書籍データ
- タイトル:20世紀イギリス短編選 上下
- 作者:キップリング・他
- 訳者:小野寺 健
- お勧め度:★★★★
今日の猫
上
- 船路の果て / ラドヤード・キップリング [著]
- 故郷への手紙 / アーノルド・ベネット [著]
- ルイーズ / サマセット・モーム [著]
- 岩 / E・M・フォースター [著]
- 上の部屋の男 / P・G・ウドハウス [著]
- キュー植物園 / ヴァージニア・ウルフ [著]
- 痛ましい事件 / ジェイムズ・ジョイス [著]
- 指ぬき / D・H・ロレンス [著]
- 脱走 / ジョイス・ケアリー [著]
- ジョコンダの微笑 / オルダス・ハックスリー [著]
- 幽鬼の恋人 / エリザベス・ボウエン [著]
- 単純な生活 / H・E・ベイツ [著]
下
- あいつらのジャズ / ジーン・リース [著]
- 確実な人生 / ショーン・オフェイロン [著]
- この四十年 / ノーラ・ロフツ [著]
- レディだけの旅 / オリヴィア・マニング [著]
- 届かない花束 / ウィリアム・サンソム [著]
- 蠅取紙 / エリザベス・テイラー [著]
- 豪華な置時計 / ミュリエル・スパーク [著]
- 愛の習慣 / ドリス・レッシング [著]
- 欠損家庭 / ウィリアム・トレヴァー [著]
- 再会 / マーガレット・ドラブル [著]
- 別れられる日 / スーザン・ヒル [著]
これどうしたもんかって考えたんですけど……簡単に記録だけにしておきます。
読んでる間、めちゃくちゃ暗い気持ちになりました。
本当に鬱々とした気持ちになる。
よくもまぁこんなに底意地の悪い性格の悪い登場人物しか出てこない話をひたすら集めたものだなぁというのが正直な感想。
また、リストを見ての通りの豪華執筆陣なので、話がとてもうまい。見事ない心理描写で的確にこちらの魂をえぐりに来る。
これ、こういう編集にするため書かれた話じゃないでしょう…
いろんなタイプの話がある中に紛れていて、これで暗くなった気持ちを他のハッピーエンド短編で慰める構成にしていた、その「全体をピリリと引き締めるスパイス」的な話でしょう…
激辛カレーになってるがな。
ちょっと内容思い出して粗筋書くのつらいなぁ!
印象に残ったものの一行感想
- 故郷への手紙:手紙燃やしたの、父親では?って示唆がすごいつらい
- ルイーズ:こんな…こんな性格の悪い人いる…??
- 上の部屋の男:サガンにこんなのありましたね。「時おりヴァイオリンが……」だっけ。つらい。
- 届かない花束:つらい。ほんの数分の状況をこんなつらく書けるとは。
- 蠅取紙:ガチ目に怖い
- 別れられる日:最後の最後にまた救いようのない話だなおい
いや、おもしろいですよ?面白いけど本当に酷い。編集者のセンスがひどい。正確が悪い。
休み休み読むべき。