自己主張強め projectN76 末松由華利 8/10
オペラシティの常設展はいつも二つある。
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「悲しいほど似ていて、恐ろしく異なる」
切り絵のような作品。折り紙をたたんでハサミで切って、レース模様を作って遊んでいた幼稚園時代を思い出す。
右の赤いやつ、リンゴみたいなのが好き。
タイトルは狙いすぎで嫌い。
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「欠けながら満ちてゆく」
作品を見て、波に映る月だなぁと。もうすぐ朝焼けみたいだなぁと思ってタイトルを見たら、やっぱり月だった。
色合いが好き。和紙のちぎり絵みたいな、色の境目の綿のような筆跡も好き。
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「捨てるために選ぶのか」
「選ぶために捨てるのか」
対になった作品で、こうして向かい合わせで展示されている。
こうしてみると、えらい暗い美術館だな。お化け屋敷みたいだ。中にいるとそれほどでもないというか、明るい印象なんだけど。
展示方法が面白いから紹介したけど、この作品ははっきり言って嫌いです。
なんなの?こじらせてる割にベタなの?
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「雛形」
わかるようなわかんないようなやつ。これを見て、何の絵だと思うかは人によって違いそう。
私は横一列に並んだ女性像かなと思いました。制服、夏服を着た女子高生のような。
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全体に、物はいいんだけどタイトルが鼻につくなぁと思った。身もふたもない感想。
創作というのはどんなジャンルでも、思想と表現があるとは思うんですよ。これは絵画に限らず、小説とかダンスとかでもそう。出力結果の裏には何を表現したいかという主義主張がある。
けどさぁ。
どんな創作でも、その思想が見え透いているものは好きじゃない。押し付けてくるものは鼻につき癇に障る。
趣味の問題かもしれないけれど、私は好きじゃない。
全部無題にすればいいのに。