人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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【ネタバレ感想】書きたがる脳 言語と創造性の科学

書籍データ

  • タイトル:書きたがる脳 言語と創造性の科学
  • 作者: アリス・W・フラハティ
  • 訳者: 吉田 利子
  • お勧め度:★


今日の猫

f:id:minnagi:20190830154345j:image

うつ病の後にハイパーグラフィアを発症し、薬物治療の作用でライターズ・ブロックを経験した脳科学者の著者が、自身の経験をもとに書いた本

久々に読むのがめっちゃ苦痛な本だった。
じゃぁなんで読むのかって言われたら、途中で投げ出すのが気になるからなんだけど。

 

とにかく話があっち飛びこっち飛び、一つのトピックに関して「脳科学者はこう言っている」「精神科はこう言ってる」「こんな事例もある」「でもそれについては後の章で説明する」「それについては前の章で言った」「私の場合はこう」ってのがひたすら羅列されていくうちに結論が出ないまま次のトピックに移っていく。そして隙あらばねじ込んでくる自分語り。
結局何がどうなのかが全く分からない。
そしてほとんど脳科学の話をしない。いや、まったくしないとは言わないけど他の話のほうが多い。具体的に言うと「あの文豪もハイパーグラフィアだったと思われるけど当時診察受けてたわけじゃないから証拠はない」という話がやたら多い。憶測か。

一応この著者はハイパーグラフィアにかかって「いた」人という触れ込みで、治療済みであり寛解した人なはずなのですが。
治ってないよね…明らかにこの文章、治ってないですよね……
冒頭で作者が語る「精神病患者は自分が書きたいことに意味があると思うから書いている」といったことを説明しているのですが、まさにその通りの文章で書かれた本です。

 

いや、精神病直してから書けとは言わないし当事者の書いた文章にはそれなりに意味があるとは思うんですが、編集さんが欲しかったなぁと。この文章をわかりやすく校正してくれる誰かがいなかったのかなぁと。
脳科学の専門家が書いた本だと期待して読んではいけません。この本はあくまでも当事者本で、何なら症例の一つです。
書かれている内容自体はトリビア的な面白さがあるので、誰かがこの本の中身を内容ごとに整理して箇条書きにしてくんないかなぁと思う。したら喜んで読む。

 アウトサイダーアートみたいな本だった。