書籍データ
- タイトル:Iターン
- 作者:福澤徹三
主要人物
- 狛江:主人公。広告代理店社員。左遷されてくる。
- 竜崎:ヤクザ。竜神会の組長
- 岩切:ヤクザ。岩切会の組長
- 土屋:零細印刷会社社長
舞台
少し前の現代。不況の風が吹き荒れる東京から北九州へ
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うだつの上がらない広告代理店社員狛江は折からの不況に伴いリストラ要員として北九州支店に飛ばされる。単身赴任で支店長となり、リストラを回避のため営業成績を上げようと奮闘する。
売上向上施策の一つとしてクオリティの低い土屋の印刷所との取引停止することになる。すると最後に回したチラシ印刷で嫌がらせとして電話番号をわざと誤植をされてしまう。そのチラシはヤクザ竜神会系列のもので、呼び出された狛江は損害賠償を迫られる。会社にバレたらクビになると消費者金融を回って借金して竜崎に金を渡す。追加で系列店の広告を無料で作成するよう脅迫される。
狛江に、再びクレームが入ってくる。先程の竜神会チラシで誤植された電話番号は、対立するヤクザ岩切会の系列店のものだったのだ。営業妨害の損害賠償をしろと迫られる。もう借金のアテもない狛江は竜崎に仕事で会うついでに金を借りられないかと相談する。意外にも竜崎はそれを了承し、取引の場に金を持っていくことを約束する。
岩切に金を渡す日、竜崎の手下が持ってきたカバンには白紙と白い粉が入っていた。偶然それに気づいた狛江は訝しんで取り出すが、すぐに岩切が来てカバンを奪われる
と、突然警察が乱入して持ち物検査を始めるが、直前に粉を取り出していたため空振りに終わる。狛江は岩切に金が入っていないことを責められ、竜崎に粉入りのカバンを渡されたことを白状する。竜神会は覚醒剤の取引で繋がりのある刑事に岩切会を逮捕させようとしたのだ。
元々対立していた竜崎と岩切は大揉めし、売り言葉に買い言葉で狛江は無理矢理に岩切の舎弟にされてしまう。
借金に加えて岩切への上納金まで負担することになる狛江。金を作るため岩切会の力でデパートや銀行の役員を脅迫し、仕事を発注させる。土屋の印刷会社も巻き込んで架空請求で金を作る。
狛江は竜崎にスパイになるよう脅迫される。近々拳銃取引があるので場所等を密告しろと言うのだ。しかしなんの情報も掴めないまま取引当日を迎える。竜神会は岩切会の本部に乱入し、若い衆をさらい、命が惜しければ岩切に対し警察は自首するよう要求する。出頭するも、何の自白もせず粘る岩切。そこに竜神会から囚われた若い衆が自力で逃げてくる。
岩切の自白を阻止したいが拘置所と連絡を取る手段がない。そこで狛江はデパートの新聞広告の文を一部書き換え、暗号で岩切に若い衆の無事を伝える。
暗号に気づいて自白をやめた岩切は拘置所を出て戻ってくる。そのまま岩切会は竜神会に突入し、竜神会を壊滅させる。
狛江はデパートの広告誤植の責任を本社から取らされそうになる。しかし竜神会と繋がりのあった銀行が岩切会に乗り換え、その舎弟である狛江をクビにしないよう圧力をかけてきた。ヤクザの一員を刺激しないようにとリストラから一転、東京本社に戻って昇進となる狛江。竜神会、岩切会との縁も切れて東京へ戻って行く狛江。
新幹線の隣の席に何故か岩切が現れて、自分も単身赴任して東京でヤクザ仕事をするつもりだと告げる。
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