国立新美術館にボナールを見に行ってきた。
チケットはこちら。
なぜこれにしたw
サブタイトルの「視神経の冒険」ってどういう意味だw本当に全く悪意がないと俺の目を見ていい切れるのかwww
ボナールは19世紀末のフランスの画家。見る限り、結構なボンボン。ナビ派としてのスタートです。
この人も、ヘタウマだなぁって感じ。完成品が写実でない人(ピカソとか)も、デッサンや下書きは写実的な意味でうまかったりするんだけど、この人は全部こんな感じだから。
と話してたら同僚に「じゃなんで画家になれたの?」と割と失礼な質問をされたけど、時代じゃないかな。
印象派が確立してそれまでのアカデミー一辺倒から絵画は自由でいいんだ!っていろんな冒険が行われた時代。ジャポニスムが確立して、平面的絵画がうけた時代。100年前なら画家として認められたとは思えないよね。
時代の空気を閉じ込めたような絵を描く人。
庭の女性たち
これなんかもうジャポニスムの極致といった感じです。
縦長の構図、平面的な塗り、記号化された植物、立体感を無視してただ張り付けたかのような服の柄。
「日本かぶれのナビ」と言われたのもわかります。
白い猫
衝撃のあまり、チケットと同じ柄なのにポストカードも買ってしまった。
最初チケット見た時何かの絵の部分なのかなと思ったのですが、これで完結なのです。
最初から猫を描こうと思って描かれた猫。なぜこうなる。首どこに行った。妙に目つきが色っぽいのがまた困惑を呼ぶ。
/⌒ヽ
/ ´_ゝ`) ちょっと通りますよ・・・
| /
| /| |
// | |
U .U
京都人は↑ちょっと通りますよだという。その通りだ。
ちなみに全部数えましたが、描かれた動物は猫12 犬30で犬が圧勝でした。
黒いストッキングの少女
この絵がすごくいい。
少女時代の自己完結した感じ、一人でくつろいでいるところを覗きこんだ感じ、鑑賞者など視界にも入らない彼女のよそよそしい拒絶、自分の殻。
そういうのがある。色もとてもよい。
この人は色彩感覚と構図がすごくいいのだけれど、細かい描き込みが苦手なのかなと思う。この系統のをいくつも見たかった。
「バラ色のローブを着た女」
という絵が一番気に入ったけれどポストカードがなかった。ハッと引き付けられるような鮮やかな紅色の絵だ。
こちらのサイトで見れる→画像:名古屋でフランス美術を鑑賞 ヤマザキマザック美術館 [美術館] All About
猫と女性 あるいは 餌をねだる猫
こちらも不安定な猫。モデルとなった女性はボナールの妻となるマルト。 神経症を患っていたとか、他の女に浮気しようとしたら怒ったから結婚したとか書いてあった。
でも、1893年に知り合って1925年に結婚。女性一人で生きられない時代に30年以上も内縁の妻として不安定な立場にいたら、そりゃ神経症にもなるだろうよって正直思った。
マルトの顔は暗くぼんやりしているけれど、全体は明るい絵。いきいきとした猫、魚、手前はたぶん葡萄。
テーブルをはさむ構図は鑑賞者が絵の中にいるような、親密さを表現するというけれど、それでも届きそうで届かない冷たい膜のようなものがある気がする。
皿と果物(桃を盛った鉢)
ちょっとセザンヌっぽい。好き。
花瓶
今までとは変わって明るい静物画。背景も花瓶も同じ密度で描かれ、溶けて渾然一体となっている。いい色だと思う。
ボナールは好きなんだけれど、今回の展示はあれ~って思うところが多かった。なんというか、あんまり魅力的に感じなかったのだ。率直に言うと。
パンフレットと実際に飾られている絵が違うものがいくつもあって、それ自体はよくあることなのだけれど、他のブロックにあったものが別のブロックに移動しているものもあった。その絵をどういう文脈で、その画家のどの時代・どの手法に分類するかということまで変えるっていうのはあまりない。
美術館の人も、その絵をどう捉えるかということで悩んだのかなと思う。
おみやげかわいかったし、結構美味しかった。