人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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【 粗筋】ノーストリリア

主要人物

ロッド・マクバン:主人公。ノーストリリアの地主一族の息子。親は死亡している。
ク・メル:猫人の女性。政府に仕えている
イ・テレケリ:鳥人の老人。地下の下級民のリーダー

舞台
遥かな未来。世界一金持ちだが敢えて質素な生活を送る惑星ノーストリリアと、母なる地球。

 

レタスを食べる猫を見ろ。

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↓粗筋開始(白文字)↓

惑星ノーストリリアは風土病にかかった羊から取れる不老長寿の薬を全宇宙に販売することで莫大な富を得ていたが、精神の退廃を防ぐために他の惑星との貿易に莫大な関税をかけ、貧しいと言えるほど質素な生活を続けている。その自律心は人口の抑制にも働いていた。子供達はある一定の年齢に達すると成人判定としてその精神状態を調べられ、惑星にとって有益と認められないと安楽死させる制度となっている。

主人公のロッドは普通のノーストリリア人とは異なり、テレパシーが使えないので障害者とみなされていた。彼は今までに3度成人判定を保留され、子供の体に戻されて人生のやり直しをしていた。彼を密かに愛する娘や親族達に送り出されて4度目の判定を受けた彼はついに成人判定に合格する。

 

しかしその直後、ロッドは自分の命がオンセックに狙われているのを知る。オンセックはロッドの最初の子供時代での幼馴染で、不老長寿薬が効かない体質。それを恨みつつ老人となったオンセックは昔ロッドにいじられていたことを憎んで復讐しようとしていた。

実際に殺されそうになったロッドは一族に密かに伝わるコンピュータに対策を相談する。コンピュータはロッドの財産を担保に地球で先物取引をさせ、地球を全て買い取れるほどの大金を稼ぎ出す。一気に宇宙の重要人物となり、財産を目当てに世界中から命を狙われる立場ともなったロッドは、政府の保護のもと地球へと向かうことになる。

 

地球は人間と、その生活を維持するための奴隷、下級民と呼ばれる獣人とで成り立つ世界だった。周囲の目をごまかすため猫人の姿に変えられ、同じく猫人であるク・メルと夫婦を偽って地球を移動するうち、ロッドは下級民に対する差別を知る。ロッドはク・メルに連れられてデパートに行く。そこでは密かに老猫の精神科医が治療を行っていた。地球に来る前は手に入れた大金でなにをしたいかと聞かれて骨董品である郵便切手が欲しいと答えるような子供だったロッドは、治療で自分を見つめ直した結果、本当に必要なことは昔オンセックをいじめたことを認めて謝り、和解することだと気づく。老猫精神科医はロッドに補聴器のようにテレパシー能力を補助する道具を与え、健常者のようにテレパシー会話ができるようにする。

 

ク・メルに連れられてロッドは地下深くへと移動する。そこは下級民と呼ばれる獣人達の世界。そこでロッドは地球の現状を知る。人間は獣人達を支配して仕事をさせているつもりだが、実際には労働の仕方を忘れた人間を獣人達が支えていたのだ。人間の社会は獣人がいなくては成り立たないほどに獣人達に依存していた。しかし現状のまま獣人を使役していては、人間社会自体も破滅してしまう。使役されつつも人間を愛する獣人達のリーダーイ・テレケリはそれを防ぐため、ロッドに彼の財産を寄付して財団を設立してほしいと頼み、ロッドはそれを了承する。

 

ロッドはいつしか本当にお互い愛しあうようになったク・メルを連れてノーストリリアに戻ろうとするが、それは許可されない。代わりにロッドはク・メルと一緒に夢を見、その中で共に幸せな生活を送る。夢から覚めたロッドは財団の手続きを終え、人間の姿に戻ってノーストリリアへ帰途につく。

 

ノーストリリアに戻ったロッドは以前から自分を本当に愛してくれていた娘と結ばれて、たくましい農夫として生きていく。2人は双子の息子を成人認定へと送り出す。1人は成人認定に合格するが、もう1人は失格して安楽死されてしまう。残された息子は何故自分が選ばれてもう1人はダメなのかとロッドに問いかける。

 

↑粗筋終了(白文字)↑