人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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狂気が強め マイセン動物園展 7/27

汐留でマイセンを見てきました。パナソニック汐留、陶器の展示多いですよね。お皿とか。

panasonic.co.jp

一部を除いて撮影可能。どうでもいいけど撮影不可のマークがスマホバツ印の絵だったのが面白かった。もうカメラマークじゃないんだなぁと。

動物園、というタイトルだけあって動物モチーフのものが多くてとてもかわいらしかったです。

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ヤギに乗る仕立て屋

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右にの角に裁ちばさみ、左の角にアイロンをひっかけたヤギに、見事な服装の仕立て屋が乗っています。なんとなくドン・キホーテを連想するポーズ。あちこちにくっつけられた洋裁用品もかわいらしいし、造形がどこをとっても見事です。ヤギの足とか引綱とかまで完璧!メガネはもちろん陶器なので透明性はないのですが、撮影角度によっては本物のガラスが反射してるように見える。ヤギのほうのやつとかね。
後ろに同じように見習い小僧がセットでついてきていて、そちらもかわいらしかったです。

しかし

身分の低いものを野次る貴族の悪戯として、目の悪い仕立て屋が目の悪いヤギに乗って、目的の晩餐会にたどり着けない様子を表現したものと言われている。

かつ

ブリュール伯爵のお抱え仕立て屋がモデル。

って、悪意ない?悪意本当にない?

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スノーボール貼花装飾ティーポット

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「上品なティーポット」と表現されていましたが、上品か……?
いや、技術的にはすっげーなと思うけど、上品なのかこれは……???
みっちり張り付けられた小花が強迫観念を感じさせる作品です。このシリーズいっぱいありました。
マイセン公式サイトによると、この花はガマズミの花だそうです。

スノーボール貼花装飾カナリア付 二人用ティーサービス

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これも同じシリーズ。色味が加わったのとことりさんがいることでだいぶ圧力が弱まっていますが、これもかなりの狂気を感じます。
だってさっきのやつは注ぎ口にお花ついてなかったけどさ、このティーカップは飲み口にもお花ついてるんだよ?ていうかどこから飲むのかわかんない。
あと洗うのどうやってたんだろうなぁ。茶渋とか。塩素漂白剤とか柔らかいスポンジとかない時代でしょ?

貼花狩猟図鹿浮彫付パンチボウル

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これに至っては全く意味が分からない。わからなくて動揺しすぎて、全体の写真を撮り忘れるくらい意味が分からない。
なんで普通に生き生きとした鹿じゃなくて、狩猟の獲物、しかもはがした毛皮を食器につけようと思ったの……それを白いお花で埋め尽くすって何なの?お葬式なの?
ヨーロッパ人のこの感性、まったく理解できない。このだらりと舌を出した鹿さんの死体をつかんで中のドリンクを取り出すの?それって楽しいの?
狂気~~~~

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ヴァトー風恋人図ポプリポット

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気を取り直して別のシリーズ。こちらはまるで本物のようなお花が見事な作品です。

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特にこのバラがすごい。こういうのはデザイナーが一人いて、細かいお花とかの飾りはその下の職人さんたちがパーツとして作成しておいて誰かが最終的に壺に張り付けて完成させるのでしょうね。そういう職人さんの中にも当然腕の上下はあるのでしょう。
右側の花に比べてバラの完成度、素晴らしいです。

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警戒する子猫

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動物の置物シリーズ。
犬もいっぱいあったのですが、なぜか犬は撮影不可、猫は撮影可能でした。持ち主さんの意向なんでしょうね。正直犬のほうがかわいかったけど仕方ない。
猫の中ではこれが一番かわいい。なんでこのポーズにしたのって思うけど、このポーズかわいいからだよね、知ってる。

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蓋物「コイ」

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これもだいぶ狂気を感じる作品。蓋開けたら骨の絵でも描いてあるんじゃないの?ってくらいリアルな鯉。ぬめ感がえぐい。
19世紀半ばの作品で、別に東洋趣味というわけではないそうです。

鯉はドイツやチェコといった中欧でも職の対象とされ、特にドイツでは養殖が盛んであったという。

とのことで、普通によく食べるものを器にした、と。その感性が分からねぇ(二度目)
へー、ドイツ人も鯉食べるんだぁ、と調べてみたら、普通に今も食べてるみたいです。もしかしたら日本人より食べてるかもね。

www.ab-road.net

ビジュアルよ…

ja.myecom.net

どんな味なんだろうか。酸っぱいのかな。
実家では昔鯉を飼っていたのですが、あいつら懐きやしないし池をのぞこうとすると反対側に逃げるかわいくない奴らだったぜ。
生まれが海側なせいか、一度も鯉を食べたことはありません。一回食ってみたい。

こういうやつかな。(アフィリエイトリンク多めで行きます。お小遣いください)

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ライネケのキツネ

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テーブル装飾の作品。ライネケ狐、というゲーテの作品があるそうで、それがモチーフとのこと。読んだことなかったので、次に読むことにしています。

(お小遣いください)
説明によると、この上に立っている狐が動物界の王になって暴政を敷くみたいなディストピア物のようです。おもしろそうすぎる。

デザインはなんか昭和感ないですか?色使いとか、なんかこういう猫の置物あるよね。

陶器 猫 置物 昭和レトロ - Google 検索 この猫の作者誰なんだろう。

スラっと優美でいいなぁと思う。

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カワウソ

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かーわーいーいーーー!!!!
欲しい。すごくほしい。結構大きくて50㎝はありそうなオブジェです。
マックス・エッサーという彫刻家の作品で、1037年のパリ万博でグランプリを受賞したとか。

www.meissen-jp.com

世界限定25個だって…いくらか書いてないけどたぶんもう売り切れてるよね……
ただこれについては、元の茶色い作品のほうが力強さとかあっていいなぁと思う。

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ところで、会場を出た売店にはさりげなくこんなチラシが置かれていました。 

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 左上、パンフの表紙になっている写真……「ヤギに乗る仕立て屋」じゃねぇか!!!
「個人蔵」ってそういう意味か!そういう意味なのか!!!

というわけで、このお店に行ったら美術館に飾られるレベルの作品を手に入れることができるようです。おひとついかがでしょうか?
私?行かねぇよどうせ買える値段じゃねぇんだから。