書籍データ
収録タイトル
あらすじ、ざっくりです。
舞台
現代(バブル期)日本。人間に交じって神通力を持つ妖怪が暮らしている世界。
人間の強い想いから生み出された妖怪たちは、最初はぼんやりとした思念でしかないが、長く生きるに従いしっかりとした自我を身につけて社会にまぎれて暮らしている。
そんな妖怪たちの自助組合である各地の"ネットワーク"は人間と妖怪の間に起こるトラブルの解消も行っている。その中の「うさぎの穴」を中心とした物語。
↓粗筋開始(白文字)↓
「闇より帰りきて」 友野 詳
海辺の公園で人が殺されるという事件を調査すると、犯人が「濡れ女」の元夫「海赤子」であると判明。かつて濡れ女は海赤子を殺して一人になったが復活したのだ。濡れ女は失踪。うさぎの穴と対立する「ザ・ビースト」の力を借りた海赤子と濡れ女の現在の恋人である「鴉天狗」そして「うさぎの穴」のメンバーが対立する。
短編集:しかばね奇譚
「悪意の連鎖」 山本弘
不幸の手紙が誤字によって「棒」の手紙に変化。妖怪として出現した「棒」は手紙を出した人を次々に襲い、最後には最初にいたずらで出した男性を殴り殺す
「背中合わせの幸運」 安田均
幸運の女神と悪運を司る妖怪デスパリット。デスパリットが女神を操って様々な人を不幸に突き落としていた。デスパリットのみを倒す。
「しかばね奇譚」 高井信
明治時代に書かれ、失われた本「しかばね奇譚」マニアの間で話題になって妖怪化する。読んだ人は本の中に取り込まれ、話の主人公として進み、最後にはゾンビに心臓を食い破られて死んでしまう。「鴉天狗」が本の中に入り、ゾンビを倒すことで読者を助ける。
短編集:穢された翼
「五グラムの願い」 拓植めぐみ
パチンコ屋でバイトする「蛇石」の妖怪。そこでパチンコをしていた主婦が失踪する事件を調査している。パチンコをする人を楽しませるため日本中を旅して人助けをしている「パチンコ玉の付喪神」と共に「パチンコ台」妖怪を倒す。
「人形使いの黒い箱」 北沢 慶
格闘技「KOファイト」に出場する格闘家の様子がおかしいと気づいた、かつて格闘家の弟子だった「鬼」の息子「半鬼」は格闘家に会うためにトーナメントに出る。また、それとは無関係にトーナメントに出ている「河童」。
格闘家は「ザ・ビースト」が犯人をさらい、コンピュータの妖怪「オニクス」で作り上げたコピーで、それを利用して金儲けをしようとしていた。「半鬼」と「河童」そして「うさぎの穴」メンバーは「オニクス」を倒して彼らを解放する。
「穢された翼」 山本弘
大学の協力を得て超能力を持つ子供を調査するテレビ番組。それに出ることになった年下の友人につきそう「夢魔使い」。大学教授は超能力は証明されることを嫌う性質があるといい、超能力があるとされた友人にリハーサルとして録画も目撃もせずに超能力を使うようにと言う。
リハーサルが無事終了後、教授がそれをこっそり録画していたことが判明。すると妖怪「白いカラス」が現れて暴れ出す。人に取り付いて本人が望むまま超能力があるかのようにものを動かしたりする妖怪「白いカラス」は、存在を証明されることが嫌いでパニックになったのだ。「夢魔使い」に説得されて存在を秘密にすると全員が約束し、「白いカラス」は落ち着きを取り戻す。
「戦慄のミレニアム」 山本弘
ヨハネの黙示録に出てくる世界を滅ぼす「神」と「天使」達が妖怪として出現し、実際に世界を滅ぼそうとする。「うさぎの穴」を始め世界中の「ネットワーク」と、普段彼らと対立している「ザ・ビースト」は手を組んでそれを阻止しようとする。
主要メンバーが戦いで命を落としたり、ヒロインだった「夢魔使い」が悪魔の愛人になったりする。
戦争中など暗い時代に生まれた「厳しい神」というイメージに対し、現在では映画の影響などもあり「人を救う神」のイメージの方が強くなっていた。戦いに参加していた人間の少女二人の力で「黙示録の神」を「救いの神」へと変容させることで戦いに勝利する。
「闇への第一歩」 山本弘
クラスメイトと付き合い、初体験をした少女とその恋人が、夜の公園で襲われる。
リア充爆発しろという言葉から生まれた爆発魔「カウンドダウン」が人を不幸にするために幸せな人を爆死させていたのだ。それを逃れネットワーク「深海」に移動した少女は、恋人が「雷獣」という妖怪であることを知る。また、自らも妖怪の死骸を取り込んで妖怪「雪女」になることを決意する。妖怪としての覚醒までの1日を護衛付きで過ごすことになる。
翌日夜、「カウントダウン」は「百キロババア」「ゴム人間」「ドローン」の協力を得て「雷獣」を倒そうとする。雷が通じない相手に苦戦するが、「雪女」として覚醒した少女の力で倒す。
↑粗筋終了(白文字)↑