人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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【感想文】妖魔夜行まとめ読み

書籍データ

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久々に妖魔夜行を読んだら懐かしくなったので、図書館で手に入るだけシリーズ本を借りて読んでみた。私の知っていた妖魔夜行、一回完結してたり、百鬼夜翔という新しいシリーズを出してたり、妖魔夜行第二部が出ていたり。
未読既読合わせて数冊読んでみたけど、だいぶ変わったなぁという印象だった。

なんというか、私の好きだった妖魔夜行は、ラノベじゃなくてヤングアダルト小説だった。というニュアンスの違いがわかるだろうか。
若者向けの本であることは変わらないんだけれど、大人の世界を見せる話だった。イラストに象徴されるようにクールでスタイリッシュでちょっとだけ倦怠感の漂う話だった。そもそもの舞台が「Bar うさぎの穴」だもの。

それが第一部最終巻の「戦慄のミレニアム」を読んだら、すごいラノベ感が強くてびっくりしたし、第二部に至っては完全に狙って書いているラノベだった。
ラノベが悪いわけではないけど…第二部だから完全に別物として読めばいいのだろうけれど…まぁ単純にすごく面白いってわけでもなく普通だった。
とりあえず読んだことに満足したから、もういいかなって。
初期作品はすごくいいんだけどねぇ。

古い本だし数も多いし、ざっくり感想。

最近気づいたけど、買って読みたくなるような文章書かないとアフィ貼る意味ないよね。気をつけないとね。
でもこの本絶版だからいいや。

 

収録タイトル

舞台

現代(バブル期)日本。人間に交じって神通力を持つ妖怪が暮らしている世界。
人間の強い想いから生み出された妖怪たちは、最初はぼんやりとした思念でしかないが、長く生きるに従いしっかりとした自我を身につけて社会にまぎれて暮らしている。
そんな妖怪たちの自助組合である各地の"ネットワーク"は人間と妖怪の間に起こるトラブルの解消も行っている。
対して「ザ・ビースト」と呼ばれる組織は人間たちを苦しめることで利益を生み、世界を支配しようとしている。

「闇より帰りきて」 友野 詳

既読。面白いです。
大人の三角関係の話。ミステリー感というか、旅情サスペンス風味。
愛情とは対等な関係であること。成長しない相手とはいられないこと。自分でものを考えることの必要性。
そういうことを考えさせる話。

短編集:しかばね奇譚

「悪意の連鎖」 山本弘

不幸の手紙にまつわる話。既読。
すごくシンプルな話で、"まぁそうなるよなぁ"って順当なストーリー。主人公たちもあまり活躍していない。
でも面白いんだなぁこれ。筋書きもだし、表現力がいいんだと思う。

 

「背中合わせの幸運」 安田均

幸運の女神の話。既読。
終わり方があっさりしすぎているせいか、あまり印象に残らない。

「しかばね奇譚」 高井信

本に取り込まれる話。既読。
読書マニアにはわかるわ~~ってなる。
好きな作者の本は誰よりも早く読みたいけど、手に入れたことを自慢しようと思わないのかなぁって思った。

 

短編集:穢された翼 

「五グラムの願い」 拓植めぐみ

パチンコの話。初読。
善玉と悪玉としてパチンコの妖怪が2人出てくるけど、なんで別れちゃったのかが弱い。特に、何で悪玉妖怪が生まれたのかっていう説明がぼんやりしているなぁと思った。

人形使いの黒い箱」 北沢 慶

格闘技と格闘ゲームの話。初読。
ちょっと話がとっちらかってる。格闘技とゲームとどちらかにしたほうがよかった。

 

「穢された翼」 山本弘

超能力の話。初読。
面白かった。超能力の妖怪がどうやって出るかとかもきちんと説明されている。ちょっと説明部分が長いけど

 

「戦慄のミレニアム」 山本弘

ヨハネの黙示録に出てくる世界を滅ぼす「神」と「天使」達が妖怪として出現し、実際に世界を滅ぼそうとする。「うさぎの穴」を始め世界中の「ネットワーク」と、普段彼らと対立している「ザ・ビースト」は手を組んでそれを阻止しようとする。
初読。

なんか……なんかひどかった。
今までの妖魔夜行シリーズを全部ぶち壊したかったのかな?って思った。

いきなり登場するガサツなアメリカ娘。
唐突で必然性が無く誰得なエロ設定。(タンポン型発信機とか喜ぶ人いるの?)
やたら多くて外見描写だけで終わるゲストキャラクター。
出てこない、ほとんど活躍しないシリーズ主要キャラクター。
ヒーローキャラ突然のへたれ化。
そして、清純派で芯が強いという設定のヒロインが、突然セクシーキャラに変身。
なんなん…高校中退のキャラがいきなりネイティブレベルで英語話しだすし、セクシーとはとても言えないエロ単語が羅列されるし…
これまで積み重ねてきたもの、全部ひっくり返したかったのかな。
他の人たちが描いてきた話、全部無効にしたかったのかな。
自分だけで好き勝手やりたかったのかな。

愛がなくて悲しかった。

 

「闇への第一歩」 山本弘

第二部。初読。
クラスメイトと付きあった少女が偶然妖怪に襲われ、それに伴って彼氏が妖怪であることを知る。自分も妖怪になることを決意して戦う話。

 

メタい。そして引き続きしょうもないエロが続く。
なんとういか、いたたまれない話だった。
完全なラノベというか、頑張ってラノベにしようとして滑ってる感じ。
「お約束」描写がすごく多い。
あんまりおもしろくなかったなぁ。
第一部とは世界観も設定も全く別の話でした。
「ドローンの妖怪」が出てくるのだけれど、その「ドローン」というのが今一般的なドローンとはちょっと違って面白かった。