TCAA 2019-2021 受賞記念展 4/14
現代美術館でやってた無料展示。東京都とトーキョーアーツアンドスペースが行っているTokyo Contemporary Art Awardの受賞記念展。今回は2人の作品が展示されていました。www.mot-art-museum.jp
下道基行「14歳と世界と境」
14歳(なんでこういうの14歳なんだろ。エヴァかな)に、自分と世界との境界をテーマに短いエッセイを描いてもらうプログラム。
日本だけでなく、中国と韓国でもやって新聞で連載したり、冊子にまとめたりしてた。美学ではなく理論系の人ね。
まあ試みは面白いけど、それって「美術」かなとか、この「作品」の作者は14先の少年少女達ではないのかなとか考えてしまう。そういう作品集としてはいいけれど、美術展としてはあんまり面白くない。
これがアートならSF短編集だって現代アートになるのかな。
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風間サチコ「国粋的アイドル(富士山)」
版画と、その版木を組み合わせた作品。ぱっと見ただ組み合わせただけかなと思いきや、よく見るとだいぶ違う。上の絵を刷り終えた後、版木をさらに彫り進めたようだ。雲の部分とかだいぶ彫られている。
下の部分は木なので彫ることはできても元に戻すことはできない。中央の英字の部分などは黒く塗りつぶしてるだけで、よく見ると英字は上と同じものが彫られてるのがわかって面白かった。
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風間サチコ「新秩序」
世界の底が抜けたような絵。巨大な水栓を抜いて河から水が抜けて行く。
世界の新秩序とはなんだろうか。この人の作品は不穏なものが多いので、これも決してユートピアが訪れるわけではないのだろうなと思ってしまう。水が枯れてマッドマックス怒りのデスロードみたいになるんではなかろうか。
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風間サチコ「肺の森ーLINDENBAUM」
昔話の恋物語のような絵。背景の木のようなものはレース襟のようにも見えるが、よく見ると逆さまになった肺の毛細血管とわかる。こういう風に肺をデザインした版画作品が何枚もある。
肺をテーマにした一連の作品群。
最初に世界観の説明のような解説があるんだけど、全然意味が読み取れなくて???てなった。とあるクラシック音楽の話をしていたはずがとある男の半生や死に様の話になって、映画の話なのか小説の話なのか数回読んでも理解できなかったので諦めた。
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風間さんの作品は大きくて思い切りがよく、勢いがあって好きだな。