昨日一番好きな画家はオディロン・ルドンだと言った。
もう超大好き。岐阜県美術館が東京に移転すればいいのにと思うくらい好き。
では今一番気になる画家は誰かと言われたら、実はルドンじゃなくてエルンストである。
マックス・エルンスト、本名マクシミリアン・エルンストはドイツ生まれでフランスに帰化した20世紀の画家・彫刻家だ。と言いつつ彫刻は見たことがない。
ダダイズムとシュールレアリズムの代表的作家と言われてはいるが、それほど日本での知名度は高くないと思う。
なんでかって言うと”エルンストと言えばこれだよね!”みたいな代表作がいまいちないのが欠点だと思う。
詳しく説明する前に、とりあえず作品群を見てほしい。
どこで買ったか忘れたポストカード。輸入品っぽいから実物見てないかも。
タイトル失念したので帰ったら追記します
一応これがよく見るやつだね。
以下、横浜美術館の「複製美術と芸術家たち」図録より
コラージュ作品ですね
「白鳥はとてもおだやか……」
油彩画でもこんなタッチのもある
「毛皮のマント(毛皮/フィギュア)」
こちらも油絵だけど上とは全然違う
「少女が見た湖の夢」
こちらは印刷作品。別の作家の書いた詩に絵と自分で考えた文字を付けています。
「マクシミリアーナ、あるいは天文学の非合法的行使」
コラージュ作品。ちょっと怖いの多い。
「第4のノート 水曜日 元素-血 例-オディプス」
あ、なんかかわいい。ちょっとクレーっぽい?
「こどものミネルヴァ」
ご理解いただけただろうか。
お前の作風どうなっとんじゃ!!という私の気持ちがお分かりいただけるだろうか。
多分、エルンストは絵がすごくうまいのだ。
もちろん、画家というのは絵がうまいものだ。だいたいにおいて。
子供の落書きのような、と言われるピカソも写実画を描かせたらびっくりするほどうまいのは周知の事実。
けれどエルンストはそれが段違いである。
手先が異様に器用、と言ってもいいかもしれない。
様々な画風を使いこなし、どんなジャンルでも一流のものを作り出している。
しかし逆に言うと、他の世界に引きずられて独自のものを持てないでいる、パクリ画家と乱暴に言えなくもないかもしれない。
この人の作品にある、コアな部分は何だろうか。
これこそがエルンストであると言える、アイデンティティは何なのだろうか。
ピカソも、シャガールも、ミケランジェロも、初めて見る作品でも「これってもしかしてあの人の絵?」と思わせる何かがある。
それが作家のコアだ。作家個人にしか作り出せない何かだ。
エルンストのそれは何なのだろうか。
それなりの数作品を見たけれどわからない。
逆に、1,2枚でつかめる画家はワンパターン野郎なのかもしれない。エルンストのように、様々な世界を見せてくる万華鏡のような画家を私は他に知らない。
最近知ったのだが、2012年に日本で大回顧展が合ったらしい。しかしその頃は人生最高潮にお金がなくて美術展なんて調べる余裕がなくて、やってることを全然知らなかった。悔しい。行きたかった。
またやってくれないかなぁ。