インド・中国・マカオの風景 ジョージ・チネリー
さらりと描かれた郷愁あふれる風景。
こう行った景色にモリソンは惹かれ、命をかけて守ろうとしたのでしょうね。
今の平穏な時代からは想像できないものが、かつてはあったのでしょう。
冒険が、未踏の地が未明の知識が存在していた時代、憧れます。
屁理屈なんか聞きたくない EUGENE展
最終日滑り込みでEUGENE展を見てきた。
過去の展覧会 | SHISEIDO GALLERY | 資生堂グループ企業情報サイト
Beyond good and evil,
make way toward the waste land.
善悪の荒野
評判は良かったんだけど、笑っちゃうくらいの厨二。こだわって無駄にスケールの大きい厨二。
展示スペースと合ってないというか、どっからどう見て欲しいのか難しい。無理やりギャラリーに押し込めてるからちゃんと見れない感じ。
Drowning; Model room for agriculture Revolution 3.0
奥にある絵。
素材は銅板。焼き入れや腐食の奥に、よく見ると部屋の風景がスクラッチされている。
Drowning; Model landscape for agriculture Revolution 3.0
こちらも銅板。白く塗って刻み込み、顔料を載せている。
これは綺麗ね。最小限の線で風景を、風の吹く草原をうまく表現してる。
Seriese of White Painting
実際にはこの写真の中のキャンバスが置かれていた。
街中に何も描かれないキャンバスをおいて、その不思議や何かを表現しているんだろうという邪推をする人々の様子や、キャンバスにアクションをする人々といった動きを作り出すインスタレーション、の残りカス。
ここに置かれてもねって感じ。
総じて、現代アートだなぁと思った。
相手に伝えたいということより、自分自分ってなる感じ。
頭でっかちで理屈こねくり回してとにかく権威づけしようとしているけど、アウトプットがしょーもない感じ。
そういうイマイチな方の現代アートだった。
前評判は良かったんだけどな。