人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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【粗筋】藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編2

 

↓粗筋開始(白文字)↓

どことなくなんとなく

友人とキャンプに来ている男性。彼はある時期を境に全てに現実感がなくなったという。全てが自分の想像の範囲内で、意外なことが何も起こらない。まるで自分が思い描いた空想の世界のようだと。友人は最近彼がおかしいと妻から頼まれて気晴らしに来てやったのに、思い上がった言い方はなんだと怒り出す。自分が想像の産物なら消してみろとナイフを持って襲いかかる友人を、消してしまう男性。
と、同時に消えてゆく世界。実は地球は核戦争で消え失せていた。男性は宇宙人によってほんの一つだけ残った細胞から作り出されたクローンだったのだ。世界は彼の記憶から作られたものなので彼の想像を超えることができなかったのだ。彼の世界を存続させることを諦めて宇宙人は消えてゆく。

 

3万3千平米

狭い借家に住む男は友人の不動産屋から土地を買って家を建てるか悩んでいる。金のない男に帰る土地は狭くて立地も良いとはいえない。
そんな男の家にある日不思議な客がやってきて、男が所有する一万坪の土地を売ってくれという。そんな土地などあるわけがなく、客のことは信用できない。
悩む男はある業者から広くて安い土地を買うが、住宅を建てられない土地を騙して売りつけられたことに気づく。大騒ぎになる家に不思議な客がまた現れ、男の持つ土地を強制収容したと告げて2億相当の宝石をのこしてゆく。それを売って広い家を手に入れた男は、昔冗談で買った火星の土地権利書を思い出す。

 

分岐点

夜の公園で帰宅せずに佇む男に、浮浪者が声をかける。人生をやり直したいのでは、と。息子のことを思い出して一旦は家に帰る男だが、昔、二人の女性のどちらと結婚したら良いかと悩んだことを思い出す。偶然その結婚しなかった方の女性と再会し、嫉妬に狂った妻に責められて、男は今の人生を捨ててやり直したいと願う。深夜浮浪者と再会し、気がつけばベッドの中。いなかったはずの娘に起こされ、結婚しなかったはずの女性と結婚しているが、男は前の人生を思い出せない。
新しい人生もそれほど完璧な訳でなく、男は娘が人生の選択肢を誤らないことを願う。

 

女には売るものがある

夜の街を歩くしょぼくれた男。それに声をかける若い女。交渉の末話はまとまり、二人はラブホテルへと入っていく。
すわ売春か、と思いきや、男が要求するのは性的なサービスではなくとにかく亭主関白的に威張り散らすこと。約束の時間を過ぎてお金のやりとりが始まる部屋に、警察官がやってくる。
男尊女卑社会から女性上位の時代を勝ち取った歴史を逆行させようとしたと「売権防止法」でおんなは送検される。

 

あのバカは荒野をめざす

晦日、あるホームレスが27年前にタイムスリップする。それはかつての自分が実家を捨てて駆け落ちした日。ホームレスはかつての自分を止めようと説得するが失敗。女性の元に直談判に行くが、かつての自分に阻止されて現代に送り返される。
自分がかつて誰になんと言われても止めない熱さを持っていたことを思い出したホームレスは、人生を今からでもやり直すことにする。

 

パラレル同窓会

大会社の社長、人生に成功したが何か満たされない男の趣味は誰に見せるでもない小説を書くこと。ある時パラレルワールドにすむ全ての自分が集まる催しに招待され、ありえたかもしれない自分達に出会う。さまざまな自分の中で占い小説家になった自分を見つけて人生を取り替えてもらう。
しかし取り替えてもらった人生も満たされるものではなかった。さしあたり金銭面で。

 

クレオパトラだぞ

自分がクレオパトラになった妙にリアルな夢を見続けている男。彼の人生は全く上手くいかず、自殺も考えている。
漫画家の友人が男の夢を元に漫画を描くという。転生を繰り返している主人公が、嫌なことがあるとすぐに自殺転生して逃げ出すという話だ。それを聞いてサラ金に追われる男は自殺して転生しようと毒を飲んでしまう。しかし今まで全ての人生が不運だった男は、転生しても不安なまま。滅びゆく地球の最後の人間として生まれ変わるのだ。

 

タイムカメラ

恋人とギクシャクしている男。デートをキャンセルされた夜、彼女が上司とホテルに入るところを目撃してしまう。
そこで出会った不思議な男に、その場所の過去の写真が撮れるというカメラを売りつけられる。訪ねてきた恋人が上司と何もなかったことを証明するためにホテルに行き、昨日の写真を撮ろうとする。と、上司がさまざまな部下の女性と関係を持っていたことが明らかになる。
彼女とは仲直りし、男は理不尽に責めてくる上司をその写真で脅迫することにする。

 

ミニチュア製造カメラ

隠居した大会社の元会長か、ミニチュアを作るカメラを不思議なセールスマンから買う。それを使って模型を作ることにはまった元会長は周囲の写真を撮りまくるうち、暗い雰囲気の女性に気づく。事故で幼い子供と夫と死に別れた彼女の家が締め切られてるのに気づいた元会長はその家のミニチュアを作成し、中に遺書があることに気づく。なんとか女性の自殺を止めた元会長は彼女の力になろうとする。

 

値踏みカメラ

古道具屋の娘、売れないカメラマン。彼女は同じく売れないカメラマンの恋人がいるが、大金持ちからも求婚されている。不思議な男から物の価値を映し出すカメラを手に入れた彼女は、対立する二人の男性のどちらを選ぶべきか悩み、二人の価値をカメラで確認する。世間的価値、生涯年収では比べ物にならない恋人が、自分にとっての価値は計り知れないことに気づき、彼女は恋人と結婚することを決める。

 

同録スチール

道出会う少女に片思いしている学生。彼は不思議なセールスマンに、写真を写すとそれを撮影した時の音を再生できるようにするカメラを売りつけられる。奥手な学生は友人に片思いの少女の写真を撮ってもらうが、そのうち彼女には恋人がいると友人に告げられる。
せめて彼女の声が聞きたいと不思議なカメラで写真の音声を確認すると、友人が彼女を横取りしようとしていること、彼女が自分を気に入っていることをしる。学生は自分の写真を撮影し、ラブレター代わりに彼女に渡す。

 

タイムマシンを作ろう

友人と別れて家路に向かう中学生の元に怪しい男が現れる。未来の自分だという男は、中学生につくりかたを教えてタイムマシンを作らせようとする。苦労の末完成したタイムマシンで過去を楽しんでいると、そこに、未来の友人が現れる。ほぼ同時にタイムマシンを開発した二人は、自分こそがタイムマシンの発明者になろうと昔の自分に製法を教えて作らせることを時間を遡って繰り返していたのだ。乱闘の末未来の二人はさらに過去の自分へとタイムマシンを作らせに行くが、中学生はなんとか自分の時代へと戻る。友人との友情を壊さないため、タイムマシンなど発明しないことを決意する。

 

夢カメラ

男は不思議なサラリーマンから夢を撮影できるカメラを買う。自分の夢を撮影した彼は、部下の女性と不倫している夢の写真を手に入れる。しかしその写真が妻の手に渡り、逆鱗に触れる。サラリーマンから問題が解決できるとカメラとオマケを買った男の夢を妻が撮影すると、「部下に誘惑されるも妻を愛していると断る男」が映し出され、妻の機嫌はなおる。実は好きな夢を見ることができる機械で妻向けのストーリーを作っていたのだ。男はこれからは自分に都合の良い夢を見ようとする。

 

コラージュ・カメラ

新聞記者の男。汚職事件の取材を続けてはいるが、どうしても証拠が出てこない。激務の中息子とともにジオラマを作ろうと遊んでいると不思議なセールスマンに簡単に合成ができるカメラを買わされる。それを使って記者は汚職証拠写真を作成し、事件の首謀者に送りつける。それを信じた首謀者は罪を認めることになる。

カメラは息子が楽しんで使っている。

 

懐古の客

オンボロアパートに住む男のところに不思議な客がやってくる。タイムトラベルツアーで来たという未来人はお金を払って男の部屋に泊まることになる。未来人と別れて5分もすれば彼のことを忘れるらしく、過去に影響を与えず旅行を楽しめるのだという。
しかし未来人は予防接種をしなかったらしく、夜になると雑菌などで体を壊して入院してしまう。入院中、男は未来人のことを忘れて引っ越しし、アパートも取り壊されてしまう。未来人は退院するものの、ツアーにはぐれて未来に戻れなくなってしまう。

 

四海鏡

愛人の浮気を疑う金持ちの家に、セールスマンから手紙が送られてくる。世界中のどんな場所の写真も撮れるというそのカメラを売りつけられそうになるが、大した金額にならない。そこはそのカメラを欲しがるもう一人が現れ、奪い合ってどんどん値が釣り上がる。喜んで見ていたセールスマンだが、二人は共同購入することになったと法外に安い値段を示してくる。

ショックを受けたセールスマンはその場を離れて考えようとするうち、体が弱くて旅行に行けない少年と知り合う。世界の写真を見て想像するのが趣味だという少年に、サラリーマンはカメラをタダ同然で譲り渡す。金持ちたちは待ちぼうけ。

 

親子とりかえばや

堅物の父親と浪人生の息子。どうにも最近分かりあえないでいる二人の体が突然入れ替わってしまう。擦れ違いが多かった二人はまず情報交換をしようと休んで話し合いをすることに。しかし父親の体に入った息子は彼女とデートがしたいと家を抜け出してしまう。病欠した父親を心配した同僚につかまって話をするうちに、父親が会社で慕われていること、本人には言わないものの息子を大切に思っていることを知る。
息子の体に入った父親のもとには息子の彼女が現れ、約束通り一緒に映画を見るうち、彼女が見た目よりもしっかりとした考えの持ち主であることを知って安心する。
父親と息子がお互いをわかりあった時二人の体は元に戻り、相手をいたわりながら家に帰っていく。

 

丑の刻禍冥羅

どうにもついていない男が謎のセールスマンから不思議なカメラを売りつけられる。そのカメラで人物の写真を撮ると、写真に加えた危害が本人のダメージになるのだという。恐ろしいカメラではあるが男なら適度に使えるのではないか、人間だれでも憎い相手の一人くらいいるだろう。そう言い残してセールスマンは姿を消す。
男は腐れ縁の相手を思い出す。昔から虐められ、たかられ、彼女を奪われた憎い男の写真を撮り、軽く痛めつける。腐れ縁が苦しむのを見て喜ぶ男だが、すぐにそのトリックがばれてしまう。反対に自分の写真をカメラで撮られ、脅迫して意気揚々と帰る腐れ縁だが、男から取り返したはずの写真を落としてしまう。
後日、未亡人となった腐れ縁の妻、元恋人を訪ねる男。腐れ縁は落とした写真をトラックにひかれ、同じように轢死していた。代金を回収に来たセールスマンにカメラ入らないと答える男。セールスマンもこんなものがあってはいけないと、カメラをゴミに出すことを決める。

 

鉄人をひろったよ

老人が道で倒れていた瀕死の男にリモコンを託される。救急車を呼ぼうとしているうちに、男は姿を消してしまう。リモコンを持ったまま帰宅した老人は、それが巨大ロボットの操縦装置であることを知る。何でも言うことを聞くロボットではあるが、日本の狭い家には置いておけない。老人はロボットを説得し、リモコンとともにロボットを海に沈める。

 

異人アンドロ氏

ぼろアパートに住む男はある日夢で不思議な男に出会う。安いアパートに住みたいという彼に自分のアパートを紹介する。
金欠の男は友人が詐欺師を脅迫して金を手に入れに行くという。身の安全のためにと脅迫用の写真を預けられるが、友人が心配で仕方ない。しばらくして友人から話がついたから来るようにと連絡が来るが、それは罠で詐欺師に逆につかまってしまったのだろうと悟る。
そのとき無人のはずの隣の部屋で騒ぎが置き、覗いた男は隣に夢で見た男が住んでいることに気づく。そして、彼が宇宙人であることを知る。秘密を知られて記憶を消されそうになる男だが、宇宙人に友人を助ける手伝いをするように頼みこむ。宇宙人の不思議な道具で無事友人を助け出し、男と宇宙人は友達になることを約束する。
宇宙人に仕事を紹介してくれないかと頼まれるが、ろくな仕事のない男にはそのつてもない。

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