まどろみの中へ 難波田龍起
韓国の抽象を見るついでに所蔵品展も見た。
入ってすぐにくれるパンフがカラーなのでまたびっくりだ。
めっちゃ豪華じゃん…所蔵品展だけだと200円とかまじかよ…大小あわせて69点とかいっぱいあるじゃん…
ついでにさらっと見ようってボリュームじゃなかったです。
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春の歌
初期の作品です。なんか、なんかどっかで見たことあるような、よくある抽象画のような。
ジョルジュ・ブラックっぽいね。
初期作品はこういう、ありがち感が強い。シャガールっぽいのとか。
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しかし、1980年頃を境に独自性が出てきてすごくきれい。
最初に見てうぉ!ってなったのがこれ。
古代の夢C
曖昧模糊な夢の世界の中で、打ち棄てられた城が遠くに見える。
眠れる森の美女のような印象。まっくらもりの歌みたいな。
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暁
こちらも燃えるようなくれないの中、浮かび上がるのは海にそびえたつ岩壁か、打ち棄てられた街並みか。
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なにが描かれているのかよくわからないのがいいと思う。
センチメンタルな印象画かもしれないけれど、自分だけのおとぎ話がその中に見て取れる。
こうして1枚1枚とじっくり向き合うのもいいけれど、長い壁にいくつもいくつも架けられているところで、歩きながら見るのがよい。
絵の中に何かが見えたような気がして、引き返してもさっきちらりと見えた何かはもう姿を消している。そういうシュミラクラを楽しみたい。
寒色でも温かい印象の色使いが多く、控え目で圧が薄いのもそういう見方に向いている。
あまり有名な作家ではないようだけれど、結構好きです。
200円くらいの薄い図録売ってたから買っちゃった。