人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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アンティークカップの修理に挑戦

銀座に遊びに行った後、何の気なしに久しぶりにアンティーク・モールに行きました。本当になんにも買うつもりなくて、ただ近くに行ったから冷やかしに行くか~くらいで。

アンティークモール銀座 | Antique Mall Ginza

この店は所謂骨董品屋さんじゃなくて、レンタルショーケースの店なんです。地下のフロアいっぱいにショーケースが並んでいて、そこに複数の骨董品屋さんが商品を並べているお店。実際に店内にいるのは商品を提供しているお店の人ではなく、管理の人です。だから気楽なんですよね。スタッフさんも客を気にしてないし、こちらとしてものんびりゆっくり見て楽しむことができる。
骨董品屋でウィンドウショッピングなんて、ここくらいでしかできないもの。

……というつもりだったんですけど。
何故かたまたま行った日がセール中でしてね。アンティーカップが2~5割引きでいつもの3倍くらい展示してあったんですよ。何これどういうこと?運命?

というわけで、まんまと買ってしまった。

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デミタスカップ2つです。私コーヒー飲まないのにね!でもカッコよすぎて買わないと後悔するから!
とはいえそうやって気に入ったものかって言ったらキリが無いので、ティーカップはトリオ(カップ・ソーサー・ケーキ皿のセット)のみ」と決めています。「デミタスカップはすごく気に入ったら買ってよし」ってルールも追加しようかしら~~

 

ロイヤル・ウースター デミタスカップ&ソーサー ジュール付き(1932年)

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状態は、まぁちょい悪いですね、正直言って。
カップの内側が正常でしたら全て金色に塗られているはずですが、摩耗により剥げてしまっています。
…正直、何でここまで使ったんだろう?って思います。フチが禿げてくるのはわかるけど、内側が剥げるってどんだけガシガシ洗ったんだ?そこまで駄目になる前に使うのやめようと思わなかったのか?と。
あと、恐らくソーサーは元のペアのものではありません。なぜなら売場でもうひと組、このお皿と同じ模様のカップカップ&ソーサーペアも売ってたから。

そして年代とか調べるためあれこれ検索しているうちに大体わかったのですが、この時期のロイヤル・ウースターはこういう黒地に金彩のデミタスカップを何パターンも販売していたようでしてね。必ずカップとソーサーが同じ柄になっているんですよ。
多分元の皿割れちゃったから代用したんだろうなぁ、と。皿だけ見つけたら買いたいですが、まぁ無理だろうな。カップの番号で検索かけても全く出てこないもの。

正しい組合せの方が価値は高いかもしれないけど、このカップが欲しかったんだもん。資産価値があるようなものなんかどうせ買えないんだから、自分が気にいるか以外の基準はないです。

 

ロイヤル・ウースター デミタスカップ&ソーサー メアンドロス柄(1925年)

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メアンドロス模様のデミタスカップ&ソーサー。こちらは全く同じものをネットショップで見つけました。

antique-tableware.com

スプーン付きとはいえ、5万!デミタスカップのくせに5万!!

をいくらで買ったかというと…

なんと……

驚愕の……

 

12400円(税込)

いや、安すぎだろ……半額以下じゃん…
と思って買ったわけではないですが。だって買う時このサイト見てないし。

なんでこんなに安いのかといえば、率直に申し上げてわけあり品だからです。
上の写真でもわかると思うけど皿が酷い。

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うーむ、何でここまでひどくなってしまうのか。普通に洗っててここまでならなくない?さっきも思ったけど、ここまでひどくなるまでに何とかしようと思わなかったのかなぁ。

 

とはいえ欲しかったので購入。そして、金彩が剥げてはいるんですけど、うっすら跡が残っているので上からなぞればなんとかなるんじゃないかな?と色々調べてみました。
でも割れた陶器をくっつけてくれる業者はあるけど、色を塗りなおしてくれる業者が見つからないんですよね……まぁ、本当に修理しようと思ったら再焼成しなきゃなわけで、そしたら他に影響出ないわけもないから無理なんだろうな。

というわけで、自分で塗り直すことにしてみた。
本当は食器だから人体に影響の無い素材、例えば本漆と金修理を使うべきなんだろうけど、高いじゃん。でもよく考えたら受け皿とか、別に食器として使わないじゃん。食品なんか乗せないじゃん。だから見た目だけ直ればいいじゃん。
ついでに言えばここまでぼろぼろだったら、もうすでに価値的なものは皆無なんだから、別に失敗してもいいじゃん。これ以上悪化するわけないもん。
というわけでこれを使いました。

 

まずは目立たないところでチェック。皿の淵です。

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通常の手順通り、うるし塗ってから粉をかけてなじませてみました。
うーん、ちょっとざらざらが目立つかなぁ。あと、粉を広げる時にはみ出してしまう。

 

ではやり方を変えて、模様にチャレンジ。f:id:minnagi:20190523134442j:image

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漆に粉を混ぜたものを縫ってみました。はみだしがやばい…
まあまあ不器用なので苦戦しましたが、一応一周なおしたよ。

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元と比べれば、まぁ。ぱっと見ならありかな。絵のうまい人ならもっと綺麗に直せるんでしょうが、これで良しとします。

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カップの方は食器に仕える金塗料ないし、広い面積きれいに塗る自身もないのでこのままでいいや。修理も面白かったので満足です。