人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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自由の世界 第14回 shiseido art egg 10/20

上野を出て銀座に移動。まずは資生堂ギャラリー。無料だけど予約がいる。平日なら当日予約で最近枠撮れるよ。

入った瞬間、墨のにおいがすごい。これは作品のにおいだろうか。それともそういう香料を噴霧しているのだろうか。

gallery.shiseido.com

入ると巨大な絵がギャラリーの壁を埋め尽くしている。
袋を被った少年?の物語のようだ。

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西大志「青い夜の続き」

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これが一番好きです。金属フェンス越しに見える風景。嵐のよる、荒野、頭を紙袋で隠した少年。強い風。圧倒的な自由を感じる。

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西大志「夜の焚火」

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この絵も好き。夜の森の中で、お面をした少年が何かを焼き捨てる。かつての宝物か、過去への決別か。

二個となりに、少年がキャンプファイヤーのやぐらを組んでいる絵もある。同じ世界の話かは分からないけれど、どうしても物語の連続を想像してしまう。
異形頭の少年。もしくは何か特殊な力を持つ少年。人目につかない森の中の施設に監禁されて過ごしている、危険だとみなされている少年。大人たちは彼を押し込めようとするけれども強くなる力の前にかなうわけもなく、ある日の夜中彼は施設を脱走する。自由を満喫し、過去を消し、これから彼は一人で生きてゆく。
そういう世界を覗き見ている気持ち。

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西大志「いつの時代も」

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奥のほうにはガラクタ置き場のような、作業中のアトリエのような部屋が作られている。その中で少年はすべてを支配している。
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作りかけの少年の像。そのテーブルの上には複数のマスク、覆面たち。まるでどれを被ろうか今考えているかのように。
こうしてみると異形頭を隠すためではなく、頭そのものがないことを隠すために彼は覆面をしているのかなぁって思える。

作品の裏にある世界がものすごく広いようで、好きです。