2017年に文化村でやったソール・ライター展の第二弾です。
大人気だったものねぇ、前回。
2017年の様子はこちら
ハマスハイのすぐ後に見たんだけど、なんか雰囲気似てるよね。都会の中の孤独、傍観者としての世界、鏡の向こう、閉店した店、物陰からの覗き見。
自分の中で完結した、静かで安全な世界は寂しくて心地よい。けれど決して物悲しいわけではなく鮮やかな色合いなのがアメリカ的だと思う。サイモン&ガーファンクルの世界だ。
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「レミィ」
妖精かな?街中に舞い降りたティンカーベルかな?
携帯可能な小型カメラ、一眼レフ、カラーフィルムといったカメラの歴史と共に歩んだソール・ライターの作品はモノクロもカラーもあります。モノクロは詩情があってとても良い。
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「高架鉄道から」
しかしやはりカラーは良い。
構図が凄く良い。強い日差しで区切られた安全地帯のバランスが良い。
近すぎてぼやけた線路、遥か高みから覗く世界。強すぎる光の中にいる子供たちが向かうのは真っ暗な闇。ヴァロットンの世界。
赤い服を着た子が大穴のような影のぎりぎり縁にいるところや、闇の中右側に目玉のようなものが見えるところもダーク・ファンタジーの世界だ。
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「Haircut」
床屋に入る男性。隠し撮りだろうね。ショーウィンドウを鏡として不思議な構図を作り出している。
彼は商業写真家だった頃から、効果的に鏡を使っています。被写体を分割し、見ているこちらを拒絶し、迷宮へと迷い込ませる。そんな夢のような効果が彼の撮影したファッション写真にはよく使われている。
この写真では鏡と言うにはあまりに鮮やかで、一瞬どちらが現実か分からなくなる。
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「コンタクトシート」
ねこーん。
ASPかなって写真だ…けど、そもそも若い人にASPは通じるのだろうか。
ネガフィルムでは何が写ってるのか確認しづらいので、こうやって一覧にしたんだそうです。それをコンタクトシートって呼ぶんだって。
可愛がってたんだなぁと言うのが伝わる写真。
他に、カラー写真のスライドもたくさんあった。彼の時代はカラー写真をプリントするコストがかなり高かったので、現像したフィルムをスライド投影して楽しんでいたそうです。ということは、カラーポジフィルムだったんだね。
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一箇所だけ撮影可能なコーナー。彼と、そのパートナーの絵だそうです。だいぶナビっぽい。
「画家になりたかった男」というサブタイトルの通り、彼の絵は鮮やかな色使いが独特でとても美しいです。
絵画もたくさん見たいな。