人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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クローン発生中 ブリューゲル展 3/23

私用が早く終わって暇すぎるので、東京都美術館ブリューゲル展を見てきた。

www.tobikan.jp

www.ntv.co.jp

って、今知ったんだけど2月なら撮影できたんだね…悲しみだね…こんなブログ見てないで、2月に行った人の写真付きブログを見ればいいじゃん…(やさぐれ
どうせ行くからって油断してないで、ちゃんと展示情報チェックしとかないといけないね。

 

ブリューゲルかぁ、去年のボス展とバベルの塔展で結構見たよなぁと思ったけど初見のものがすごく多かった。という見たことあるのは2,3個だった(ただし自家コピー作品は初見かどうか正直わからん)。
そもそも展示物がめっちゃいっぱいある。カタログ上で101点ある。しかもそのほとんどが「個人蔵」なのもすごく気になる。誰だこんなの思ってる御大臣は。
意外なところでルーベンスが1つあったよ。

 

見た人みんな言ってるけど、家系図があってブリューゲル一族の作品にはすべてそれが「親/子/孫」のどれかってのが明示されているのが便利。

f:id:minnagi:20180326143647j:image

 ブリューゲル一族はやっぱり初代が有名だし、みんなが同じ作品を欲しがるので自家コピーのものが多い。お父さんが描いた絵をコピーして子供が作るとか。
模造品というより、今だったら写真印刷してポスターとか作るところを手描きでやってる感覚なんだろうね。
かなり精密なコピーを作っていても、作者や時代の違いによって作風がちょっとずつ違うのが面白い。
例えばピーテル2世の鳥罠は父親のピーテル1世より色が赤っぽくセピアがかり、輪郭も優しい印象。
ヤン1世の作品は明暗がしっかりしていてドラマティックな感じがするが、その子供のヤン2世はメロドラマ的な甘ったるさがある。でも両方他の動物は普通にリアルなのに、馬の目だけ妙に少女漫画っぽくキラキラして面白い。
お気に入りのブリューゲルを探すのがよいと思う。

 

この時代は絵の分業制が進んでいたそうだ。背景はこの人が描いて、人物はこの人が描いて、という風にあちこちの工房を絵が移動するため、持ち運びしやすい金属板などに描かれることもあったというのも面白い。絵の具が進化してきたからできるんだね。

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マールテン・ファン・ファルケンボルフ/ヘンドリク・ファン・クレーフェ
バベルの塔

f:id:minnagi:20180325161820j:imageいきなりブリューゲルじゃない絵だけど。
ピーテル・ブリューゲル1世の「バベルの塔」に影響された1枚。

見どころ|【公式】 ブリューゲル「バベルの塔」展

だけど、ブリューゲルのより人間がぐっと増え、神様の姿も追加され、なんというか人間味と信仰心にあふれています。
ピーテル1世の作品って、もっと冷たいよね。人間が描かれていても、興味があまりない感じ。
今回の作品で言うと、船シリーズで義父のヒエロニムス・コックの指示でイカロスとか書き込まれた「イカロスの墜落の情景を伴う3本マストの武装帆船」より、「港に向かう4本マストの武装帆船」が力強く美しいし、気合入ってる感がある。

この時代の人だから無神論者というわけでもないのだろうけれど、あんまり神や人に興味が無くて建築構造とかのほうが好きだったんじゃないかなぁと思う。

ここまで人間増やしちゃうと、ちょっとうるさいよね。オリジナルの圧倒的な感じが抜け落ちている。

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ピーテル・ブリューゲル1世/ヤーコプ・グリンメル
「種をまく人のたとえがある風景」f:id:minnagi:20180325161755j:image

近景に種をまく人がいて、対岸の船とかがキリストの説教風景なんだとか。小さすぎてわかんないけど。
宗教色すごい強い。

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ヤン・ブリューゲル1世(?)/ルカス・ファン・ファルケンボルフ
「アーチ状の橋のある海沿いの町」f:id:minnagi:20180325161809j:image

この海の色がすごくいい!ブリューゲルは近景、海がファルケンボルフです。
大航海時代が始まって、異国を思わせる海や船の絵が人気になったとのこと。

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アンブロシウス・ブリューゲル「花瓶に入ったチューリップとダリア」

f:id:minnagi:20180325161802j:image

ブリューゲルといえば、花だよねぇ。ポストカードはなかったけれど、ヤン・ピーテル・ブリューゲルの「花の静物」が一番好きだ。赤い下を向いた花があるやつ。
これぞブリューゲル!って感じのは「籠と陶器の花瓶に入った花束」かな。

 やたらチューリップが多いのは、この時代にチューリップ・バブルが起きていたからです。黒いチューリップとか物語にもなっているよね。

 

ポストカードないやつは、セバスティアン・フランクの「野に向かう農民のいる風景」構図が面白くて良かった。風景がなんだけれど、手前に大きく農民を描いているの。

 

町の風景に、こういう謎の構造物があってなんだか分からず気になった。雪よけ?にしてや屋根の部分小さいしなぁ。 

f:id:minnagi:20180327120258g:plain

いつものフォトスポット

f:id:minnagi:20180326182055j:image

ガチャガチャがあって面白いなと思った。けど私もうこういうグッツには手を出さないって決めてるんだ!キリが無いから!!f:id:minnagi:20180326181505j:image

めっちゃよくできてる。

f:id:minnagi:20180326182043j:image

ボリュームすごいし細かい絵も多いから、ゆっくり見れる時間に行くと良い。