人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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【 感想文】ノーストリリア

書籍データ

今日の猫。ツーショット撮り忘れ
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面白かった。人類補完機構というシリーズの一部だけと、第1巻じゃなかったからこれから読み始めたの失敗かな~って思った。独立した物語だからこれだけ読んでもわかるし面白いけど、取りこぼしないかなと気にはなる。
 

王道の行きて帰りし物語。少年が生まれ故郷を離れて旅に出て、少し大人になって帰ってくる。その中にSF要素を詰め込んで、過酷な環境で朴訥な農夫達の世界から、サイバーパンクな大都市、そして宗教的指導者の支配する地下ゲリラ世界と、舞台を鮮やかに移して進む物語は鮮やかで実に面白い。

基本的に主人公を追っていくスタイルなのだが、時折第三者の様子がカットインされたり、妙に詩が多かったりするのが面白い。序章であっさりストーリーの骨子を明らかにし「お話はそれだけだ」と言い切るのも昔話を語り出すようで良かった。本当にそれだけの物語を、それでもしっかり読ませる自信があるのだろう。そして現実にわかっていて読んだ本が面白いのだからすごいなぁと思う。

 

各キャラクターたちがとても魅力的で良い。刊行年は相当前だけど、古さを感じさせずサクサク読める。細かいところは放りっぱなしなとこもあるけど、まぁ全てを説明するのが小説ではないし。

結構面白くてよかった。