人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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【ネタばれ】粘膜蜥蜴

書籍データ

  • タイトル:粘膜蜥蜴
  • 作者:飴村 行
  • お勧め度:★★★★★

f:id:minnagi:20190615213510j:image

舞台

戦時下(第二次世界大戦?)の日本及び日本占領下の東南アジア小国ナムール。
日本軍はナムールの抗日ゲリラに手を焼いている。
ナムールには爬虫人という種族が人間と共存している。髪が無く顔の中央が隆起し大きな目玉を持つ爬虫人の顔面は爬虫類そっくりだが、人間と同じ知能を持っている。
日本に連れて行かれた爬虫人達は使用人として重宝されている。

 粗筋

↓粗筋開始(白文字)↓

大病院の跡取り息子、雪麻呂は爬虫人の富蔵を下僕として好き放題に暮らしている。
ある日珍しく学校に行った雪麻呂はクラスメイトの大吉と真樹夫を自宅へと連れ帰り、死体安置用のホルマリンプールや死姦趣味のある老人徳一など、家のものを色々と自慢して優越感に浸っていた。しかしそんな中事故で大吉が死亡してしまう。焦った雪麻呂は真樹夫を大吉のしたいと部屋に監禁し、翌朝までに死体を始末するためばらばらに解体するように命令する。
解体を試みるがとても力及ばない真樹夫は途方に暮れる。するとナムールに出征中のはずの兄、美樹夫が爬虫人とともにいる幻を見る。兄は大吉が生き返るから安心しろという。
翌朝、解体が終わっていないと怒る雪麻呂に死体をホルマリンプールに入れようと言う真樹夫だが、幻で兄が告げたとおり大吉が不思議と生き返り、事なきを得る。

美樹夫は軍のエリートとしてナムールに出征していた。着任早々部下とともに阿片畑に行く麻薬商人の間宮を護衛させられる。途中で抗日ゲリラに襲われ、間宮の我がままのせいで部下が死亡するも何とか阿片畑のある村へとたどり着くが村の住人は全て近くに住む爬虫人に殺されていた。人間が爬虫人の子供を殺した報復であった。
間宮もまた爬虫人を殺した罪で殺されてしまうが、美樹夫は爬虫人の子供を助けたことで長老に気に入られ、願いを一つかなえてもらうことになる。
弟の真樹夫に会いたいと願った美樹夫は彼の窮地を知る。爬虫人の長老は大吉を生き返らすことを提案し、それを弟に伝える。

雪麻呂は失踪し行方不明になっている母の千恵子と、母の失踪で心を病んだのか自室に閉じこもりきりの父を心配していた。時折、爬虫人の下男富蔵のもとに母からの手紙が届くのを心の支えにしていた。

雪麻呂は従姉妹の魅和子と許嫁になるため、同じく彼女を慕う従兄弟と決闘をする。最初は代理人を立てたが結局直接対決となり、戦いに勝った雪麻呂は晴れて魅和子と婚約をする。

しかし密かに雪麻呂を愛していた従姉妹の華代は彼を取られた腹いせに魅和子を殺してしまう。それを知った雪麻呂は怒りのあまり華代を殺害する。

冷静になった雪麻呂は子分の進言で大吉が生き返ったことを思い出す。ナムールに行けば魅和子を生き返らせることができると考えた雪麻呂は美樹夫を脅迫し、富蔵を連れてナムールへと移動する。

ナムールで爬虫人の長老に会った雪麻呂たち。そこで富蔵は自分が雪麻呂の母、千恵子であることを明かす。不倫の末に離婚を求めた千恵子は、医学博士である夫に騙されて脳を取り出され、富蔵の体に移植されていたのだ。そして自分で書いた手紙を郵送されてきたと偽って雪麻呂に渡していたのだ。

混乱する雪麻呂は再度爬虫人の長老に呼び出され、魅和子が生き返ることを告げられる。しかし雪麻呂本人は長老に嘘をついたことと華代を殺したことの罰を受けることになる。長老の力で視力を奪われ、歩くことができなくなった雪麻呂は視界を奪われた暗闇の中で富蔵=母に抱きしめられ、懐かしい母の声を耳にする。

↑粗筋終了(白文字)↑