人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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ゴッホ爆誕 ゴッホ展 10/11

たまたま午後から体が空いたので、ゴッホ展の初日に行ってみた。
だってゴッホだし、上野の森だし、会期後半になったら絶対混むだろうなぁって。

go-go-gogh.jp

 ゴッホについては、知らない人はいないでしょう。世界の有名画家TOP5には入りそう。
今回の展示は

・画家を志して絵の修業を始めた、写実寄りのハーグ派との関わり
印象派と出会い、大きく色遣いを変えて身に着けた独自性

という2点を中心に構成されています。
でも正直、そうやるんだったらハーグ派/印象派/オリジナル路線の3部構成にしたほうがいいんじゃないかなぁと思う。なんか、後半がうっすいんだよなぁ。

色々絵を見た感想としては、「ゴッホ写実向いてねぇな!」って思った。はっきり言って下手だよね。人体のバランスがおかしいし、当時も突っ込まれていたように動きが非常に硬い。そして、それはゴッホが意図してあえてやった表現方法ではない。「ジャガイモを食べる人々」とかゴッホの歴史的には重要な作品なんだろうけれど、そういう歴史的価値を抜いて単純に絵画としてどうかって言ったら、率直下手な絵だよね。
あと、ハーグ派を含めて農民画・田舎絵画全般に言えることだけど、「貧しい農民は私たち都会の住人より素朴で純粋なはずである」って上から目線の思い上がり、嫌い。(全否定)
ハーグ派から離れた後の作品は好きだよ。

解説で「XXさんと交流を持つが、数か月で喧嘩別れをした」ってのが複数ありすぎて辛くなった。人間関係へたくそマン…

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クロード・モネ「花咲く林檎の樹」

f:id:minnagi:20191016154619j:image

一面に開く林檎の花。真っ白の花が緩やかな斜面を埋め尽くして、カスミが勝ったような春の光景。
お花見みたいな感覚でしょうね。

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フィンセント・ファン・ゴッホ「アニエールのヴォワイエ・ダルジャンソン公園の入り口」

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かなり印象派な絵。全体的に点描・線描に近いタッチで描かれ、女性の顔の色は水色に塗られていたりと、「写実」では全くない表現です。
まだゴッホが「ゴッホ」になってはいないけれど、その片鱗を感じさせる絵。画面全体に風がうねり、不安さを掻き立てる夕暮れ。

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フィンセント・ファン・ゴッホ「麦畑とポピー」

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これが一番好きです。
色の美しさ、構図の伸びやかさ。すっきりと空を目指す麦のさわやかさ。どこまでも広がる大地のすがすがしさ。
この路線で行けば、ゴッホ病むことなかったんじゃないかな…

なんというか、現代的な絵だと思います。
時代が違えばゴッホの絵は認められたのだろうけれど、ゴッホより後でないとこの絵は認められないだろうし、精神を病まなければゴッホがたとえ後年にしろ評価されることはなかったんだろうな。
ゴッホ生還ルート、ないなぁ。

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さて、今回の展示ではアドルフ・モンティセリに注目していました。

ja.wikipedia.org

ゴッホに大きな影響を与えたというその解説通り、確かに厚塗りでタペストリーのような筆跡の、うねる絵画はゴッホに共通するものが大きくあります。
なんで日本で注目されないんだろうな。色合いが暗いからかな。

でも、グッツないでやんの。そんなにフィーチャーするなら、ポストカードの一枚くらい出してほしいよ!!マイナー作家だから売れないと思ったんだろうなぁ。
そういうとこやぞ、上野の森。