人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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【ネタばれ感想】無慈悲な昼食

書籍データ

  • タイトル:無慈悲な昼食
  • 作者:エベリオ・ロセーロ
  • 訳者:八重樫 克彦
  • お勧め度:★★★


今日の猫
f:id:minnagi:20190717165819j:image

教会で働くせむしの青年は、神父と聖具室係に酷使されている。
貧民救済のために地域十人を招いて毎日行われている慈悲の昼食は特につらい仕事で、準備や貧民たちの開いて、そして後片付けに青年と家事担当の老女三人組、リリア達は疲弊していた。
ある日神父と聖具室係はミサを代理の神父に頼み、地元の有力者に寄付を頼みに出かけていく。
代理神父はミサで見事な美声を披露し、大盛況となる。リリアたちが用意した夕食を大量の酒とともに食べる代理神父。その夕食会は徐々に大狂乱の夜へとつながっていく。

 

 面白かった。
歯車がちょっとずつずれて状況がどんどんコントロールを失い暴走していき、最後はとんでもない騒ぎを引き起こす。好きなタイプのストーリーです。
ただ、あっさり簡潔に描きすぎかなぁという感じはある。
読み終わった後最初の感想は「面白かったけどあとには何も残らないなぁ」という感じだったけど、「よく考えてみるとあそこどうなってるんだろう」って考えだすと割と怖いなって感じ。ミントティーって本当は何だったんだろうとか、婦人会の女性は何だったんだろうとか。
悪夢の中の世界。実写映画と言うより、マペット映画のような。ダーク・クリスタルの世界に雰囲気が似ている。

ガルシア=マルケスの再来って雰囲気はわかるけどあんまり似てないよ。もっとなんだろう、乾燥している。