人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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【感想文】ニュートン 無とはなにか

書籍データ

  • タイトル:ニュートン
  • 読書時間:約1時間
  • お勧め度:★★★★★

今日の猫
f:id:minnagi:20190401002102j:image

 漫画も一冊だし、雑誌も一冊だし、デカメロンだってラノベだって京極夏彦だって、一冊は一冊だよ。
昔っからこの雑誌はしっかりした内容なんだけど、イラストがどことなく胡散臭いのは何とかならないのかしらねぇ

 

 特集記事内容です

  • 無とは何か そのおどろくべき正体とは?
  • 謎多きフォッサマグナ
  • 本州を分断する、比類なき巨大な溝
  • 未知の宇宙へのいざない 
  • はやぶさ2,着陸に成功!
  • 小惑星リュウグウへピンポイント着陸 
  • コーヒーは体によい?悪い?
  • 眠気を覚ます仕組みや病気とのかかわり
  • 星は,なぜ輝くのか?

普段雑誌は買わないのだけど、特集があまりに面白そうなので買ってしまった。無に関する最新の知識とか、面白いに決まってるじゃん。読んでる最中、すごく楽しくてよかった。

 

私は元化学の徒かつ現ITの人なので、一般的な「無/NULL」というのはわかっているつもりだ。特にITでは、NULL、未定義、長さゼロの値という3つを判別できなければ、正しく処理できないのはよくあることだ。
「ここに"ない"が"ある"」と考えるのはゼロの概念に近いものがある。肉眼では見えないから難しいかもしれないけれど、実際には"無"はそこらじゅうにあふれているし、私たち自身の中にも含まれている。

中学くらいの理科で、原子のことを習ったと思う。全ての物質は原子の組み合わせでできている。原子がつながって分子になり、それが連なって様々な混合物でこの世界は構成されている。人間の体だってそうだ。
その原子と原子の間、原子のサイズからすれば結構な大きさのその隙間は、無だ。
原子は陽子と中性子とでできていると習ったのを覚えている人もいるだろう。もちろん陽子と中性子の間だって、無だ。
化学的にいえば、この世界は無であふれている。ミクロの目で眺めてみれば、この世は巨大なジャングルジムなのだ。

別な見方をして、物理的に言ったらどうだろうか?と話は進んでいく。ヒッグス粒子ダークマターに話が進んでいくのも面白いけど、簡略に語れるもんじゃないからそれは雑誌を読んでね。

個人的にダークマターって、話としては面白いけれどもなぁとちょっと否定的です。
間違ってると思うってわけじゃなくて、仮定の物理計算の結果がどうしても合わないから、こういうものがあると仮定するといい感じになるよ、ってその態度があんまり科学的じゃないなぁと思う。でも計算が合ってるからイイじゃん、なんてのはますます科学的じゃない。地動説につじつまを合わせるために水星逆行とか無理やり捻りだした歴史を忘れちゃいけないよ。
もちろん、実証されたら面白いなって気持ちはがっつりあるから現役科学者さんには頑張って欲しい。

 

 SF好きな人は、

あたりが載ってるるのがすごい楽しいんじゃないかなと思う。
フォッサマグナとか珈琲とか全く興味ないんだけど、読めばなるほどなと思う。
星は,なぜ輝くのか?って特集もよかった。やっぱり時々はこういう雑誌を読んで、ざっくりでいいから知識のアップデートをしないといけないなぁと思うよ。

 

小特集で思考パズルがあった。よくある「3組の夫婦が、夫婦以外の異性と二人きりにならないように川を渡るには?」というやつの初出を知れて大興奮。
イングランド出身の修道士アルクィンによるラテン語で書かれた「Propositioned ad Acuendos Juvenes」青年達をきたえるための諸命題だそうです。
関連論文見つけたよ。

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/81001191.pdf

 

実に楽しい雑誌だった。

雑誌なので、粗筋はありません。