人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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再会は現代彫刻から 深井隆ー物語の庭ー 6/6

自粛、あけましておめでとうございます。
自粛期間中ブログを放置したりせずに美術うんちくでも書いてりゃよかったのでしょうけどね~けどね~

 

というわけで、ぼちぼち美術館が開きだした今日この頃。自粛明け初美術館は、板橋区立美術館の「深井隆 -物語の庭-」に行ってきました。

www.city.itabashi.tokyo.jp

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駅から遠いけど、建て直したばかりだというスタイリッシュな建物は結構カッコいい。中も新しいだけあってなかなかに機能的。今回の展示にとてもあっていたと思う。

昨今、展示内容を動画配信するところも増えて有り難いけれど、やはり彫刻は現地で見たいよね。
特に今回の展示は非常に印象的な着彩のものが多かったのだけれど、顔料を使用しているせいか写真では全く違う色に写ってしまっている。
せっかく再開したうえ会期も延びているのだから、見に行くとやっぱええなと思えるだろう。

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「栖 2018-2」

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ぱっと見で「ノアの箱舟だ!」と思ったけれど、京都人はそうでもない模様。
海に浮かぶ船、そこから旅だつ鳩、箱舟っぽいけどな~~~作者の意図は知らないけど。全然違うものかもしれないけど。
こちら、実物は光が反射してか紗のかかったような、カマンベールチーズの表面のような、不思議な白さのある色をしています。

 

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「四角形の庭ー回廊」

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海に浮かぶ巻貝のような塔と、それを臨む小さな家。
小さなお茶会という古い漫画に出てきた数学の塔を思い出す。数学に身も心もささげる人たちが集う、気高くも孤独な塔。

この展示室は小さな家を模した彫刻がメインで、町のようになっています。
待ちというにはあまりに孤立して、あまりに寂しい。けれどその寂寥は孤独ではなく、あくまでも孤高であり気高く好ましいものと思う。

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「月の庭ー言葉を聞くために(部分)」

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いくつかの彫刻群が展示されている部屋。
大きい作品は、木材の区見方にも注目したいところ。
こちらは月でしょう。木材を組み合わせた表面に金箔が貼られ、輝いています。
最高にきれい。
やはり新しい美術館はライティングがいいですよね!

f:id:minnagi:20200610180546j:image特に今回は現代作家さんということで、会場構成もこだわられているようです。
作品一覧にこんなマップもついていて、かわいらしい。

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「逃れゆく思念-旅の記憶」

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かっけーーーーー!!!!!!
欲しい!この椅子欲しい!この椅子座りたい!でも座れない!座面にある本が取り外せないから!
はぁ…好き。ぱっと見革のソファ、それも相当使い込んだいい革にしか見えない。色がいい。

この部屋に入る前、通路からぱっと見えるのがこの椅子で、めちゃくちゃイケ散らかしてるな!ってテンションが上がります。

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「あるいは逆さになった眼球」

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椅子シリーズの中ではこれが一番好き。
あえて粗削りな感じ。力強さというか、こちらにぐっと切り込んでくる力がある。

 

実はこの奥の部屋もカッコいいんだけれど、パーテイションの裏に回り込んだとたんあっと驚くような光景なので写真はUPしない。実物を見て新鮮な驚きを味わうとよい。

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「幻想の闇より」

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なんかもうすげえやつ。何があったんだって感じのベッド。
普通にシングルベッドサイズなので、めちゃくちゃ迫力があります。高さも2メートル以上あるし。
吸血鬼でも寝てたのかなぁ…

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「円形の庭 ー覚醒」

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こちらは小さなテーブル。小さな、といっても高さはすごいけれど。
脚がね、良いです。ひょろりとして。そういう生き物みたい。背中の針をくゆらせて、四本足を曲げてカタカタと警戒に動きそう。普通に足は速いし、ジャンプして天井の角に張り付いたりしそう。知性はは高く一見交流できそうではあるけれど、あまりにも相容れなそう。

 やっぱ彫刻は写真じゃなくて実物がいいなぁと思う一因は、この影もありますね。
カタログ写真はやはりライティング等丁寧に撮影しているから変な映り込みなんかなくて綺麗でいいなぁと思うのですが、こうやって実物の存在感を感じたり、影の落ち方を見たりするのは実際に足を運ばないと体験できないものです。
できればあと触りたいよね!無理だけど。でも木の継ぎ目とかなぞってみたい。
大きい馬の彫刻があったからまたがりたかったし、やっぱり椅子には座りたかった。お尻痛そうだけど。
それがしたければ買えってことですよね、無理~~~マネーもないし置くところもない~~~

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とみてきたけれど、私まだ公式サイトに載っている作者のインタビュー動画見ていません。(今職場でイヤフォンがないから見れない)
ぜんっぜん違うこと言ってたら笑うよね。「みんなでワイワイしているイメージです」とか言ってたらマジで笑う。自分のセンスのなさに。
答え合わせに見てみるといいよ。

www.youtube.com


ここは特に入場規制もなく、ノーアポで行って普通に楽しめました。
けど、予約制とか入場制限とか、今年は事前準備のいる展示が多くなる見込みです。いつまでこんななのかねぇ。

さて、今年はいくつ美術展に行けるかなぁ。