【感想】Iターン ドラマ化するらしいお
書籍データ
- タイトル:Iターン
- 作者:福澤徹三
- お勧め度:★
ドラマ化決定!!
主要人物
- 狛江:主人公。広告代理店社員。左遷されてくる。
- 竜崎:ヤクザ。竜神会の組長
- 岩切:ヤクザ。岩切会の組長
- 土屋:零細印刷会社社長
広告代理店に勤める男。不景気のあおりを受け、リストラ要因として北九州に左遷されてしまう。何とか実績を積み上げて本社に戻ろうと奮闘するも、二つのヤクザの抗争に巻き込まれ、いつの間にか借金まみれの下っ端ヤクザとして働かされてしまう。食えない零細印刷会社社長も加わって、男の二重生活は大混乱となる。
ええとね、ドラマ化決定!って赤字で書いてみたんだけどね。て言うかそのうわさを聞いてちょっくら原作読んでみるかって手に取ってみたんだけどね。
この本すごいつまんなかったんだよ…
設定はいいと思うんだけどすごいつまんない。なんでだろうってくらいつまらない。
会社員とヤクザの二重生活なんてハラハラしそうなものだけど、だらだら書いてるなぁって思ってしまう。おかしいなぁ。
なんといっても、キャラクターに魅力がない。特に主人公に全くない。
馬鹿主人公って嫌いなんだよね。
まぁ小説だから最終的には上手い方向に転がりはするんだけど、ヤクザに脅迫されるとかもう本当に「普通に警察行けよ」としか思えないじゃない。
会社をクビになりたくないからって言うけど、家庭にも同僚にも恵まれない彼が、現在の職に縋りつく理由が正直わからない……っていうのは景気が上向いてきた2019年に読んでいるからかもしれないけれど。でも、だったらもう少し不景気の描写してくれないとさぁ。登場人物が「不景気不景気」言ってるだけで納得しろって言われても。
それに冒頭で多重債務者になるんだけど、それ返済してなくない?とか、リアリティがない。
リアリティがないならないでめっちゃコメディにすればいいものを、半端にリアル路線にしようとするからつまんないんだよな。
あとこういう主人公がめちゃめちゃ不幸になる話は、後半で怒涛の巻き返しをするからカタルシスが得られるんだと思うんだけど、そこがすごい少ない。
結局最後まで何故か組長達に気に入られて抗争の真ん中で右往左往するだけで、1回しか役に立ってない。率直、お前何のためにここにいるの?って感じだ。
だったらもういっそ、ヤクザの中で何故かのし上がっちゃったりする方が面白いんじゃないだろうか。
などと言ってしまうくらい、小説としてはつまらなかった。
でも、ドラマなら割と面白いんじゃないかな?って思う。
主演がムロツヨシさんでしょ?ということはコメディタッチでやるんでしょう?
深夜ドラマだから演出とか自由だろうし、連ドラだから一話完結的に短く起承転結でオチを付ければ、グダグタの中だるみも解消されるだろう。
個性派俳優の魅力で押し切れば、小説よりはずっと面白いものができるんじゃないかと思う。
って書いた後にアフィ貼っても、売れるわけないわな…w