人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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人を選びます 白髪一雄展 2/14

今回の展示は結構えぐいから、苦手な人は結構だめだと思う。
何だろう、ただの絵の具の奔流といえばそれだけの作品なのだけれど、エネルギーが相当あるのでもうグロテスクなものにしか見えなかったりする。
あと、猪の毛皮に血糊をぶちまけたり水の中に臓器を放置したもの(の複製)があったりして単純に露悪的なところもある。

見に行くなら、公式サイトを見て雰囲気 つかんでからのほうがいいだろう。

www.operacity.jp

私は割と嫌いじゃない。なんだろうなぁ、ちみちみしたしみったれた中二病はみっともなくて嫌なんだけど、エネルギーがあるやつはそれだけで好きだよ。

 白髪一雄 - Wikipedia

白髪一雄は兵庫出身の画家。最初は時代感のある具象画を描いていたけれど、次第に絵の具を巨大なキャンバスにおいてのフットペインティングや、スキー板で延ばして描いていくようになる。絵の具と格闘するようなその手法は圧巻だ。
制作風景の動画を見てたんだけど、なんか見覚えがある気がする。昔テレビで特集でもされていたのを見たのかもしれない。

一部撮影可です。ここはいつも一部"以外"撮影可だけど、今回はマークがついてるものだけ撮影可。間違えないようにね☆(間違えて怒られた)

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 「長義」

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タイトルは中国古典文学からとられているものが多いそうです。たぶんだけど、最初から長義をイメージして描いたというよりは完成品を見てタイトルを決めている感じだよね。

大きな絵具のチューブを縦に切り裂き、中身をスプーンでキャンバスに全部落として、滑って転ばないよう天井から吊るした縄につかまってフットペイントだそうです。と聞いても、同じことをしてこの暴力性が自分に出せる気がしない。

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「色絵」

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こちらはスキージを使って絵具を伸ばして描いたもの。ワイパーみたい。

これは、すごくいいです。マジでずっと見てられる。
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特にさぁ、左上のここがいいわけよ。わかる?わかるよねぇ?

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貫流

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こちらはスキージを手で持って描いたのでしょうか、より動きのある流れになってます。

右側の大きな流れがいいなぁと思います。

しかし白髪自身はこのスクイージでの製作を「均一化されてしまう」としてフットペイントに回帰してしまうとのこと。

まぁフットペイントもすごくいいけどさ、私はこっちのより洗練された作品の方が好きだよ。まぁ作者自身がもっと激しくないとって思うなら仕方ないけどね。

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初期のいかにも戦後絵画だなぁという可愛らしい作品からこのタイプの作品に行くまで一足飛びで、移行期などないのでビックリする。

私はこの人の絵かなり好きです。こういうのが描けたら気分がいいだろうなぁと思う。そう簡単じゃないんだよな〜