人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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【ネタばれ粗筋】妖魔夜行 悪魔がささやく

書籍データ

妖魔っぽい猫だよ
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だけじゃさすがに猫に悪いから、かわいい猫も置いておく
f:id:minnagi:20190523171245j:image

収録タイトル

 

↓粗筋開始(白文字)↓

舞台

現代(バブル期)日本。人間に交じって神通力を持つ妖怪が暮らしている世界。
人間の強い想いから生み出された妖怪たちは、最初はぼんやりとした思念でしかないが、長く生きるに従いしっかりとした自我を身につけて社会にまぎれて暮らしている。
そんな妖怪たちの自助組合である各地の"ネットワーク"は人間と妖怪の間に起こるトラブルの解消も行っている。

水野 良「身飾り」

神戸税関に勤める女性。ある夜一人で残業して引き取り手の現れない輸入品を整理していると、ブランド物のハンドバッグが出てくる。他の荷物を確認していると、誰もいないはずなのに「私を見て」という声を聞く。その後、彼女はハンドバッグとともに疾走する……

神戸の街に、派手な女が現れるという噂が立つ。ファッションセンスも何もなくただ派手なブランド品をいくつも身に付けた女は、彼女のセンスを褒めるとその一部を与え、けなすと洗脳してブランド店を襲わせ、貢物として差し出させていた。強盗などの疑いで取り調べようとした警察官を操り、拳銃自殺を強要すらしていた。

"ネットワーク"の妖怪たちは彼女が悪意を持つハンドバッグの妖怪に操られていると判断し、人気のないところにおびき出してハンドバッグを奪い、破壊する。
しかし彼女は正気に戻らなかった。
彼女にとりついてた妖怪の実態はハンドバッグではなかった、むしろまだ実態を持つほど成長していないただの思念体にすぎなかったのだ。
一度は彼女を取り逃した"ネットワーク"だが、次の接触で彼女に本来の自分を思い出させ、妖怪を別のハンドバッグに移動させることに成功する。

ハンドバッグを日本に送ってきたのがフランスの"ネットワーク"であることが判明する。到着して神戸の"ネットワーク"に引き取りに来るよう通知が郵送されるはずが、手違いで届かずこのような騒ぎになっていたのだ。
フランスに観光旅行に行った日本女性たちの、ブランド品などにあこがれる気持ちがこの妖怪を生み出していた。フランスでもトラブルを引き起こし、大本の生まれ故郷である日本に送られたのだ。

生まれたばかりの妖怪を殺すのも忍びないと、ハンドバッグは"ネットワーク"の窓際に飾られることになる。それを目にした人のあこがれの気持ちが、妖怪を育ててくれると信じて。
 

白井 英 「妖刀」

江戸時代、牢獄に一人の若武者が捕えられていた。悪政を敷く藩主に謀反の廉で打ち首にされようとしている彼は、刑場で「自分の敬愛する師匠が自分の愛刀で打ち首にされたこと」「自らも今からその愛刀で殺されること」を告げられる。
自らの分身である愛刀で師匠の命を奪われたことに怒り、全てを呪って若武者は死んでゆく……

現代東京。とある大学教授が大雨に降られ、雨宿りに骨董品店にやってくる。日本刀収集を趣味とする彼はそこで無銘の名刀を見つけ、購入する。送られてくるはずの請求書がいつまでも来ないことを不審に思うが、刀に夢中でそのうち忘れてしまう。
彼は勤め先の大学での派閥争いで頭がいっぱいだった。
派閥長の命令でライバルをスキャンダルで蹴落としたはいいが、たまたま立ち寄ったバーで同僚にそれを批判されてしまう。犬扱いされて怒りを覚える彼は、手に入れたばかりの刀を手入れして心を落ち着かせていた。
しかしその夜、件の同僚たちが日本刀で惨殺される事件が起こる。
その後、派閥長に見捨てられたことを知り憎しみを抱く彼の願いをかなえるように、派閥長一家もまた惨殺事件の被害者となる。

教授の娘は"ネットワーク"の一員、人間のふりをして大学に通う竜神と人間のハーフである青年と友人関係であった。娘は父親とトラブルにあった人たちが殺されたこと、狂気が父親の趣味である日本刀であることに不安を覚えていた。相談に乗っていた青年は、多数の日本刀のうち一本に不審を抱く。教授不在時にこっそり持ち出そうとするも、かなわずに終わる。

その夜、半竜の青年は"ネットワーク"の仲間を連れて再び教授の家を訪れる。
すると娘と口論になった教授が日本刀で娘を切り倒したまさにその瞬間だった。何とか娘の応急措置を済ませ、教授と対峙する半竜青年。日本刀は若武者の、青年は竜としての本来の姿を現し、死闘を繰り広げる。日本刀の妖怪は、持ち主である教授の敵を全て排除しようとしていたのだ。
辛くも勝利した半竜の青年は、この事件の記憶を娘たちから消す。
姿を消した日本刀の妖怪は元の骨董品店に戻り、新たな主人が訪れるまで眠りに落ちた。

山本 弘「悪魔がささやく」

南米の貧民街で、神父は部下を引き連れ悪魔払いの儀式を行っていた。父子家庭の幼い娘が急に痩せ細り、常軌を逸した言動をするようになったのを周囲が悪魔憑きではないかと心配し、神父たちを呼んだのだ。悪魔払いの儀式を行うと娘は激しく暴れ、ポルターガイスト現象が発生する。何日にも及ぶ激しい儀式の末、悪魔は退散して娘は笑顔を取り戻す。
その後神父はかつて追放された日本へと呼び戻される。
神父のもとには度々聖母マリアが現れ、その信仰を励ましていた。今回もマリアに支持されて日本に戻ることにした。

東京の"ネットワーク"のメンバーは人間の友人、女子高生の摩耶と急に連絡が取れなくなったことを心配していた。彼女は厳格で愛の無い家庭との軋轢によるストレスで妖怪「夢魔」を生み出していた。人間の無意識の欲望に従う夢魔を自分の意思である程度コントロールできるやうになった彼女は"ネットワーク"の妖怪と親友になっていたのだ。

摩耶は母親に騙されて山中の教会に監禁されていた。夢魔を目撃した母親がそれを悪魔だと勘違いし、悪魔払いの儀式を申し込んでいたのだ。
人気のない教会で摩耶が神父に詰め寄られると、聖書が燃えたり椅子が動いたりといったポルターガイスト現象が起こる。すっかり悪魔憑きと信じ込まれてしまう彼女だが、自分の無意識の欲望にしか反応しないはずの夢魔がなぜそんな無意味なことをするのかと疑問に思う。

それから摩耶は悪魔払いと称して拷問に近い扱いを受ける。ろくに食事も睡眠もとれずに何日も過ごすうち、疲れと心労で夢魔の制御ができなくなってゆく。
神父の部下のうち一人は摩耶が悪魔付きではないと信じてくれるが、それもなぜかポルターガイスト現象に巻き込まれて死んでしまう。狂気に落ち込もうとした彼女を救ったのは、母親を脅して居場所を突き止めてきてくれた"ネットワーク"のメンバーだった。

彼らは神父の背後にいるものが聖母マリアなどではなく、それを騙る悪魔モリガンであることを見抜く。動揺する神父にモリガンは、今まで彼が悪魔払いを施してきた相手は全員悪魔憑きではなかったことを暴露する。冒頭の幼女は父親に虐待を受けたストレスで体を壊していたのを、モリガンが周囲でポルターガイスト現象を起こして悪魔の仕業に見せかけていたのだ。それでも幼女が正常に戻ったと反論する神父に、モリガン
「異常な状態で正常にふるまえるとしたらそれは狂気だ」
と言い捨てる。

非常に強力な妖怪モリガンに"ネットワーク"のメンバーは苦戦するが、夢魔の力を自分のものとした摩耶がついにとどめをさす。
神父は今まで自分が悪魔に騙されてその手下になっていたという事実を受け入れることができず、狂気の中で生きてゆくことになる。 

↑粗筋終了(白文字)↑

これもう中古しかなくて、本体1円送料数百円ってのしか手に入らないんだけど、アフィ収入とかあるのかな…