人の金で美術館に行きたい

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。

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世界のドットを埋める作業こそが知覚であり認識だ ICC オープン・スペース 2017 未来の再創造

 初台のICCに行って来た。

ここは現代アートというか、技術と空間を組み合わせたものが多い。

www.ntticc.or.jp

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全部じゃないけど、作品一覧はこちら

ICC | 作品一覧

 

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一番面白かったのがこちら。

写真撮影禁止だったけど、最近の作品はネットにデモがあるのだ。

ja.takram.com

緒方壽人(Takram) 「Oto-megane」

 

一見、真っ白な3つのスクリーンがただ並び、音楽が流れているようにしか見えない。
しかし付属の虫眼鏡のようなもので覗き込むと、全く別のものを見ることができる。
仕組みとしては、偏光フィルタを使って見える情報を制御しているだけだ。実にシンプル。
けれど効果は絶大で、一度に見える範囲が狭いこともあって夢中で覗き込んでしまう。
知覚というものがいかに複数のものからなる複合体であるか。普段私たちはいかに見たいものだけを見ているのか。「音楽」という1つのものを表す方法はいったい幾つあるのか。
そういうことを考える。

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これも面白い。ライブビューイングの映像に勝手にコメントがつけられる。

www.exhaustingacrowd.com

カイル・マクドナルド「群集を書き尽くす」

 

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共感覚を体験できるって言う作品は、人と行けばありなのかもしれないけど一人だと怖くてムリムリってなった。
異質な感じが耐え切れなかった。

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この作品も面白かった。自分の知覚の揺らぎをかんじる作品。


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 こんな部屋があってf:id:minnagi:20170602134418j:image

ヘッドフォンをつけると、太鼓のような不思議な音が聞こえてくる。
最初は真っ暗なモニターに、こんな擬音たちが浮かんでくる。
この文字を見ているときと

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この文字を見ているときとf:id:minnagi:20170602134508j:image

聞こえてくる音はもちろん同じなのだけれど、視覚に引きずられて認識が変わってくる。
音を脳内で処理するときに、どういう分類をするか。この音はどんな音か、同聞こえてくるかと無意識に仕分けをするやり方を強引に捻じ曲げにくる様な。


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今回の展示は、知覚にまつわるものがテーマのようだ。
今見ているもの、今聞いているもの、今所属している世界そのもの。
そういうものをどう捉えているのか。別の評価軸で見たらどうなるのか。
音を見るというのはどういうことなのか。
音源の姿を見るのか、音波形を見るのか、文字に落とし込むのか。


オーラ・サッツの「銃弾と銃痕のあいだ」は拳銃を使用したときの発砲と着弾という人が感知できる二つの事象の間で何が起きているのかを追求する物語だ。こちらは世界の空隙を埋めようとする努力の過程を示している。認知というのは、五感という非常に頼りない低性能センサーから受け取った情報から必死に世界を再構築しようとする努力のことなのかもしれない。


ユェン・グァンミンの「微笑む木馬」という作品も、木馬に乗る子供の映像だがその主体が木馬であることに戸惑いを覚える。
子供が木馬に乗るとき、はたして木馬が揺れるのか、木馬の周りで世界が揺れるのか。
もう一つ面白い仕掛けがしてあるのを確認してみてほしい。

今回のICCでは、世界というのは決して一つではないのだということをさまざまなアプローチで表現している。

 

無料だし、近くに行ったら寄ってもいいんじゃないかなぁとおもう。